ネット投資家か店頭投資家か:ネット証券会社との取引

◎今日のグラフ:ネット投資家か店頭投資家か

証券経済研究(2016.3)に年代別投資家プロフィールが掲載されています。

60代はネットより店頭が好き

一番右側の60代の棒グラフに特徴がよく現れています。緑の店頭投資家が40%を超えていますので、やっぱりという感じです。一方でネット投資家も24%ですから、低い数字でありません。かくいう私も60代のネット・電話・店頭投資家です。国内のETFはインターネットで注文できますが、外貨ETFは電話か店頭でないと注文できません。30代、40代の人達は仕事が忙しいので、インターネットが多いですね。また、30代は投資に関心がないのでしょうか、インターネットも店頭も少ないです。

投資家のプロフィール(%)

30代 40代 50代 60代
非投資家 21.0 33.3 29.9 15.9
ネット投資家 19.2 26.9 29.7 24.3
店頭投資家 10.4 19.4 29.5 40.6
投資家予備軍 25.7 34.1 28.5 11.7

◎今日のテーマ:ネット証券会社との取引

連れ合いはネット証券に近付かない

連れ合いにネット証券と取引したいかと聞いたところ、「よくわからないから怖い」と言っていました。

シニアにとってネット証券のハードルは高い

普通の人にとって、ネット証券に口座を開設し、取引を行うのはハードルが高そうです。私自身、ネット証券にどんな会社があるのかを知るようになったのは、最近のことのように思います。大事な財産を預けるのですから、よくわからない会社に電話とインターネットだけで口座を開設して、資産を送金するには、かなり高い精神的ハードルを飛び越さなければならないと思います。

日本人は用心深い

日本人は、株式に関してとても保守的で用心深いのではないかと思います。それは、1990年ごろのバブルで悲惨な目にあった人が多いからかもしれません。また、アメリカのようにインデックスファンドやETFが成長して、初心者が株式や投資信託などを始めやすい土壌ができていないからかもしれません。

9割の社員は確定拠出年金に銀行預金を選ぶ

あるいは、子供の頃から、貯金箱、郵便貯金、銀行預金には慣れ親しんできても、株式、投資信託は近づかない方がいいもの、と思っているからかもしれません。私は、メーカーの人事部門の福利厚生責任者として、DC(Defined Contribution Plan:確定拠出年金)の業務に携わったことがあります。DCは自分の年金を自分の選んだ商品で運用するわけですが、9割の社員が定期預金を選んだのにはびっくりしました。国内・外国の株式・債券を選ぶ人は1割しかいないのです。この会社では、DC以外にDB(確定給付年金)も制度としてありますし、厚生年金も当然あります。DBや厚生年金は、元本確保型の年金ですから、DCぐらいはリスク資産で運用した方がバランスが取れると思うのですが、そうは思わないのです。しかも、この傾向は他の会社でもすべて同じで、どこの社員も9割が銀行預金を選ぶと、幹事金融機関の担当者が話していました。

私もネット証券は不安

これほど保守的な人達に、インターネット証券会社に口座を開設して、投資信託の取引をしてはいかがでしょうかと誘っても、あまりにハードルが高いのではないでしょうか。どうしたら、そのハードルを低くできるのでしょうか。私自身も、インターネット証券に電話をして口座を開設するのは少し怖いような気がします。私が口座を持っている野村証券は30年来の取引があります。私がかつて勤めていた会社の目の前に支店があったので口座を開設したのです。

自分の欲しい商品を選んだ後に金融機関を決定する

数年前、複数の証券会社と取引した方が良いかもしれないと考え、2社目として大和証券に口座を開設しました。この支店は私の家から歩いて行けるのです。しかし、その後、よく調べてみたらバンガード社の商品を扱っていないことが分かり、現在は資産を預けていない状態です。私の基本方針は buy and hold なので、株式の売買手数料が多少高くても、長期で見ればあまりコスト高にはならないし、家に近いところで相談できる方が良いかなと思ったのでした。

SBI証券はネット証券ながらマネープラザも設置

一方で、最近SBI証券が、秋葉原や新宿にマネープラザという対面窓口を持っていることを知りました。2018年から始まったつみたてNISAについて、もし野村証券で気に入った商品がなければ、SBI証券のりようを考えようと思ったのですが、野村つみたて外国株投信という商品が発売されました。この商品は信託報酬が安く、外国株式に手軽に積み立てることができるので、とりあえず、今は野村証券の口座で、この商品の積み立てを始めました。なお、SBI証券のマネープラザは、SBI証券とは別の会社で、対面証券のような対応はしてくれなさそうなので、今後よく調べたいと思います。