副業の確定申告

確定申告は4月15日まで

令和2年分の所得税・贈与税の確定申告書の提出期限・納期限は、令和3年4月15日木曜日に延長となりましたが、その期間も半分を超えました。新型コロナウイルスの影響で、副業を始めた人も多いようです。今日は、副業の確定申告について、日経新聞、東証マネ部などの記事から勉強します。

会社員の副収入で確定申告が必要なケース

① 本業を含む2か所以上から給与支払いを受けた

副業の給与収入と、本業の給与所得・退職所得以外の所得合計が20万円超

② 給与支払いは1か所からだが、雑所得などを得た

給与所得・退職所得以外の所得合計が20万円超 ⇒ 会社員が空き時間に行う副業なら、原則すべて雑所得と考えられるそうです。

(雑所得の例)

  • ネットで仕事を受発注するクラウドソーシングの報酬
  • アフィリエイト(成果報酬型)広告による収入
  • ビットコインの売却益
  • 外貨預金の引き出し時に発生した為替差益

(一時所得の例・・・注意点)

  • ふるさと納税の返礼品・・・・・・・返礼割合は3割以下が目安
  • 生保の満期保険金・・・・・・・・・一時受け取りの場合
  • 「GO TO」キャンペーンの支援・・・「地域共通クーポン」も対象
  • 住まい給付金・・・・・・・・・・・給付額は最大50万円
  • 懸賞などの賞金や商品・・・・・・・宝くじは非課税
  • 競馬や競輪の払戻金・・・・・・・・一般的な愛好家の場合

(副業の雑所得と経費計上の一例)

  • 仕事の資料として購入した書籍代・・・副業の収入に直結すると説明できる費用
  • ウーバーイーツの副業のために新しく購入した自転車代・・・副業で使うのは週2日➡「家事案分」  仕事上の経費 = (購入代金/7)✖2
  • 副業の休憩時間にスーパーで買った弁当・・・副業外(本業や日常生活)の費用と区別して説明できない費用

副業収入以外の雑所得の例

  • 為替差益。外貨預金を日本円にして引き出した場合、預け入れた時より円安が進んでいれば利益が生じ、雑所得に入る。
  • 異なる種類の暗号資産同士の交換も、いったん法定通貨に換金して、他の暗号資産を購入したのと同じ扱い。
  • フリーマーケットアプリで服や本を売った場合は、日常生活に必要なものだから、非課税扱い。
  • 高価な貴金属や骨とう品は譲渡所得として課税対象になる。譲渡所得は50万円の特別控除があるけど、その枠を超えると要注意。
  • 「Go To」キャンペーンによる政府からの支援金、マイナポイントも一時所得。
  • 一時金で受け取った場合の生命保険の満期保険金、懸賞で得た賞金・商品、公営ギャンブルの払戻金、住宅取得に関連した給付金なども一時所得。
  • 宝くじは非課税
  • 一律10万円の給付金(特別定額給付金)は非課税。ただし、東京の千代田区、品川区の自治体独自の給付金は一時所得。

青色申告

以上は、雑所得の仕方を学びました。次に、もう少し副業の規模が大きくなってくると、青色申告を利用することになりますので、それについても勉強します。

青色申告の特別控除

税務署に青色申告を利用することを届け出てから損益計算書と貸借対照表を添えて確定申告をすると、65万円の特別控除があります。こうした複式簿記はハードルが高い印象があるかもしれしれませんが、事務経験がある人なら、1万円くらいの市販の会計ソフトで作成できます。分からないことは税務署に聞いてもいいし、面倒なら帳簿や申告書の作成を10万~20万円ほどで税理士に依頼できるますが、収入が少ないのに、この金額は痛い。

家族に急を支払える

個人事業主は税務上、自分自身に給与は出せない。ただし青色申告をすると、生計を同じくする配偶者など家族には事前に届け出た金額の範囲で「青色事業専従者給与」を支払えます。したがって、その分だけ自分の課税所得を減らせるわけです。配偶者の実際の働きに対して給与が明らかに過大であれば税務署に指摘される可能性があるが、実務上は「月十数万円までの給与なら問題にならないことが多い」そうです。

赤字は3年間所得と相殺

このほか、赤字が出た場合に翌年から3年間、所得と相殺できたり、オフィス家具や飲食店のキッチン設備なども30万円未満のものなら減価償却せず一括して経費に計上できたりします。

年間所得が1000万円くらいであれば株式会社化は節税

青色申告の個人事業主から株式会社など法人に衣替えするとどうなるのでしょうか。一概には言えませんが、年間所得が1000万円くらいであれば節税になる可能性が大きいそうです。まず自分自身への給与を経費に計上でき、給与に給与所得控除が適用され、配偶者など家族への給与も青色申告のような制約が少なく、所得分散による節税がしやすくなります。

所得税率が23%から10%に下がる

年間所得1000万円の事業で試算してみると、青色申告の個人事業主が配偶者に年間103万円の給与を払う場合、納める税金は事業税を含めて231万円。これを法人化して夫婦2人にそれぞれ500万円の給与を出せば法人所得はゼロで、夫婦2人と法人の税金は合わせて112万円にほぼ半減します。所得税率が23%から10%に下がる効果が大きいからだそうです。

自営業なら経費はしっかり計上

自営業で働くなら事業規模にかかわらず、認められる経費はしっかり計上することも節税の基本です。自宅の一部をオフィスや作業場に充てている場合、賃貸なら家賃、持ち家なら建物の減価償却費がそれぞれ事業用に相当する面積などに応じて経費になります。