コロナ禍の不動産事情 2020年10月 1

不動産にも動き

新型コロナウイルスにより、仕事、給与、働き方に関し大きな被害を受けている人、変わりない人、恩恵を被った人、様々ですが、不動産を購入しよう、あるいは、売却しようとしている人にとっては、最新情報が重要です。

田村淳の聞きたい放題!

ここでは、東京のローカルテレビである東京MX(東京メトロポリタンテレビジョン)の「田村淳の聞きたい放題!」で放送された内容をもとに、考えてみたいと思います。系統的にまとまった順序建てではなく、私の記憶をもとにメモ的に書いていきます。放送された内容の趣旨を★、私の考えを☆で表しています。

★新築マンションの値下げ時期

住友不動産は、完成後1年半を過ぎるころから値下げをする。
野村不動産は、完成直前に大幅値引きを始める。

☆大手地上波では得られない情報

この番組は、大手の民放と違って、かなりきわどい発言をしますし、不動産、保険、金融など、お金をテーマも頻繁に取り上げているので、勉強になります。

★値下げは実際に訪問して情報収集

大手デベロッパーは資金が潤沢にあるのでなかなか価格を引き下げない。どのデベロッパーがどのような値引きをするかは、実際に訪問して聞くのが一番。
そうすると、「他の入居者には言わないでください。」と言って、値引きをしてくれる。

☆物件の現地訪問が大事

不動産を購入しようとしたら、なるべく頻繁に数多くの物件を見に行くことです。私も現在の土地を購入するまでに、文京区、豊島区、練馬区、新宿区等の50物件を見に行きました。購入者の中には、実際に現地を見ずに買う人もいるそうで、買った後に、気に入らなくてすぐ売ってしまった人もいるそうです。

☆江戸時代の地図、名前の由来

土地を買う時に気を付けなければいけないのは、その地域は江戸時代にどのような状態であったかということです。江戸時代に、川、池、沼であったところは、台風などで進水する可能性があります。地名に池、沼、袋が付いているところも、同じ理由から要注意です。それに該当するのが、池袋、沼袋です。最近は、氾濫しやすい川の地下に貯水槽を作って氾濫を防いでいますが、その降水量が想定を超えれば、やはり川は氾濫して浸水被害を受けます。

☆川が氾濫しないのは、たまたま雨量が少なかっただけ

神田川、妙正寺川の貯水槽は決して万全ではありません。川のそばも不安です。1974年の多摩川水害で、狛江市の家が流された映像がテレビで生中継されました。その時、流された家の奥さんが「私の家が流されちゃう。」と言っていたのが頭に焼き付いています。最近も世田谷区で水害がありました。土地を買うときは、天気のいい日だけでなく、雨の降っている日にも現地に行き、雨水の流れを確認した方が良いとされます。更に、治安の状態を見るには昼間だけでなく夜も確認した方が良いとされます。

☆江東区は津波に注意

津波も要注意です。富岡八幡近くの平久橋のたもとに「津波警告の碑」があります。江戸時代の大津波をもとに当時の人たちが作ったものですが、現代ではほとんど注目されることはありません。それよりも海に近いエリアや、昔は海の中だったところにタワーマンションが林立しています。

☆墨田区本所地区は安全

浸水、津波の被害以外に大地震による火災も心配要因です。大正12年の関東大震災では、現在の墨田区の被服廠跡の火災が有名ですが、この地域は現在広い道路が整備され、類焼の発生しにくい地域になっています。しかし同じ墨田区でも向島周辺や、他の区の一部地域では、木密地域(木造住宅密集地域)があり、類焼運命共同体と言われる場所も有ります。

☆千代田区は高い

それら、水害、地震、火災の心配の少ない地域も有りますが、千代田区などは、地価が高く、物価も高いので、普通の所得の人は住むことができません。

★空室率は10%超へ

銀座、御徒町の商業用テナントはすごく安い価格で借りられる。
空室率は、現在の2%から、やがては10%台に乗せるだろう。

☆商業地地価は二極化

商業地は、飲食店エリアを中心に今後急激に空室率が上昇し、賃料が下がるだろうと予測されます。ただし、商業地でも、東京駅周辺の超一等地は、今後も需要が高いので需要が弱まる見込みは立っていないようです。ニューヨークなど大都市は、世界的に見ても不動産価格が軟調ですが、東京の超一等地だけは別格で、世界の不動産投資家の需要は旺盛だそうです。

☆戦争の後はインフレ、疫病の後はデフレ

新型コロナウイルスの影響は、良く戦争に例えられることが多いのですが、その後のインフレ率には大きな差があるようです。戦争の後はインフレが発生しやすく、現に、日本でもドイツでもハイパーインフレになりました。その理由は、戦費調達のために戦時中に大量の国債を発行したので、そのお金が戦後の生活必需品に使われインフレになったのです。一方、中世ヨーロッパにおける疫病の発生後には、人民の気持ちが萎縮し、あまりお金を使わなかったので、デフレが発生しました。その期間は30年、40年だったと分析されています。

☆ワクチンが普及するまではデフレ、その後はインフレ?

今回の新型コロナウイルスの後にはどうなるでしょうか。お金をふんだんに持っている世代は60歳以上の高年齢層ですが、この人達は新型コロナウイルスに罹患すると重症化し安い傾向にあります。このため、外食、旅行でお金をあまり使うことが無さそうです。しかし、2~3年後にはワクチンが行き渡り、罹患の可能性が薄れ、まずは近場の外食や、国内旅行の需要が増加していくものと思われます。この結果、デフレ状態は数十年続かずに数年で終わり、通常の経済状態に戻っていくのではないでしょうか。そして、商業地についても、超一等地以外での地価下落に歯止めがかかりそうです。

<明日に続く>