つみたてNISAの対象とする株式指数と連動ETFの信託報酬:損切りして安値で買い戻すか、Buy And Holdか?

◎今日のグラフ:つみたてNISAの対象とする株式指数と連動ETFの信託報酬

例示ETFの信託報酬はばらつきが大きい

金融庁はつみたてNISAの説明会で、「つみたてNISAの対象とする株式指数と連動ETF」の表を配布しました。その信託報酬について調べましたのでグラフにしました。このグラフは非常に高いものから低いものまで、随分ばらつきがあるように見えます。頭に「V」のついている銘柄はバンガード社の銘柄です。バンガード社は、徹底したコスト削減で知られ、そのためにバンガード社の銘柄は、同一カテゴリーでは最安となっています。SPY、IVV、VOO、VTIはアメリカの代表的な銘柄なので地元の利もあって、安くなっています。IVVはバンガード社ではありませんが、競争相手のVOOが最安なので、その水準に合わせざるを得なかったという事情があります。

つみたてNISAの対象とする株式指数と連動ETFの例 ティッカーコード 信託報酬:%
全世界MSCI ACWI Index ACW 0.33
全世界 FTSE Global All Cap Index VT 0.11
全世界FTSE Developed Index VEA 0.07
先進国FTSE Developed All Cap Index VE 0.22
先進国S&P500 SPY 0.0945
先進国S&P500 IVV 0.04
先進国S&P500  VOO 0.04
先進国CRSP U.S. Total Market Index VTI 0.04
先進国MSCI World Index URTH 0.24
先進国MSCI World IMI Index ACIM 0.25
新興国MSCI Emerging Markets Index EEM 0.72
新興国FTSE Emerging Index VWO 0.14
新興国FTSE RAFI Emerging Index PXH 0.48

バンガード社とステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ社は素晴らしい

バンガード社が、徹底した低コスト化を実現することによって、インデックスファンド、ETFにもたらした貢献は素晴らしいものがあると思います。それは、バンガード社のあるアメリカだけでなく、日本のマーケットにも及んでいます。20世紀において、日本の投資信託は、やらない方が良いと言われるほど、コストが高かったのです。私は、山一證券の社員から「投資信託だけはやらない方がいい。」とアドバイスを受けました。それが、今はコストがとても安くなって、是非とも買った方が良いというところまで改善しました。また、ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ株式会社の発売した、SPY(アメリカSPDRのS&P 500の ETF)が世界のマーケットに及ぼした貢献も素晴らしい。低コストを実現したETFが普及する先駆けとなりました。

◎今日のテーマ:損切りして安値で買い戻すか、Buy And Holdか?

私と連れ合いの間で、長期間にわたって激論を交わしてきた問題があります。それが今日のテーマです。

値下がり時に、いったん売るべきかどうか

私と連れ合いの二人とも投資をしていて、1306(TOPIX連動型上場投資信託)やSPY(アメリカSPDRのS&P 500の ETF)など、共通の商品を所有しています。連れ合いの投資歴は10年に及び、リーマンショック、1ドル75円の円高、チャイナショックで1306の価格が大きく下がった時には、二人の間で必ず議論になったことがあります。それは、「今、売って、もっと下がったら買えば、もっと利益を稼げる」という連れ合いの意見に対して、「本当にそうなるかわからないからそのままにして売らない方がいい」という私の意見の対立です。

いったん売って買い戻すのはアクティブ運用

いつ売るか、どれくらい売るか、買い戻す時はいつか、買い戻す量はどれくらいか、というのは難しい問題だし、売り買いをするのであれば、それはパッシブでなく、アクティブの要素が入ってくるのではないかとおもいます。アクティブ運用のプロは、パッシブのインデックスになかなか勝てないと言われています。

結局売らなかったおかげで高級自動車1台と大衆車1台の合計2台分程度の運用益

結局連れ合いは、一回も売ることなく10年以上保有して、その後少し買い増した結果、現在は、高級自動車1台と大衆車1台の合計2台分程度の運用益が出ています。資産の大幅増とはいかないが、リーマンショック直前の最悪と言っても良いタイミングで買っても、10年我慢すればプラスになるという事例を連れ合いは経験しました。

個別株式は倒産の恐れがあります

連れ合いの場合、本人が昔勤めていた会社の持株会に入っていて、その会社の株を数百万円買って持っていました。その会社が倒産したために、その株式の価値がゼロになってしまった経験があるのです。一方、ETFの最大の利点は、個別株式のように倒産して価値がゼロになる心配がないので、売らずにじっと我慢していれば、必ず価格が回復するとことだと思います。私の資産運用では、評価損が発生しても1年、連れ合いの場合は6年で運用益に転換しました。連れ合いの場合、かなり1306のウエイトが大っきかったので、SPYなどの外貨ETFなどに分散していれば、もう少し早く元本の水準まで回復できたと思います。資産の分散化は大事だと思う。また、時間的な分散化も必要で、もし、株価が低迷した期間、毎年定額ずつ1306を買い増していたら、6年かからずに、もっと短期間で、運用益に転換できたと思います。