パックンはS&P500か全世界株式のインデックスファンドを推奨 上

最近はコメンテーターがすっかり定着した元お笑いタレントのパックンの投資方法は過去にも掲載しましたが、今回は2023年3月18日の文春オンラインの記事を見ます。


「50年後の残高差が1000万円以上」

投資歴25年超のパックンが「インデックスファンドは最強」と断言する理由

名門・ハーバード大卒という異色の経歴のお笑いタレント、パックンことパトリック・ハーランさん(52)。情報番組のコメンテーターや大学講師、舞台などマルチに活躍するパックンさんだが、実は「芸人一の倹約家」だという。近著『 無理なく貯めて賢く増やす パックン式 お金の育て方 』(朝日新聞出版)では、投資歴25年以上のベテラン投資家でもある彼の「パックン式・今日から始められる節約術や投資法」が綴られている。

インデックスファンドが最強

投資信託には、「株式」「債券」「不動産」などのタイプがあります。

また、「国内型」や「海外型」という分け方もあります。

このほかに、「インデックスファンド」と「アクティブファンド」という2つに分ける考え方もあるので、覚えておきましょう。

インデックスファンドは、株式市場の平均的なリターンを目指すもの。

みんなも「日経平均株価」「TOPIX」「ダウ」などの言葉を聞いたことがあると思うけど、ああいった株価指数に連動するように設計されている投資信託がインデックスファンドです。

国別の分散も簡単に可能

たとえば、「日経平均株価」は、日本経済新聞社が選んだ日本の上場企業225社の株価に基づき算出されています。だから、日経平均株価に連動するインデックスファンドを買えば、その225社に分散投資をしていることになります。

そして、日経平均が上がったり下がったりすると、このインデックスファンドの価格も連動して上下するというわけ。

こういうふうに、投資先とその割合が自動的に決まってきて、人間の手が加わらないから、「パッシブファンド」(受動的なファンド)とも呼ばれます。

このような日本国内のインデックスファンドもあれば、もちろんアメリカ、イギリス、EU、香港などの主な株式市場のインデックスファンドもあります。

だから、これらも持っておけば、国別の分散も簡単にできます。

「もっともっと分散を徹底したい!」という人には…

ユーロ建て、ドル建て、ポンド建てのファンドもあるから、それを持ってみて、為替リスクに対応した、通貨別の分散をしてもいいでしょう。

「とにかく分散投資を徹底的にやりたい!」という人は、全世界の株式に投資できるインデックスファンドもあるよ。

これを買えば、1つの企業、1つの国、1つの通貨が大変なことになったとしても、全世界の株式市場が同時に下がっていなければ大丈夫!

「もっともっと分散を徹底したい!」という人には、債券やREITのインデックスファンド・パッシブファンドもあるからね。

これが、僕が勧める「インデックスファンド」の正体です。

アクティブファンドをおすすめしない理由

一応、「アクティブファンド」の説明もしておこう。

こちらはファンドマネージャーと呼ばれる投資のプロが、厳選して投資をして、インデックスファンドよりも高いリターンを狙うタイプの投資信託です。

こうやって説明すると、「プロが厳選してくれるなら、アクティブファンドが良さそう!」と思ったかもしれないけれど、それは違います!

僕はアクティブファンドをあまりおすすめしません。

もしも、僕が同じお金を投資するなら、アクティブファンドよりもインデックスファンドを選びます。

1%の金利の違いで30年後の残高には50万円近い差が

その理由の1つは、アクティブファンドの場合、「信託報酬」というコストが割高だから。

アクティブファンドのファンドマネージャーは、すごく努力をして情報収集を重ねた上で、経済学や金融の知識も駆使して資産運用しています。

だから、その分どうしてもコストが高くなる、というわけです。

インデックスとアクティブの信託報酬は、だいたい1%ぐらいしか変わりません。

でも、その1%に複利の効果が組み合わさると、大きな差になる!

たとえば、100万円を投資した場合、1%の金利の違いで、30年後の残高には50万円近い差が生まれます。しかも50年後の残高となると、その差が1000万円以上になります!

これだと、「たかが1%」なんて言えませんよね。

株式などの値動きを正しく読み取るのはプロでもほぼ不可能

もちろん、敏腕ファンドマネージャーのおかげで、アクティブファンドのほうがインデックスファンドよりも高い利益を出しているなら、頼ったほうがいいですよ。

しかしなんと! 歴史的に見ると、約8割ものアクティブファンドが、インデックスファンドよりも利益が下回っています。

とくに投資期間が長期になればなるほど、インデックスファンドのほうが多くの利益を生んでいます。

つまり「アクティブファンドの信託報酬が高い」という以前に、そもそも株式などの値動きを正しく読み取るのはプロでもほぼ不可能ということです。

アメリカでは昔から、「プロのファンドマネージャーに株を選んでもらっても、ダーツを投げて適当に株を選んでも、おサルさんに選んでもらっても、パフォーマンスは変わらない」って皮肉っぽく言われています。

でも、おサルさんがダーツを投げたらどうなんだろう?

<明日に続く>