頭に良い食べ物について、2024年4月10日のCNBC makeitの記事を読んで見ましょう。以下は拙訳です。
ハーバード大学の栄養学者で精神科医: 私は20年以上ブレインフードを研究しています。
朝食は毎朝、脳に最初のエネルギー源を供給する。脳に燃料を補給することは、集中力、明晰さ、そして一日を通して最適な機能を発揮するための鍵となる。断食をしている人でも、食事の最初に栄養のあるものを選ぶことが大切だ。
今日、アメリカでは朝食といえば、カラフルなシリアル、ボリュームたっぷりのベーグルやサンドイッチ、デザートのような焼き菓子、ミルクセーキと見分けがつかないようなコーヒー飲料を連想する人が多い。
これらの人気商品には、糖分や単純炭水化物が多く含まれており、血糖値を急上昇させ、その後に急降下させる。また、脳霧や集中力の低下に関連する神経炎症(脳の周りの炎症)の原因にもなる。
幸いなことに、マサチューセッツ総合病院の栄養・生活習慣・代謝精神医学部長として、私は研究と臨床に取り組んできた。
そして、シェフとして、それらの健康的な選択肢が美味しく、簡単に調理できることを知っている。
私はいつも、脱水症状や不安と闘うために、起床時にコップ一杯の水を飲むことを勧めている。その後、私のお気に入りの朝食用ブレインフードを5つ紹介しよう。これらは、より良いエネルギー、明晰さ、精神的健康を促進する主要栄養素と機能性化合物を豊富に含んでいる。
1. チアプディング
私がよく食べる朝食のひとつは、自家製チアシードプディングだ。大量の食物繊維が含まれており、腸内の健康な細菌に栄養を与え、炎症の少ないマイクロバイオーム、腸と脳のコミュニケーションの最適化、気分をサポートする神経伝達物質の生成をもたらす。
オメガ3脂肪酸は脳に強い抗炎症作用を及ぼし、気分を高揚させ、ストレスを遠ざけ、健康的な認知力と記憶力を維持するのに役立つ。
プリンは前の晩に簡単に作れる: 大さじ3杯のチアシードに、ココナッツミルク(またはお好みの無糖ミルク)1カップ、はちみつ1滴、シナモンと海塩各少々を加える。朝、ナッツ、ベリー、ココナッツフレークをトッピングする。
2. スクランブル、オムレツ、焼きフリタータ
卵料理が好きなら、スクランブルエッグ、オムレツ、焼きフリッタータで一日を始めましょう。
卵には健康な脳に欠かせない健康的な脂肪、タンパク質、ビタミンがたくさん含まれています。例えば、卵黄にはビタミンDとセロトニンが豊富に含まれており、気分を調整する神経伝達物質のバランスを最適な状態に導いてくれます。
私はいつも、最高品質で純粋な栄養素を摂取するために、可能な限り放牧飼育されたケージフリーの鶏の卵を選ぶよう勧めている。
朝食は豪華にする必要はない。私の最初の著書『This Is Your Brain On Food』では、卵と牛乳少々、塩コショウだけで作れる「マグカップで作る外出先でできるスクランブルエッグ」のレシピを紹介している。電子レンジで2、3分。お好みでほうれん草やケールを入れてもいい。
3. 豆腐スクランブル
豆腐は、トリプトファンと大豆イソフラボンが豊富で、うつ症状の軽減との関連が実証されている、優れた万能タンパク質だ。
卵の代わりに、ターメリック、黒胡椒、海塩少々で味付けした香ばしい豆腐スクランブルが大好きだ。
4. グリーンスムージー
鮮やかなグリーンのスムージーは、食物繊維と葉酸を含む一日の始まりに手軽で簡単な方法だ。
脳内の神経伝達物質の生成には葉酸が必要で、葉酸の欠乏はうつ病をはじめとする多くの精神疾患に関与していますが、葉酸が最適なレベルであれば気分の改善につながります。
ほうれん草のような葉物野菜とベリー類、お好みのクリーン・プロテイン・パウダー(クリーミーに仕上げるなら絹ごし豆腐)、ヘンプシードやアーモンドバターなどの脂肪分をブレンドすれば、栄養たっぷりのスムージーができあがり。
低糖質を保ち、マイクロバイオームを乱したり、血糖値の急上昇や疲労を避けるために、フルーツやフルーツジュースを入れすぎないようにする。
5. ターメリック・ラテ
それ自体が食事というわけではないが、私のゴールデンミルク・ウコン・ラテは栄養価の高い飲み物で、朝のキックオフに最適だ。
お好きな無糖の植物性ミルク1カップにターメリックと黒胡椒を少々。
強力な抗炎症作用があり、不安症状を軽減し、エネルギーを高め、脳の霧を晴らして一日中集中できるようにしてくれる。
日本に関しては、朝日新聞Reライフ.netの2022.04.15の記事を読んで見ましょう。
脳活に有効な食べ物と食べ方のポイント
人生100年時代を生きるキーワード・脳活性化と食べ物 「あれ持ってきて」の「あれ」の名前が出てこなくて、口ごもってしまい「えーと、えーと、あれだよ。あれ」とお互い苦笑い。かと思えば「今なにをとりに来たんだっけ? 」とちょっと前まで頭の中にあったことがすっかり抜けてしまう。そんなことが続くと、少し情けなくなったり、年のせいだと諦めたりしていませんか?
でも、大丈夫です。なぜなら脳は、いくつになっても鍛えることができるからです。そして食べ物の中には、脳の健康維持につながるものがたくさんあります。
今回は脳に良い食べ物やレシピ、食べ方のポイントをご紹介します。脳活につながる食べ物で、毎日の食事から脳の健康維持をはじめましょう。
<目次>
・脳活に有効な食べ物(ブレインフード)とは
・脳活に有効な食べ物(ブレインフード)を使ったレシピ
・脳活の効果を高めるための食べ方のポイント
・脳活に有効な食べ物で認知症予防
・バランスの良い食事で楽しく脳活しましょう
脳活に有効な食べ物(ブレインフード)とは
脳を最高のパフォーマンスで働かせるには、多くの栄養素が必要です。体内で作られるものもありますが、食事からとらなくてはならないものもあります。
そして、そういった栄養素を含み脳の働きをよくする効果が期待されている食べ物を「ブレインフード」といいます。
ブレインフードが脳にもたらす効果
1日に体全体で消費するエネルギーのうち20~25%を脳が消費します。脳のパフォーマンスを維持するためには、エネルギー源となるブドウ糖を食べ物から摂取する必要があります。その際、ビタミンやミネラル、抗酸化物質やその他の栄養素も一緒に幅広く摂取するのが理想的です。
ブレインフードを摂取することで体内にさまざまな形で効果をもたらし、その結果、脳の健康状態を維持することが期待されます。
主なブレインフード
●青魚
サバ・イワシ・サケ・カツオ・サンマなどといった青魚には、オメガ3系脂肪酸のDHAやEPAが多く含まれています。
DHAやEPAは脳と神経細胞の構築に使われ、学習力や記憶力の維持に必要な栄養素です。認知症の予防に役立つともいわれています。
●貝類
カキ・ホタテ・アサリなどの貝類は、脳の健康を維持するために重要な亜鉛が豊富です。
亜鉛は神経が働くのに欠かせない栄養素で、たんぱく質の生産や脳細胞の成長を担っています。記憶に深い関係のある海馬に多く存在し、記憶の形成や感覚伝達など脳機能を調整する役割があります。
●ナッツ類
くるみやアーモンドなどのナッツ類には抗酸化作用のあるビタミンEが豊富に含まれ、脳の老化防止や脳の働きを維持する効果が知られています。
特にくるみには、体内でDHAに変化するαリノレン酸が多く含まれているため、脳の神経細胞を活性化させる働きがあります。
●ベリー類
ブルーベリーやいちご、ブラックベリーといったベリー類には、抗酸化物質が豊富に含まれています。脳の疲労感を軽減する効果や記憶力の低下を予防する働きがあり、集中力や判断力などを上げるともいわれています。
●アマニ油、オリーブオイル
アマニ油には細胞の若返りを助ける効果もあるビタミンEやDHA、EPAなどのオメガ3系脂肪酸を多く含んでいます。
また、オリーブオイルにもビタミンEや、動脈硬化を抑制する作用のあるポリフェノールが豊富に含まれており、オレオカンタールという成分に認知症予防の効果が期待されていることから、注目が集まっています。
●卵
卵の黄身にはDHAやEPAなどのオメガ3系脂肪酸と、情報伝達に関わるリン脂質が多く含まれます。
さらに卵には、記憶力の維持に役立つコリンや、神経の処理速度を向上するゼアキサンチンのほか、脳の健康に欠かせない栄養素がたくさん含まれています。
●大豆
大豆や豆腐・豆乳などの大豆製品には、記憶力や集中力を高めるレシチンが多く含まれます。抗酸化物質であるポリフェノールも含まれており、加齢による認知能力低下の予防も期待できます。
●カカオ
チョコレートの原材料であるカカオには、脳をリラックスさせたり細胞の老化を防止したりする抗酸化物質・テオブロミンが含まれます。また、学習力と記憶力を高める抗酸化物質・フラボノイドも多く含んでいます。
チョコレートでこの効果を得るには、カカオ含有量80%以上の高カカオチョコレートを選びましょう。
●緑黄色野菜
ブロッコリーやホウレン草などに多く含まれるビタミンKは、記憶力の維持に効果があるといわれています。
またトマトに多く含まれる抗酸化物質・リコピンは、脳の老化防止に役立つともいわれ、記憶力の低下や認知症を防ぐ効果が期待されます。
●バナナ
バナナには脳のエネルギー源となるブドウ糖が含まれています。ブドウ糖は特に記憶をつかさどる海馬と密接な関係があるため、摂取すると記憶力がよくなるといわれています。
また、バナナに含まれるトリプトファンが、脳を健康に保つのに大切な睡眠の質を上げるとされています。
●アボカド
アボカドは世界一栄養価の高い果物に認定されるほど、不飽和脂肪酸やビタミン類、ミネラルなどさまざまな栄養を多く含んでいます。
なかでもオメガ9系脂肪酸であるオレイン酸が豊富で、脳の健康を保つ効果や、血液をサラサラに保つのに役立つといわれています。