つみたてNISAの対象とする株式指数と連動ETFの純資産額:押し目待ちに押し目無し

◎今日のグラフ:つみたてNISAの対象とする株式指数と連動ETFの純資産額

例示ETFの純資産額

昨日に引き続いて、金融庁がつみたてNISAの説明会で、配布した「つみたてNISAの対象とする株式指数と連動ETF」の表について、その純資産額を調べてグラフにしました。銘柄は昨日と同じです。この中で、一番高い棒グラフが、SPY(アメリカSPDRのS&P 500の ETF)、3番目がVWO(バンガード®・FTSE・エマージング・マーケッツETF)、4番目がVOO(アメリカ・バンガード社ののS&P 500の ETF)です。これらは私の保有するETFでもあります。私は他に、VGK(バンガード®・FTSE・ヨーロッパETF)、ASX200(オーストラリアのETF)を保有していますが、これらは地域限定なので、金融庁の資料には乗らなかったのだと思います。

大小さまざまな純資産額のETF

なお、VE、URTH、ACIM、PXHは棒グラフがないように見えますが、金額が少ないので、見えにくくなっているだけです。一番右のPXHはかろうじて細い線が見えます。

つみたてNISAの対象とする株式指数と連動ETFの例 ティッカーコード 信託報酬:% 純資産:億ドル
全世界MSCI ACWI Index ACW 0.33 68
全世界 FTSE Global All Cap Index VT 0.11 90
全世界FTSE Developed Index VEA 0.07 475
先進国FTSE Developed All Cap Index VE 0.22 2
先進国S&P500 SPY 0.0945 3067
先進国S&P500 IVV 0.04 1557
先進国S&P500  VOO 0.04 741
先進国CRSP U.S. Total Market Index VTI 0.04 521
先進国MSCI World Index URTH 0.24 5
先進国MSCI World IMI Index ACIM 0.25 1
新興国MSCI Emerging Markets Index EEM 0.72 359
新興国FTSE Emerging Index VWO 0.14 854
新興国FTSE RAFI Emerging Index PXH 0.48 9

小さな規模のETFを例示した理由は何?

この棒グラフを見ていて、疑問に思うことがあります。私は、純資産額1兆円以下のETFは原則として買わないこととしています。その理由は、安定感、信頼感、そしてそれに基づく安心感がないからです。金融庁が資料として、インデックス指数とそれに連動するETFの例を公表する時に、このような少額の純資産額のETFを選ぶことの意味は何なのでしょうか。純資産額が1億ドル、2億ドルしかないようなETFは、いつ消滅してしまうかもしれません。例示としては、もっと大きな規模のETFを示したような方がいいような気がします。

◎今日のテーマ:押し目待ちに押し目無し

リーマンショック後、SPYは一本調子で上昇

皆さんご存知の相場の格言の一つです。2017年から2018年1月までのSPY(アメリカSPDRのS&P 500の ETF)の動きを見ていると、本当にそう思います。リーマンショックでSPYの価格が底を打った後、ほとんど一本調子で上昇しました。チャイナショックで少し調整したものの、再度上昇を開始して、底だった2009年の3倍ほどになっています。

調整可能性の予測は有るもののなかなか実現せず

1年ほど前にアナリストなどが、1割ほど調整するかもしれないというコメントをした人もいますし、長期ではアメリカの株は上がる一方だ、という人もいました。もし、押し目が入ったら、買い足そうとして待っています。2月になって、少し調整が有りましたが、どこまで調整が進むと底値になるのでしょうか。どのくらい下がったら、どのくらい買い始めたらよいのでしょうか。押し目買いのチャンスが来ないと、押し目買いができなくて残念と思って、精神的に疲れてしまいます。逆に、調整の可能性が少し始まると、追加購入についてまた悩んでしまします。押し目買いができない時は、保有しているETFの価格が順調に上がって良かったなあ思い、押し目買いのチャンスが来たら、追加購入を楽しめるようになればよいのですが、それほどの経験も資金もありません。

ドル円にも当てはまる格言

この格言が当てはまるのは、ETFだけでなく、ドル円の時もそうです。2016年にドル円が100円まで下がった時には、105円前後で押し目買いを2回行うことができました。しかし、その時は押し目買いができて良かったという気持ちよりも、どこまで下がるんだろうという不安感の下で、USMMFの平均取得単価を下げるために、仕方ないから少し買っておこうかという、どちらかと言うマイナスの精神状態でした。今、ドル円は、110円前後で推移しています。105円、100円になったら、少しずつ買おうと前向きな気持ち手待っているのですが、なかなかそういう前向きな気持ちにはならないものです。

相場を楽しめる胆力

「胆力」が必要とはこういうことでしょうか。経験を踏んで、精神状態を良好に保ちたい。