2025年の崖

今日は「2025年の崖」問題を勉強します。

2025年の崖

多くの経営者が、将来の成長、競争力強化のために、新たなデジタル技術を活用して新たなビジネス・モデルを創出・柔軟に改変するデジタル・トランスフォーメーション(=DX)の必要性について理解していますが・・・

  •  既存システムが、事業部門ごとに構築されて、全社横断的なデータ活用ができなかったり、過剰なカスタマイズがなされているなどにより、複雑化・ブラックボックス化
  •  経営者がDXを望んでも、データ活用のために上記のような既存システムの問題を解決し、そのためには業務自体の見直しも求められる中(=経営改革そのもの)、

現場サイドの抵抗も大きく、いかにこれを実行するかが課題となっている
→ この課題を克服できない場合、DXが実現できないのみでなく、2025年以降、最大12兆円/年(現在の約3倍)の経済損失が生じる可能性(2025年の崖)。

次に、経営面、人材面、技術面(旧)、技術面(新)、その他の面から見ます。

経営面

既存システムのブラックボックス状態を解消しつつ、データ活用ができない場合、

1)データを活用しきれず、DXを実現できないため、
市場の変化に対応して、ビジネス・モデルを柔軟・迅速に変更することができず
→ デジタル競争の敗者に

2)システムの維持管理費が高額化し、IT予算の9割以上に(技術的負債※)

3)保守運用の担い手不在で、サイバーセキュリティや事故・災害による
システムトラブルやデータ滅失等のリスクの高まり

人材面

2015年のIT人材不足約17万人 ⇒ 2025年のIT人材不足約43万人まで拡大

メインフレーム担い手の退職・高齢化、PCネイティブの1960年代 世代が経営トップに ⇒ 先端IT人材の供給不足、古いプログラミング言語を知る人材の供給不可

技術面(旧)

  • ソフトウエアのアドオン・カスタマイズの積み重ねによる一層の複雑化
  • 2020年Win7サポート終了
  • 2024年固定電話網PSTN終了
  • 2025年SAP ERPサポート終了

技術面(新)

  • 2020年5G実用化
  • アジャイル開発が主流に
  • AI:一般利用進展
  • 2020年以降自動運転実用化

DX実現シナリオ

2025年までの間に、複雑化・ブラックボックス化した既存システムについて、廃棄や塩漬けにするもの等を仕分けしながら、必要なものについて刷新しつつ、DXを実現することにより、2030年実質GDP130兆円超の押上げを実現。

対策

DX先行実施:新たなデジタル技術の活用による新たなビジネス・モデルの創出

システム刷新:経営判断/先行実施期間【~2020】
「見える化」指標による診断・仕分け
「DX推進システムガイドライン」を踏まえたプランニングや体制構築
システム刷新計画策定
共通プラットフォームの検討 等

システム刷新集中期間(DXファースト期間)【2021~2025】
経営戦略を踏まえたシステム刷新を経営の最優先課題とし、計画的なシステム刷新を断行(業種・企業ごとの特性に応じた形で実施)
不要なシステムの廃棄、マイクロサービスの活用による段階的な刷新、協調領域の共通プラットフォーム活用等により、リスクを低減

ブラックボックス状態を解消し既存システム上のデータを活用した本格的なDXが可能に

新たなデジタル技術を導入し、迅速なビジネス・モデル変革を実現

経営面

既存システムのブラックボックス状態を解消し、データをフルに活用した本格的なDXを実行
1)顧客、市場の変化に迅速・柔軟に対応しつつ、
2)クラウド、モバイル、AI等のデジタル技術を、マイクロサービス、アジャイル等の手法で迅速に取り入れ、
3)素早く新たな製品、サービス、ビジネス・モデルを国際市場に展開
⇒ あらゆるユーザ企業が”デジタル企業”に。

◆2017年(IT予算比率)
ラン・ザ・ビジネス:バリューアップ=8:2

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技術的負債を解消しつつ、クラウドや共通PFの活用により投資を効率化新たなデジタル技術の活用によりビジネス上投資効果の高い分野に資金をシフト

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(IT予算比率)
ラン・ザ・ビジネス : バリューアップ=6:4
※GDPに占めるIT投資額現在の1.5倍

◆追加的サービスにおけるシステム全体の整合性を確認する期間 数か月

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マイクロサービスの導入やテスト環境の自動化により、
開発の効率化やリリース作業の短縮化

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サービス追加にかかるリリース作業にかかる期間 数日間

人材面

◆2017年(IT人材分布比率)
ユーザ(情シス) : ベンダー=3:7

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ユーザ企業のあらゆる事業部門で、デジタル技術を活用し、事業のデジタル化を実現できる人材を育成

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(IT人材分布比率)
ユーザ(全事業部門):ベンダー=5:5(欧州並み)

◆2017年(IT人材平均年収)約600万円

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既存システムの維持・保守業務から最先端のデジタル技術分野にシフト

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(IT人材平均年収)2017年時点の2倍程度(米国並み)

◆2017年IT産業の年平均成長率1%

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デジタル技術を活用した新規市場の開拓、社会基盤のデジタル化

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IT産業の年平均成長率6%

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