◎今日のテーマ:プレミアカレンシーM2
(昨日に続きます。)
みずほ銀行で、国債よりもハイリスク・ハイリターンの商品を紹介してほしいと言いました。
紹介してくれたのは、プレミアカレンシーM2という商品です。この商品は、第一フロンティア生命保険株式会社の商品で、みずほ銀行は募集代理店という位置づけです。この商品は、「円より高い金利」で「確実にふやしたい」、さらに「増えたら円で確保したい」方向けで、その特徴は以下の通りです。
ポイント1
通貨を米ドルと豪ドルから選びます。運用する期間を、3年、5年、6年、10年から選びます。
ポイント2
「契約時に適用される積立利率で、確実にふやします。」とありますが、意味が分かりませんでした。次に、「指定通貨建の年金原資額が、契約時に確定します。」とありますが、目標値に到達しない場合はどうなるのか分かりません。つまり、ポイント2は、仕組みがよく分かりません。
ポイント3
年金原資額を、①一括受取、②年金受取、③外貨建の終身保険に移行し、目標到達の判定を継続することになります。
●費用について
契約時費用は以下の通りです。
3年:2.5%
5年:3.5%
6年:4.0%
10年:6.0%
更新時費用
積立利率保証機関の更新時に更新時費用が掛かります。
1年:0.2%
3年:1.1%
5年:1.8%
6年:2.1%
10年:3.6%
年金受け取り期間中は、保険契約関係費として、受け取り年金額に対して0.4%かかります。
●リターンについて
年金保険なので、リターンという概念はありません。この商品に限ったことではありませんが、保険は、受け取りとコストの内容が分からないので、すべてがブラックボックスの中で運用されています。顧客にとってはこの点が極めて好ましくない状態にあります。例えば、競馬の還元率は70%、宝くじの還元率は50%と言われています。保険の商品ごとの還元率は不明です。2016年の金融庁レポートで「外貨建て一時払い保険」は、ダメ出しを受けています。
●為替手数料
往復とも50銭かかります。ストレートに50銭と表示してある点は、三井住友銀行よりも複雑でないのですっきりしています。三井住友銀行の場合は、本来は1円だけれども、今なら他のキャンペーンを利用して50銭に割り引くことができますという説明でした。
●全体として
商品の仕組みが非常に複雑で、なかなか理解できません。複雑な商品は、個人の投資家は手を出すべきではないと思います。1306(TOPIX連動型上場投資信託のETF)やSPY(アメリカSPDRのS&P500のETF)などのインデックスファンドは、コストが安く、リターンは公表されています。これらの商品は、顧客本位の商品といえるでしょう。それに比べて、「外貨建て一時払い保険」は、ブラックボックスが多すぎます。