三菱UFJ銀行訪問記2:ラップファンド

(昨日の続き)

◎今日のテーマ:三菱UFJ銀行訪問記2ラップファンド

説明のスタートはNISA

三菱UFJ銀行の相談カウンターで最初に、「NISAは使っているか」と聞かれたので、使っていると答えました。行員は投信積立を説明しかけたようでしたが、「NISAを使えるのは一つの金融機関だけですから、NISAはダメですね。」と、そこは説明がなく、ファンドラップの説明に移りました。

ファンドラップ

ファンドラップの特徴として次の3点を強調していました。

1.投資のプロに運用を任せられる。

投資の一任契約に基づいて、三菱UFJ信託銀行に投資を任せるというものです。しかし、投資のプロが運用するアクティブファンドは、インデックスファンドになかなか勝てないという考えもあり、私もこの考えの方が正しいのではないかと考えています。例えば1306(TOPIX連動型上場投資信託のETF)とニッセイ外国株式インデックスファンドを半分ずつ保有すれば、投資のプロの運用がそれを上回る実績を残すのは、なかなか難しいのです。従って、「投資のプロに運用を任せられる」こと自体は、その通りでしょうが、それでインデックスファンドを上回る実績を残せるかどうかは分かりません。

2.自分に合ったプランを提案してもらえる。

ロボアドバイザーのようなデータ入力

主に、安定収益追求コーストとリスク分散コースがありますが、具体的にはロボアドバイザーのようなパソコン操作を行います。ここで、タブレット端末が登場して、いくつかの質問に答えて、最終的に私に適したコースを提案してくれます。私の場合は、5段階のうちの2番目に積極的なコースでした。そのタブレット入力に基づいた投資信託はタブレットに画面表示されましたが、紙ではくれませんでした。

ファンドラップは投資一任契約

ファンドラップというのは、投資一任契約、つまり、すべてお任せなので、詳しい投資信託内容は、この時点では分かりませんでした。信託報酬の安いインデックスファンドなら、コストが低いですが、コストの高いアクティブファンドを選ぶ恐れもあります。画面を覗くと、国内株式、外国株式、国内債券、外国債券ごとに約10種類の投資信託商品が並んでいて、それぞれの割合をパーセントで表示していました。また、ヘッジファンドを選択することもできます。

アクティブファンドが多いと無駄が多い

企業年金、厚生年金基金でも過去において同様の過ちを犯したのですが、アクティブファンドが多いと、同じ銘柄を、あるファンドでは買い、他のファンドでは売ることがあります。そうすると何もしないときに比べると、売買手数料だけ余計にかかってしまうのです。顧客が損をして金融機関だけが儲かるということです。その弊害をなくすには、地域別にファンドを1本ずつ買うことも効率的な方法です。例えば、日本と外国のインデックスファンドを1本ずつ買えばいいのです。ウォーレン・バフェットが言うように、アクティブファンドはインデックスファンドにはなかなか勝てないのです。

ファンドラップ自体のコスト

投資信託のコスト以外に、ファンドラップ自体にもコストがかかります。これは投資一任運用にかかるコストです。

報酬という言葉は使わずにコストと言ってほしい

三菱UFJ銀行のパンフレットには、コストではなく「報酬」という言葉が使われています。銀行にとっては報酬でも、お客様にとってはコストです。これでは、顧客本位ではなく、銀行本位です。金融機関は、「報酬」とか「信託報酬」という言葉を使うのをやめていただくことを切に要望します。現に、投資信託についての初心者は、「自分が報酬を受け取れる」と勘違いしています。しかし、ここでは、コストをあえて「報酬」と表示します。

コストのタイプには2種類あります。固定報酬型と成功報酬型です。

1.固定報酬型

投資顧問料最大0.378%(年率・税込)と残高手数料最大1.134%ですから合計で、最大1.512%がかかります。

2.成功報酬型

投資顧問料最大0.162%と残高手数料最大1.134%に加え、当年末時価評価額の増加分(超過収益)に対して10.8%を乗じた額の成功報酬がかかります。仮に超過収益が7%とすると、成功報酬率は最大0.756%ですから合計で最大2.052%になります。

ラップファンドのコスト合計は約3%

1.の固定報酬型最大1.512%に、投資信託自体の信託報酬がかかります。投資信託自体の信託報酬は分かりませんので、仮に1.5%とすると合計で最大3.012%がかかります。従って、約3%以上の利回りがないと、赤字になります。つまり、顧客が赤字になって、銀行などの金融機関だけが利益を得ることなります。

1306と外国株式インデックスファンドなら0.2%

もし、ファンドラップを使わずに、1306(TOPIX連動型上場投資信託のETF)とニッセイ外国株式インデックスファンドを100万円ずつSBI証券で購入すれば、コストは0.2%程度で済みますから、2.8%の余計なコストを金融機関に払うことになります。2.の成功報酬型の場合には、さらに高いコストになる可能性があります。

(明日に続く)