2024年6月から始まる定額減税

6月に定額減税が始まるのですが、サラリーマンの場合と、年金暮らしの場合に分けてみてみましょう。

2024/5/15のYAHOO!JAPANニュースを見てみましょう。


2024年6月実施の「定額減税」で1人4万円減税になると聞きました。4人家族なら「16万円」手取りが増えるということですか? 妻と5歳・1歳の2人の娘がいます

さまざまな商品やサービスの価格が上昇する中、生活が苦しくなったと感じる人も多いのではないでしょうか。そのような中、家計の負担を軽減するべく、政府は2024年6月に定額減税という形で、所得を増やす政策導入を決定しました。

本記事では、この定額減税の内容や、具体的にどのような形で減税効果があるのか解説します。

定額減税とは

2024年6月に実施される定額減税は、令和6年分の所得税・住民税から一定の額を控除し、結果的に所得が増える仕組みです。具体的な対象者、減税額、減税方法は次の通りです。

■対象者

定額減税の対象者は納税者本人ですが、減税額の計算対象には配偶者を含む扶養家族が含まれます。所得による制限が設けられており、令和6年分の所得税にかかる合計所得金額が1805万円超の人は対象外となります。給与収入のみの場合、年収2000万円超が対象外に当たります。

■減税額

減税額については、令和6年分の所得税、住民税それぞれから以下の金額が控除されます。

●所得税:1人につき3万円
●住民税:1人につき1万円

例えば、納税者本人+配偶者・扶養家族が3人の場合、所得税3万円+住民税1万円の4人分となり、合計16万円の控除を受けられることとなります。

■減税方法

減税方法は所得税、住民税それぞれで方法と時期が異なります。なお今回は、会社勤めなどの給与所得者について解説します。事業所得者、年金所得者などは異なる部分がありますので、自身の状況に合わせて確認してください。

所得税は、6月1日以降で最初に支払われる給与に対する源泉徴収税額から控除されます。6月で控除しきれない金額が発生した場合には、6月以降に支払われる給与や賞与からも同様の方法で控除を受けることができます。

住民税は、6月の徴収を行わず、7月以降の11ヶ月間で均等に減税額を割り振ります。

定額減税額が減額しきれない場合は給付金を受け取れる

年収が少ない人や、扶養控除などの控除額が大きい人は、そもそも所得税や住民税の額が少なく、減税額を引ききれないケースがあります。そのような場合は、減額しきれない額を給付という形で受け取ることができます

給付予定は8月~9月頃が予定されており、給付額は1万円単位で切り上げて支給されます。例えば、減税しきれないと見込まれる額が2万1000円だった場合、3万円が支給されることとなります。

扶養家族3人の場合の減税シミュレーション

図表1

どのようなスケジュールで控除されるか確認しよう


年金受給者については日本年金機構のホームページを見てみましょう。

公的年金から源泉徴収される所得税等の定額減税

2024年5月13日

令和6年分の所得税および令和6年度分の個人住民税の「定額による特別控除(定額減税)」が実施されます。
これにより、老齢年金および退職を事由とする年金から源泉徴収される所得税および特別徴収される個人住民税も減税されるため、その内容をお知らせします。
(所得税法等の一部を改正する法律(令和6年法律第8号)等の施行)

1.公的年金における定額減税

(1)控除される金額

所得税および個人住民税の定額減税が行われます。減税される金額は、次の金額の合計です。なお、合計額が所得税額または個人住民税額を超える場合は、それぞれの税額が減税額の限度となります。

所得税 個人住民税
本人 30,000円 10,000円
配偶者(※1)または扶養親族(※2) 1人につき30,000円 1人につき10,000円

なお、減税の対象は国内居住者に限ります。
※1 提出いただいた令和6年分の公的年金等の受給者の扶養親族等申告書に記載された源泉控除対象配偶者で合計所得金額の見積額が48万円以下の者に限る。
※2 提出いただいた令和6年分の公的年金等の受給者の扶養親族等申告書に記載された控除対象扶養親族(16歳以上)または扶養親族(16歳未満)で合計所得金額の見積額が48万円以下の者に限る。
制度の詳細は、国税庁ホームページ「新規ウインドウで開きます。定額減税特設サイト(外部リンク)」をご確認ください。

(2)所得税の減税

老齢年金および退職を事由とする年金から所得税が源泉徴収されている方を対象に、年金から源泉徴収する所得税が減税されます。減税される金額は、提出した「令和6年分の公的年金等の受給者の扶養親族等申告書」の記載内容に基づき計算されます。令和6年6月に受け取る年金から減税が行われ、6月に全額を減税しきれない場合は、以後令和6年中に受け取る年金から順次減税されます。

減税のイメージ

2カ月に1回支払われる年金から1万2千円の所得税を源泉徴収されている方が、本人分3万円を減税される場合

6月支払分で1万2千円、8月支払分で1万2千円、10月支払分で6千円がそれぞれ減税されます。