最低限身に付けるべき金融リテラシー8

<昨日の続き>

2013年4月に金融庁金融研究センターは、金融経済教育研究会の研究会報告書として、「最低限身に付けるべき金融リテラシー」をまとめました。それについて、昨日に引き続き考えたいと思います。

(c)金融知識及び金融経済事情の理解と適切な金融商品の利用選択

項目 13:資産形成における分散(運用資産の分散、投資時期の分散)の効果の理解

できるだけ分散

個別の金融商品は、それぞれリスクがあります。そのリスクとは、リターンの不確実性の度合いのとこですが、複数の異なるリスク特性を持つ金融商品に分散して投資することで、こうしたリスクを軽減させることが重要です。このようにして、安定的なリターンが得られるようにすることは、資産形成について考える上で肝に銘ずべき事柄です。

投資対象、通貨、時期、銘柄

また、分散にも様々な分散があります。国内株式・債券及び外国株式・債券に分散する「投資対象の分散」、円だけではなくドル等に分散する「通貨の分散」、一時に資金を投入するのではなく時期をずらして投資していく「時期の分散」があります。また、この報告書には書いてありませんが、「投資対象の分散」の中でも、銘柄を複数持つことによる「銘柄の分散」も必要です。例えば、国内株式を持つ場合、自動車メーカー、銀行、IT企業など様々な産業の様々な銘柄に分散投資するのです。

積立による分散

なお、「時期の分散」の観点からは、同一の金融商品であっても、長期にわたり、定期的にコツコツと定額で同一の株式や投資信託を購入していけば、取得価格が平準化され、高値づかみを避けることができることから、積立式の資産形成商品を利用することが有力な選択肢の一つであると考えられる。

つみたてNISA

この関連で、平成 30 年(2018 年)1 月に導入されつみたてNISAについても、こうした積立式資産形成の一つの方法として導入されたのでしょう。

分散については、理屈は報告書の通りですが、現実的に実行できるかというと、なかなか満足のいく水準にはありません。

「投資対象の分散」は債券では難しい

国内債券については、超低金利の時代が長く続いているので、投資対象としては魅力がありません。国債については、0.05%の利率が保証されていますが、この利率はあまりにも低すぎます。自由に出し入れできない国債と、銀行預金のどちらを選びたいか、選ぶべきか、というようなことを考えるのは時間の無駄とも言えます。ペイオフで保証されている1000万円までなら、銀行預金の方が気楽のような気がします。

超低金利時代の債券

私は国内債券は、国債も含めて一切保有していません。その理由は、現在超低金利が続いているだけでなく、日本においてインフレが発生した時には、債券が暴落する恐れがあるからです。新型コロナウイルス対策で、国債残高が増加した現在、インフレのリスクは今まで以上に高まっていると思います。

米国債の利率が3~4%なら・・・

外国債券については、日本に比べアメリカは少し利回りが高くなっています。野村のUSMMF(US マネー マーケット ファンド)は、現在0.088%、米10年国債0.614%です。日本よりは少し高いものの、1%未満の利率では、為替変動リスクを考えると、アメリカの国債、債券を買いたいという気持ちにはなれません。2年ほど前に、米国債10年物の利率が3~4%に上がったら、少し買いたいとも思ったのですが、そこには遠い水準です。ヨーロッパの債権は、日本と同様に超低金利が続いていますから全く魅力がありません。

現実には株式だけ

債権は国内も、外国も、しばらくは投資対象から外れますから、「投資対象の分散」と言っても、現実には国内と外国の株式だけしか残っていません。

1オンス1500ドルなら買うかも

金(ゴールド)も2年前は以下になったら、毎年少しずつ買うことも検討したいと思います。しかし、金は金融資産全体の10%以下に抑えた方が良いような気がしています。

金は投機か資産分散か?

株式や債券は配当や利子を生むのに対し、金は生みませんから、金は投資でなく投機だという人がいます。投資、登記の定義は人によって様々ですから、その人にとっては投機なのでしょう。しかし、金を買うべきか買わざるべきかは、それとは違う次元で考えるべきものでしょう。

インフレ懸念の中の金保有

リーマンショックと新型コロナウイルスで、世界の政府が財政出動し、中央銀行が金融緩和を勧めている中、インフレ懸念が高まっているのも事実です。このような状況においては、金は投機だから買うべきではないと、一概に片付けてしまうのは疑問だと思うようになりました。今後5年、10年の中で買うタイミングをはかり、少しずつ買うことを考えようと思います。

中高年齢の「時期の分散」

「時期の分散」について、報告書は定額の投資信託積立を推奨していますが、これは主に若い人向けに当てはまる方法で、有効であると思いま。しかし、60歳を迎えて、退職金を受け取った人の資産運用はどうすべきか、あるいは50歳代で親から相続した資金をどうしたらよいのかの示唆はありません。現実には、そういう人たちが銀行に相談して、高い手数料や、高い信託報酬の商品を買わされているのではないでしょうか。この問題を報告書は逃げています。

5回に分散しても2年の遅れに過ぎない

証券会社で、低コストのインデックスファンを購入し、そのまま保有していれば、金融機関にリターンをかすめ取られないで済むように思います。もし、1回で投資して高値掴みする恐れがあると思うなら、3年、あるいは5年に分散して投資すれば、その恐れは減らせます。3年に分散しても、資産運用期間は1年しか違いませんから、あまり損にはなりません。5年に分散しても2年しか違いませんから、その差は入会金、安心のための保険料と割り切ればよいと思います。

連れ合いのショック

私の連れ合いは、サブプライムローン問題発覚の直前に1,000万円を投資し、1年半後にリーマンショックを迎えました。評価額は半分以下になったので、その後6年間投資をやめてしまいました。その結果、リーマンショック後の安値圏の買い場を見過ごしてしまったのです。最初から2007年、8年、2010年、11年、12年の5回に分けて買っていれば、現在の評価額は投資額の2~3倍になっていたでしょう。

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