確定給付年金は安定した収入
DB(Defined Benefit Plan:確定給付年金:企業年金)は、かつて退職一時金として支払われていたものの一部を一定期間に分割して受け取る年金です。以前はほとんどの企業年金も厚生年金基金も、5.5%の利回りを前提に年金を支払っていましたが、それができたのは昭和の時代までです。平成の時代の低金利では、それを続けることはとても無理で2~3%といったところがせいぜいだと思います。ただし、これは日本の場合の話で、アメリカのようにS&P500の平均リターンが8%であれば実行可能な数字だろうと思います。
資産運用におけるリスク資産と非リスク資産のバランス
私は現在、生活資金以外のリスク資産を日米欧などのETFで運用していますが、そうするにあたって、株価変動についてあまり気にしないでいられる理由の一つは、このDBの存在です。資産運用にあたっては、株のようなリスク資産と現金預金のような非リスク資産に分けますが、私の場合、非リスク資産として挙げらるのが、このDBと財形年金、そして厚生年金です。厚生年金は毎月の支給額を仮に20万円とすると、1年で240万円、25年で6000万円になります。ただし、現在導入されているマクロスライドを織り込むと、インフレが起こった場合、受取額は3割ほど減って、4200万円になると計算できます。住宅ローンなどの借金がなければ、この厚生年金とDBで何とか生活できるかも知れません。私の場合はさらに6年間、生命保険会社の財形年金を受け取れますので、それ以外の資産のほとんどすべてをETFで運用しています。(2010年当時は違いますが。)ほぼ確定した金額の給付を期待できる厚生年金等とリスク資産である国内・国外のETFの両方を持っていることは、バランス的にも望ましいのではないかと思います。
確定拠出年金は全額を株式で運用
最後のDC(Defined Contribution Plan:確定拠出年金)について、私は当初からずっと全額を株式で運用しています。スタート時点では、全額を外国株式で運用していたのですが、その商品が廃止になってしまったので、やむを得ず国内株式に移しました。DCの運用は自己責任です。全額を株式で行っていますので、評価額の変動は激しいものです。リーマンショックによって評価額は0.7倍まで減少しましたが、現在は当初の金額の1.7倍まで増加しました。DCを運用する商品の選定にあたっては、当然信託報酬を重視しますが、その場合、バランス型の信託報酬は高いので、シンプルなアセットクラスにすることが有利だと思います。DCの中だけでバランスをとる必要はさらさらなく、厚生年金、DB、ETFなど、他の資産と合わせて全体としてバランスを取ることをが必要だと思います。
(これで、「2010年4月の私の運用実績」は終わりです。)