保有ETFの純資産総額:なぜ規模の大きいETFを買うのか?

◎今日のグラフ:私の保有するETFの純資産総額

1306(TOPIX連動型上場投資信託のETF)は日本最大のETFで、7兆円を超えています。日本銀行が金融緩和の施策として購入している影響もあると思います。SPY(アメリカSPDRのS&P 500の ETF)は、アメリカ最大のETFで、33兆円を超えています。VOOは(アメリカ・バンガード社のS&P 500の ETF)で8兆円超です。私のポートフォリオにおけるSPYのウエイトが大きくなったので、S&P500のETFの追加購入分は、VOOに移しました。VOOはウォーレンバフェットが家族への遺産の運用資産として推奨している銘柄で、SPYより信託報酬が低くなっています。VGK(アメリカ・バンガード社のヨーロッパ ETF)は、ヨーロッパ先進国(オーストリア、ベルギー、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、アイルランド、イタリア、ルクセンブルク、オランダ、ノルウェー、ポルトガル、スペイン、スウェーデン、スイス、英国)などの株式市場のパフォーマンスを反映しています。私の保有するETFの中では、規模が小さいですが、私のETF選択基準の1兆円超をクリアーしています。ヨーロッパ市場ですから、資産分散化のために、できればユーロ建てにしたかったのですが、ユーロ建てのETFで1兆円超の銘柄がありませんでした。加えて、バンガード社は信託報酬が低いのも魅力です。VWO(アメリカ・バンガード社の新興国 ETF)は、6兆円超です。バンガード社なので、信託報酬が0.14%と安いことが魅力です。この銘柄を2015年に買おうとして野村証券に相談したら、「新興国はリスクが高いのでやめた方がいい。私は自分のクライアントにVWOを売った経験がありません。」と言われました。そのため、私も怯んでその時は購入を取り止めたのですが、もう一度よく調べた結果、まったく問題ないという判断になりましたので、その直後に購入しました。現在2割以上の運用益が出ています。一番右のASX200はオーストラリアのETFです。棒グラフが見にくいですが、3000億円超の純資産額があります。

銘柄 純資産総額(億円)
1306 72,728
SPY 333,378
VOO 81,568
VGK 19,518
VWO 68,571
ASX200 3,954

◎今日のテーマ:なぜ規模の大きいETFを買うのか?

私のETF選択基準は1兆円以上

2018年から開始されたつみたてNISAについて、金融庁はこの制度に相応しい指数として、TOPIX(連動ETFの例として 1306)、S&P500(連動ETFの例として SPYなど)などを挙げています。指数として挙げているので、商品そのものではありませんので念のため。1306とSPYは日米で最大のETFです。また、私がETFを選択する時の基準の一つが、原則として純資産額1兆円以上です。

20年、30年の長期保有には大規模ETFでないと不安

私は、ETFを一度買ったら基本的に5年や10年の短期間で売るつもりは有りません。従って、廃止の恐れのある規模の小さなETFでは安心できません。純資産額が1兆円を超えていれば、20年か30年くらいは存続し続けているのではないかと思います。そこで野村証券に電話して「もし、ETFが廃止になったらどうなるのか」という質問を投げかけたところ、確か「最後の取引価格で払い戻す。」との回答を得ました。

DCの運用商品が廃止になった経験

実は、私はDC(Defined Contribution Plan:確定拠出年金)を所有していますが、その運用商品としていた外国株式のファンドが廃止になってしまって、他の商品に移管せざるを得ないという経験をしています。その時には、廃止時点の評価額で他の商品を買えたので、損は発生しませんでした。従って、資産額が数十億円の商品には不安感があるのです。

ASX200だけは資産分散化を優先

そこで、ETFに関しては、購入する際の基準を、純資産額が1兆円以上であることとしたのです。ただし、ASX 200(オーストラリア証券取引所における株価指数)という商品だけは純資産額が3000億円超なので基準をクリアーしていないのですが、資産分散という観点から例外的に所有しています。

ヨーロッパのETFはユーロ建てが良いのでは?

ただし、もし1兆円でなく、5000億円という基準を設定していれば、ヨーロッパのETFをユーロで買えることができたので、資産分散化を測れたかもしれないと考えています。具体的には、ドイツ市場に上昇しているiシェアーズ ユーロ・ストックス 50 UCITS ETFは、純資産額が7270億円です。また、iシェアーズ MSCI ヨーロッパ UCITS ETFは、純資産額が6766億円です。両銘柄ともユーロ建てです。経費率は0.16%と0.35%です。もし、今後ヨーロッパのETFを買い増すことがあれば、この2銘柄のうち、経費の安いiシェアーズ ユーロ・ストックス 50 UCITS ETFを検討するかもしれません。ただし、私は、日本やヨーロッパのような旧大陸は、アメリカ、オーストラリア、新興国のような成長は難しいのではないかと考えているので、投資資金に余裕があれば、アメリカなどの成長国のETFを買うだろうと思います。