<昨日の続き>
増税すれば不況
連れ合い:増税して金利を上げたら、もしかして不況にならない?
私:今までお金をいっぱい使って借金しまくって来たから、大変なことになるだろうね。
連れ合い:そうすると、今のままだとインフレになって、国民がインフレ税を払わなければならなるんだけど、逆に、国債増発を止めて金利が上がると、不況になるってことなの?何とかならないの。
私:何とかなる可能性もゼロではないと思う。これ以上、財政状態や国債残高を悪化させずに、今進んでいると言われている第4次産業革命で、日本が圧倒的な競争力を付けて、今の2倍くらいのGDPに増やすことができれば、今の状況でしばらくいけるんじゃないかな。
連れ合い:そんな国際競争力を付けることが可能なの?
私:どの国も必死で頑張ってるから、日本だけが圧倒的に有利なることは考えられない。何事でも完全に不可能ってことはないけど、まず無理でしょう。それから、現在膨れ上がっている支出は、医療費だから、当面そこが狙われそう。特に薬剤費を含めた薬品関係の支出を減らすべきだと考えている有識者も多いから、自分の体は自分で責任をもって、健康を保たないようにしないといけない。
連れ合い:医療費を減らすために、リフィル処方箋が始まったらしいけど、どういう仕組みなの?
私:簡単にいうと、繰り返し使用できる処方箋のこと。反復利用できる回数の上限は3回。1回あたり投薬期間や総投薬期間は、患者の病状などを踏まえ、個別に医学的に適切と判断した期間を医師が決める。
連れ合い:それで、医療費は減っているの。
私:今年の4月から始まったけど、それを判断するのは医者で、それを実施すると儲からないからあまり削減されていないらしい。発行経験がある医師は少なくて、約5%にとどまっているそうだよ。
連れ合い:それじゃ、ダメじゃん。ところで、最近、円安が進んでいるけど、今後はどうなるのかな?
私:将来のことはどうなるかは分からないけど、1990年代にも円安が進んだことがあって、その後、円高になった。でもその頃は、団塊の世代が働き盛りで、経済成長の余地があったけど、今はその人たちが70代で、今後、年金も医療費も増えると見込まれている。出生率は減少したままだから、日本の人口は減る一方。増えるのは国債残高だけだな。
連れ合い:それに追い打ちをかけるように、最近の新型コロナウイルスやら、ロシアのウクライナ侵攻など、日本は運が悪いわね。
私:特に運が悪いということは無いと思うよ。数年に1回はこういうことがあるという前提に立って、財政規律をしっかり守らなければいけなかった。それなのに、それを何十年もやってこなかったツケが、一気に噴き出したんだと思うよ。リーマンショックも、新型コロナウイルスやロシアのウクライナ侵攻の影響は、別に日本だけが受けているのではなく世界中で受けていて、それでも、他の国の国債残高は日本の半分以下なのだから。
「アベノミクス」から「アトノミックス」へ
連れ合い:それじゃ、これから日本政府は何をすればいいの?
私:国の借金を全額なくすということは不可能だし、そこまでやることはない。ある程度の借金をすることは現代の各国政府には許されているからね。でも、せめて、他の先進国並みの借金体質、例えばGDPと同じ規模の国債残高にまで借金を減らした方が良いと思う。なぜなら、今話題になっている台湾有事だけでなく、首都圏直下型地震、東海・東南海・南海地震などは、いつ起こるか分からないからね。被害が大きければ200兆円規模の損害が出るという試算もある。国の借金があまりに多額になれば、ハイパーインフレなどが起きやすい極めて危険な状態に陥ってしまう。今でも何十年ぶりのインフレが起きているに、さらにインフレが加速する可能性がある。だから、日本がその危険地帯から避難するには、
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インフレ税
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増税
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緊縮財政
を実行する必要があると思う。この三つの施策の組み合わせは、「アベノミクス」ではなく、借金をしまくって散財した後の「アトノミックス」(後のmix)ということになる。そして、残念ながら、この時、ひどい不況やインフレなどを覚悟する必要があると思うよ。
連れ合い:なんとなくわかったけど、もっと大学教授とか立派な人も、そんな風に考えているのかな?あなただけの意見じゃないの?
私:清滝信宏プリンストン大学教授も、おんなじことを言っているので驚いた。「将来、日本が財政破綻になった時には、支出カット、税収増、インフレによる国債減価という3つの政策をどのような割合で発動するかがポイント」とおっしゃっている。この先生は、日本人として初めてノーベル経済学賞を受賞するか注目されているくらいの人だよ。詳しくは、「財政破綻―清滝信宏プリンストン大学教授」を参照してね。
<インフレになった時に困らないようにするにはどうすればいいのでしょうか。>
株ならインフレを乗り越えられる?
連れ合い:インフレに備えるには銀行預金でなく、株や不動産にした方が良いのかな?
私:株と不動産はインフレに強いと昔から言われている。つまり、インフレになれば、それに応じて株価も上がる可能性がある。でも、もし世界の投資家が、日本の円は危険だと思ってしまうと、日本の円で取引される日本株式を売ってしまう可能性がある。日本株式は、現在7割を外国人投資家が取引しているので、外国人が売ったら暴落するだろうね。だから、安心というわけにはいかない。
連れ合い:それなら米国とか外国の株式なら安全?
私:日本のインフレだけ考えると、日本の株式より外国の株式の方が、安全かも知れない。
数年前まではデフレだったから、安全度が高いのは
銀行預金 > 日本の株式 > 外国の株式
と考える人がいても、あながち間違いではなかったけど、これから日本のインフレが進むとなると、
外国の株式 > 日本の株式 > 銀行預金
になる可能性がある。
でも、インフレ率だけじゃなく、利回りも考えなくてはいけない。
過去30年近く、米国株式の価格は10%で上昇
過去30年位を見ると、リターン(利回り)は
米国の株式(10%) > 日本の株式(6%) > 銀行預金(0%)
ぐらいかな。
でも外国もインフレになるかもしれない。一方で、日本がまたデフレになる可能性もないとは言えない。株式自体の価格も変動があるので安全とは言えない。
連れ合い:インフレ率と利回りの両方を一度に考えるとどうなるの?
私:1年や2年の短期だと、株価はどうなるか分からない。だから、そんな短期で考えるのではなく、中長期、例えば10年~20年で考えるしかない。米国株は過去30年以上で考えると毎年の利回りを平均8%として、10年持っていれば2倍以上になる。だから、もし株価が半分に暴落しても大丈夫。そしてインフレになっても、それに応じて価格が上がることが期待できる。それに、何年かすれば、半分の株価からかなり回復するだろうし。
連れ合い:それなら、今持っている銀行預金を米国株に換えればいいの?
<明日に続く>