コロナ禍の不動産事情 2020年10月 6

<昨日の続き>

アメリカの住宅に関する状況はどうなっているかを、2020年10月17日のニューヨークタイムスの記事で見てみましょう。以下は拙訳です。

古い家は維持費が高くなる

維持費も考えましょう。新しい住宅(例えば5年未満)は、必要経費や改良に使うための毎年の費用が、購入価格のわずか1%しか必要としない、とホームザダの共同経営者であるジョン・ボドゥロジックは言います。しかし、もし25年以上の家なら、4%という見積もりが妥当です。歴史的に見る場合、数十年単位で株式に投資すれば、より良いリターンを得ることができるはずです。

年配者に相談する

しかし、良い専門家は、どんな見返りがあるはずかを見極めるのに役立つかもしれません。バッファローのフィナンシャル・プランナーであるジョー・チャピアスは、一つの基本的戦略をアドバイスします。それは、数人の年配者に相談する、ということです。

広い家の買い替えは無駄

信頼できる、より高価な住宅を10年前に買い替えた人を見つけることだと、チャピアスさんは言います。そうした買い替えが、過去に行ったお金に関する最良の決定だったと、今考える人はほとんどいません。もっとよくあるのは、ほとんど使わない部屋が2つあるということです。

優先順位と納得感

お金のプロは、もし夫婦が目標や夢を持っているとしたら、優先順位をつけることの手助けもすることができますし、それについて納得感を高めることや、目標を達成し、夢を追い求めるために今何を犠牲にするかも含みます。

基本方向決定後は行程

一旦基本方向が決まれば、お金の意思決定に関する話し合いを容易にすることのできる仕組みを取り入れる。コンプリート・ウェルスという企業の共同経営者、チャピアスさんとジェフ・ウォルニウィックズさんは、家を探している(あるいは、家を買おうとしている)顧客に典型的な数値を使って、今週、作業工程をリハーサルしてくれました。

広い家、旅行、子供の大学進学費用の選択

広い家への買い替えのためには、顧客は月当り住宅費用を10万円多く払う必要があるかもしれません。そうするとたぶん旅行と外食で、厳しい削減になるでしょう。しかし、もしお金がすでにかなりきついのであれば、子供の大学のための貯蓄ゼロが始まるかもしれませんが、逆に、毎月500ドルも貯蓄すれば、最終的に公立学校の学費の半分以上を楽に賄ってくれるかもしれません。

老後貯蓄を犠牲にするか

また、広い住宅を買い替えることになると、老後貯蓄を引き下げることになるかもせず、その結果、働く期間が延びるかも知れません。働くのが好きなら、恐らくそれは問題ありません。しかし、それを今決める覚悟があるのでしょうか?

「価値に基づいた話に戻すために、数値を使います。」と、ウォルニウィックズさんは言います。

増築という選択肢

もし、どうしてももっと広さが欲しいのであれば、妥協の解決策があります。増築することは可能かもしれないし、引っ越すより安いかも知れません。内装を刷新して、邪魔にならず、もっと多くの人がもっと生産性を上げられるようにすることは可能です。

間取りと音の問題

「新型コロナウイルスについては、できれば短期で終息してほしいのですが、二つの機能を果たせる融通の利く間取りに対する需要を極めて明確にしたことは事実だ」と、サラ・スザンカは話すが、彼女は自著「それほど大きくない家」を出した1998年から、そのことを説いてきた。「それは、音の問題だ。」

狭いままで後悔するか

シアトルのファイナンシャル・プランナーであるダニカ・ウォデルは、もう一つの本質的問題を示唆する:狭いままだと、何を後悔するのか?

もし可能なら、白紙に戻して、パンデミックが終わった後を考えてみましょう。

晩さん会のための特大の部屋は必要?

おもてなしや大人数の集会が好きで、しばしば催すのでしょうか?日曜の晩餐会を新しい特大の部屋で開催すれば、とてもうれしいのものです。しかしたぶん、毎年数回休みにもてなすために、数十万ドルの不動産を感情的に判断しようとしているのでしょう。

子供の遊び仲間の集合場所?

もし親なら、家を遊び仲間が集まる場所にしない方が良いんじゃない?(あるいは、ティーネージャ―が地下の客室や、庭の灰皿のあるところ付き合ったりしてほしいですか?)

親戚の訪問用の部屋?

そして、親戚が訪問してきたときに、彼らをホテルに泊まってもらわなければならないことを後悔しますか?多分しないでしょう。しかし、もし今後何年も毎年同じシーズンに親戚と一緒にいたいという気持ちが固まっているのであれば、より大きな家は意味があるでしょう。

足るを知る者は富む

「一般的に言って、最も幸福な人たちは、もっと、もっと、もっと、ということを避けて、足りていることを納得している人たちだ。」とウォルニウィッツさんは言います。「足りているという自分の主張を貫くことは、特に世間が、もっとたくさん望むべきだと、言っているのとは逆の場合には、勇気のいることだ。」

以上が拙訳でした。この中で、使わない部屋が二つあるというのは、まさに我が家のことを言われたような気持ちです。子供たちが独立して家を出てから、2部屋が丸々空いたままです。どこの家でも、子供が独立すれば、その部屋はあまり使われず、物置状態になったりするのかも知れません。欧米であれば、中古住宅の流通市場が確立していますが、日本では、なかなか流通しないのが実態のようです。

「足るを知る者は富む」は老子の教えですが、2500年前から言われている真実です。

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