野村證券確定拠出年金国内株式のリターンと信託報酬:代行返上の理由

◎今日のグラフ①:野村證券確定拠出年金国内株式1年間期間収益率

野村證券の確定拠出年金の投資信託のうち、国内株式の過去1年間のリターンを棒グラフで表示しました。

商品 国内株式リサーチ・アクティブ・オープン(確定拠出年金向け) 野村DC国内株式
インデックスファンド・TOPIX
野村日経225
インデックスファンド(確定拠出年金向け)
野村證券
確定拠出年金
1年期間収益率
12.87% 10.41% 15.01%

特徴が良くあらわれた結果

この3本のグラフは、アクティブファンドとインデックスファンドの比較、TOPIXと日経225の比較をよく表しています。

アクティブファンドのリターンはインデックスファンド並み

アクティブンファンドはインデックスよりもリターンが多いわけではないと言われています。このグラフでも、アクティブファンドは、TOPIXと日経225の中間にあります。

全額外国株式インデックスファンド

私は、確定拠出年金(DC、iDeCo)は全額外国株式インデックスファンドで運用しています。その理由は、インデックスファンドを使わなくても、ETFで運用すれば手軽に低コストで運用できるからです。一方、外国株式ETFは、信託報酬は安いのですが、為替手数料が掛かったり、2重課税の還付を確定申告する必要がありますインデックスファンドが重宝がられます。国内株式インデックスファンドは、さらなる低コスト化の実現が待たれます。

日経225とTOPIXの価格差は縮まるか?

2018年7月の日銀金融政策決定会合で、購入するETFを日経225からTOPIXに移行させることとしていますので、もしかすると、この二つのリターンは近づいていくかもしれません。

◎今日のグラフ②:野村證券確定拠出年金国内株式信託報酬

商品 国内株式リサーチ・アクティブ・オープン(確定拠出年金向け) 野村DC国内株式インデックスファンド・TOPIX 野村日経225インデックスファンド(確定拠出年金向け)
野村證券確定拠出年金信託報酬 1.1016% 0.2052% 0.2700%

インデックスファンドのコスト(信託報酬)は安い

コストを見ると、アクティヴファンドが1.1%で、TOPIXと日経225の0.2%に比べればかなり高い水準にあります。私の資産運用は全部インデックスファンドで、アクティヴファンドは持っていません。

◎今日のテーマ:代行返上の理由

厚生年金基金の期待利回りは5.5%

今から十数年前に、年金の代行返上という記事が新聞によく取り上げられていた。厚生年金基金などは5.5%の利回りを前提としていたので、低金利の相場では赤字になってしまいました。

政府分の代行返上

企業がその赤字分を補填しなければないという状態が続いたため、政府分の代行を返上したわけです。

アクティヴファンドの中で食い合い

この頃は資産運用についても、同じ基金の中で複数のアクティブファンドが同時に動いていた基金があったため、あるアクティブファンドが買った株式を同時に他のアクティブファンドが売っているということが発生していました。

金融機関の手数料だけは高額

その結果、その厚生年金基金としてはその個別株式の保有残高は変わらないのに、株式の売買手数料だけは発生してコスト負担が増大していたわけです。この現象は、現代の個人についてもアクティブファンドを複数保有していると起こりうるので気を付けた方が良いと思います。

インデックスファンドだけなら食い合い無し

私の場合には、インデックスファンドしか持っていないので、このようなことが発生することはないと思います。

期待利回り5.5%は個人資産なら可能

なお、上記の5.5%という数字は、日本の国債をかなり保有していると不可能ですが、アメリカ、日本、ヨーロッパ、新興国など世界中の株式を中心に運用していれば、今でも可能な水準であろうと思います。ただし、資産のほぼ全額を株式に投資するというのは、個人の金融資産なら、誰に説明する必要もないので可能でしょうが、事業主に説明責任を持たなければならない厚生年金基金としては実行することはまずできないでしょう。そして、数年前まで、ほとんどの厚生年金基金はGPIFと同じように、日本の国債がかなりのウエイトを占めていたので、5.5%という数字は、どうあっても達成できない水準でした。また、厚生年金基金から委託された会社の数が多かったので、不必要な固定費もかかっていました。

個人も信託報酬という固定費には常に目を光らせていたいものです。