リタイア後の実態
最近60代半ばの友人に会いました。彼は、数年前にリタイアして趣味に忙しくして楽しんでいます。この人の友人は、過半の人がリタイアしているそうです。「その人たちは今何をしているんだろう?」と聞いたところ、「鬱になっているんじゃないかな。」と言っていました。リタイアしても、打ち込める趣味や家庭・地域でやるべきことがない人は、時間を持て余しているようです。特に、東大などを出て大企業に努めた人ほどリタイアが早いようです。会社の新陳代謝の動きが強いのでしょう。
過剰学歴
東大などを卒業した人達は、過剰学歴(overqualification)になり、本人もある程度の処遇・報酬を期待するし、採用する側も躊躇する傾向があるようです。一方で、MARCH、日東駒専クラスの人はたくましく、第2、第3の職場で元気よく働いています。
自分でリタイアを決めるヨーロッパ人
ヨーロッパ人は、60歳を超えたころから徐々にリタイアの時期を自分の意思で決めるそうです。趣味や、人生における次のステージの準備をしているのでしょう。
アーリー・リタイアのアメリカ人
アメリカ人は、アーリー・リタイアメントを好む人が多いようです。50歳代にリタイアできるように、金銭面などの準備をしているようです。それでも、様々な障害がありますから、その対策を講じなければなりません。USA TODAYの2020年9月6日の記事をもとに、アメリカのリタイア事情を勉強してみましょう。以下は、拙訳です。
早期リタイアに期待していますか。そうするには障害があります。3点について考慮しましょう。
もし世界旅行し、ビーチでぶらぶら過ごすために十分な現金があるとかんがえるなら、アーリー・リタイアメントは、素晴らしい考えだと感じるかも知れません。しかし現実は、60歳代半ばより前にリタイアすると、資金面に影響しますが、それによって晩年の楽しみを最大限に楽しめるかどうかを決定する可能性があります。
実際、アーリー・リタイアメントが、良い面だけでなく、面倒なことになってしまう可能性のある3つの大きな理由を、ここに挙げましょう。
1.貯蓄があればより長く支えられるはずです
これは当然のことを言っていますが、給料取得を早くやめるほど、投資口座に依存し始めなければならなくなります。(そして残高は早く減り始めます)若くしてリタイアすると口座引き出し開始が早まるだけでなく、積み立ての遅れを取り戻す資格のあり、しかも、積み立てる余裕のある時期に、投資ができなくなります。
その影響は幅広いものです。もし引き出し割合を安全な程度に維持すれば、収入が少なすぎてリタイアを愉しむ機会が制約されるかもしれません。しかし、もし、あまりにたくさん、あまりに早く引き出してリタイアの夢にうつつを抜かせば、医療費がかかるときに、晩年にお金が尽きてしまうかもしれず、仕事に戻ろうとしても不可能です。
2.思い切って社会保障給付を引き下げる
通常退職年齢よりも早く社会保障給付金を申請するのなら、受給額を減額するという早期申請ペナルティを受けることになります。
そして、もし通常退職年齢以前に、給付開始せずにアーリーリタイアできたとしても、それでも生涯収入が減るかもしれません。社会保障庁は、収入が最も高い35年間に稼いだ平均賃金に基づいて(インフレーションを調整した後)、月次手当を決めるという事実から問題が生じます。
もし35年間働いていなければ、無給期間を含むために平均賃金は安くなるでしょう。そして、たとえもし35年間何とか働いても、おそらく経歴の最初よりも高い給与の時に仕事を辞めているでしょう。給与が最高の時に辞めることによって、平均賃金を計算するに当たって、初期の低賃金を置き換えるチャンスを逃しているのです。
3.健康保険の費用はかなりの金額になる可能性があります
もしアーリー・リタイアをするなら、メディケアの資格ができる65歳よりずっと前に労働しなくなることは、ほぼ明らかです。すると、医療保険なしで済ますことはできないのですから、大きな問題になります。
個人保険に加入するのと同様に、コブラという保険制度を通じて経営者が提供する保険を引き続き利用するのは一つの選択肢ですが、たぶん保険料はとても高くなるでしょう。特に、もし経営者が支払ってくれる保険に慣れている場合にはそうです。もし団体保険を継続せずに個人保険に入ると、今までよりも多くの額を差し引かれ、団体保険費用がかかります。
追加費用は退職貯蓄に早く食い込むかもしれず、その結果口座残高が早く下落するか、他のものへの支出が減ることになります。そしてこのことによって、社会保障給付が減少する可能性があることも相まって、更には貯蓄でより長い間生活することになるので、金銭面の不幸を引き起こすことになりえます。
もし、あなたがほとんどのアメリカ人と同様なら、退職貯蓄は数年分(あるいはそれ以上)不足しています。しかし、あまり知られていない僅かの「社会保障の秘密」は退職後の収入を確実に増やす助けになるかもしれません。たとえば、一つの簡単な仕掛けで、毎年16,728ドル以上も受給できるかもしれません!いったん社会保障給付を最大にする方法を学べば、望み通り心穏やかに、自信をもってリタイアできると思います。