最近の株高に関するテレビを見て思ったこと

2か月で7%上昇

新年に入ってすでに2か月が過ぎようとしています。この間、日本、アメリカ、ヨーロッパ、新興国は株価が上昇しています。私もその恩恵にあずかり、評価額が7%上昇しました。さて、それでは、今から始めると、手遅れでしょうか。たぶんそうではないでしょう。

いつから始めても、いずれ上昇する

私が本格的に株式ETF投資を始めたのは、10年前ですが、もっと早くやっておけば、現在の2倍、4倍になっていたと思います。場合によっては、2年後、3年後に、悪いタイミングで始めてしまったと思うかもしれませんが、そのまま何もせずに10年後に思うことは、おそらく、株式ETF投資をやってよかった、ということだろうと思います。

株価を知らないテレビのコメンテーター

テレビのモーニングショーで、コロナ禍で苦しんでいる人がいる中で、株価だけ上昇するのはおかしいという話が出ていました。しかし、この人は、

経済 = 株価

という勘違いをしています。日経平均などの株価は、日本経済の一部しか反映していません。夫婦が経営している町の飲食店売上は日経平均に反映されません。農家も、漁師も、その売り上げとTOPIXは関係ないと思っているでしょう。

連合 ≠ 労働者組織

このように、一部しか反映していないのに、あたかも全体を代表するものだと誤解されているものの中に、連合という労働者組織があります。

労働組合組織率 17.1%

「令和2年労働組合基礎調査」の結果(2020年6月30日現在)によると、労働組合員数は1,011万5千人(前年比2万8千人増)と6年連続で増加しました。推定組織率は17.1%(前年比0.4ポイント増)でした。

連合加盟組合員 700万人

「連合」(日本労働組合総連合会)は、1989年に結成された日本のナショナル・センター(全国中央組織)です。 日本の労働組合は、主に企業別組合、産業別組合、ナショナル・センターという3層構造になっています。 加盟組合員は約700万人、連合は48の産業別組織と、47の地方連合会が活動しています。

2019年平均の雇用者数は5,660万人(役員を除く)。そのうち正規の職員・従業員数は3,494万人で、前年から18万人増。非正規の職員・従業員数は2,165万人で、こちらは前年から45万人増となった。

加盟率12%

つまり、雇用者数5,660万人のうち、連合に加盟しているのは約700万人しかいませんから、12%の割合しか占めていません。しかもこの人たちは大企業に勤めている、かなり恵まれた労働者です。

コメンテーターは株式保有を自粛

元のテーマに戻って、テレビで扱っていた株式投資についてお話をします。このワイドショーに出ていたコメンテーターは、株式投資に対しては否定的でした。そもそも、テレビに出演するコメンテーターは、コメントが偏ってはいけないので、株式投資を自粛する雰囲気があるのだそうです。

ポジティブ・トーク

ポジティブ・トークという言葉があります。これはプロの投資家が、自分に都合の良いようにテレビで、コメントをして、それを真に受けたテレビ視聴者が、ある種の行動をとることによって利益を得る行為です。例えば、コメンテーターが株価の割安な、ある会社に投資をして、テレビで、その会社は優良だが、現在の株価は低すぎるので、やがて株価が上昇する、というコメントを発したとします。それを見ていた視聴者が、その株を買い、株価が上昇したところで、コメンテーターが、高くなった株を売却して利益を売ると言う仕組みです。

元手100万円が7億円になったのは、ただの幸運

更に、テレビで紹介していたのが、ある芸人の話です。その芸人は、元手100万円で投資を始め、現在は30代ですが、資産は7億円になったという話です。これに関して、この番組に出演していた株式投資の専門家が、この芸人はストイックな生活をして株式投資をよく研究したからできた、という趣旨の発言をしていましたが、それは、正しくないと思います。ストイックな生活をして良く研究すれば株で勝てるのなら、誰でもそうします。なぜ、その芸人は株式投資で成功したかと言えば、その理由は、運が良かったからだということだと思います。短期間で、それだけの利益を出すには、よほど運が良くなければできません。

誰でもいつでもできる投資方法

一方で、私や連れ合いの投資方法は、運もいらず、誰でもできる方法です。必要なものは次の3つだけです。

  1. 投資に必要な資金

  2. 株式ETFを買う行動

  3. 10年間持ち続ける忍耐力

1.投資に必要な資金

今お金のない人はインデックスファンドの積み立て

投資にお金は必要です。しかし、最初から何百万円も必要なわけでは有りません。私の子供は、就職してからつみたてNISAを始めたのですが、毎月3万3千円の自動積立で投資をしています。銘柄は<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド、です。いずれ給料が増えてきたら、ETF等も始めるようにアドバイスしたいと思いますが、20代で始めるときには、インデックスファンドの自動積立が良いでしょう。毎月1千円でも構いません。スタート段階では、少額投資でも良いのです。私の子供は1年後に40万円貯まったのを知って、驚いていました。

百万円以上ある人はETFやインデックスファンド

お金に少し余裕のある、30代以上の人であれば、百万円単位の投資で、ETFやインデックスファンドを買うのが良いでしょう。私のもう一人の子供には、NISAなどを利用して100万円単位の投資をアドバイスしています。

2.株式ETFを買う行動

この項目が最も重要です。いくらお金があっても買わなければ、事態は動きません。そして、日本人のかなりの人達は行動しません。一方、アメリカのシニア層は行動したおかげで、最近20年間に資産が3倍になりました。この間日本のシニア層の資産は増えませんでした。

3.10年間持ち続ける忍耐力

株式で儲けた人の話は、売り買いによって利益が出ているようですが、私の勧める方法は、株式のETFやインデックスファンドを買って、そのまま10年間持ち続ける方法です。その間、売ってはいけないのです。私は、投資を始めてから10年の間に、生活費の補填のために一部売却しましたが、それ以外は全く売りませんでした。そのおかげで、10年で金融資産が2倍以上になりました。この方法では、100万円が7億円になることはありませんが(ただし、100年くらいかければなるかもしれません)、10年で、2倍前後にはなりそうです。売らずに持ち続けることです。

財形貯蓄と同じ感覚

私の投資方法は、ETFとインデックスファンドを買って、持ち続けるだけですから、財形貯蓄と同じ感覚です。確定利回りではありませんが、10年、20年後には2倍、3倍になって返ってくると思います。