私の主な投資方針は以下の通りです。
- 信託報酬が安く、純資産総額の大きい株式ETFかインデックスファンドを買う
- 外国株式を中心にする
- 購入後は持ち続ける
信託報酬が安くなる契機
信託報酬が安くなる契機は過去に3回ありました。1回目は2001年にTOPIX銘柄などが日本国内で上場された時であり、2回目は2013年に<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンドが発売を開始した時です。その後、インデックスファンド市場にeMAXIS Slimシリーズが参入して、引き下げ競争を繰り広げた結果、個人投資家にとっては「夢のような商品」がそろいました。また、アメリカでは1990年代から株式ETFが発売され、品揃えが進んできたのが3回目といえるでしょう。
「夢のような」環境
ここで、「夢のような商品」という言い方をしましたが、それは昭和の時代と比べるとはっきりわかります。1980年代までは、高コストの投資信託か個別株式しか購入できなかったからです。個人投資家でも何とか外国株を購入できましたが、1993年にSPY(アメリカSPDRのS&P500のETF)が発売されるまでは、手軽に外国株式投資はできませんでした。現在は、信託報酬が安くなったことに加え、ネット証券を利用すれば更にコストを抑えることができます。この「夢のような」環境をぜひ利用したいものです。
最近の低コストインデックスファンドの状況をダイヤモンドの記事で確認しましょう。
なお、2位と3位はeMAXIS Slimで、11位はeMAXISとなっていますが、Slimが有るのとないのでは、信託報酬が全く違いますので、「Slim」を確実に確認する必要があります。
全世界株式 インデックスファンド信託報酬ランキング
順位 | ファンド名 | 信(税込)託報酬 | 実質コ(税込)スト | 純資産総額(億円) |
1 | SBIインデックス全世界株式※1 | 0.11%※2 | 0.12%※3 | 597.12 |
2 | eMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー※4 | 0.11%※5 | 0.17%※6 | 5357.9 |
3 | eMAXIS Slim全世界株式(除く日本) | 0.11% | 0.18% | 1425.1 |
4 | Smart-i全世界株式 | 0.11% | ー | 0.62 |
4 | Smart-i全世界株式(除く日本) | 0.11% | ー | 0.41 |
番外 | eMAXIS Slim全世界株式(3地域均等型) | 0.11% | 0.19% | 53.42 |
番外 | ニッセイ世界株式 | 0.11% | 0.29% | 9.56 |
6 | たわらノーロード全世界株式 | 0.13% | 0.29% | 21.32 |
7 | SBIインデックスV・全世界株式 | 0.13% | ー | 92.85 |
8 | 楽天(バンガード)全世界株式 | 0.20% | 0.23% | 1786.5 |
9 | 野村つみたて外国株 | 0.21% | 0.24% | 573.02 |
10 | 三井住友・DC全海外株式 | 0.28% | 0.36% | 1004.5 |
11 | eMAXIS全世界株式 | 0.66% | 0.72% | 194.65 |
※1 日本を含む「FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス」に連動。※2「SBI・全世界株式インデックス・ファンド」の信託報酬0.0682%に「投資対象とする投資対象ファンドの信託報酬等」0.042%を加えた「実質的な負担」。※3「SBI・全世界株式インデックス・ファンド」の実質コスト0.091%に、「投資対象とする投資信託証券における報酬」0.042%を加算。なお、有効数字の桁数の関係で小数点第3位で四捨五入。
※4 日本を含む「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス」に連動。※5 純資産総額500億円未満の部分は0.1144%、500億円以上1000億円未満の部分は0.11385%、1000億円以上の部分は0.1133%(すべて税込)となる「受益者還元型信託報酬率」を採用しているため、記載時点の純資産総額を元に平均信託報酬を算出。※6 左欄に記載した平均信託報酬を元に算出。
1位銘柄の信託報酬と実質コストは0.11%、0.12%とあまり変わりませんが、2位銘柄は信託報酬0.11%に対して実質コストは0.17%と跳ね上がります。
投資信託における「実質コスト」の計算方法
インデックスファンドを含むすべての投資信託は、継続的に発生する費用を「信託報酬」として計上しているが、実際に投資信託を運用すると売買委託手数料や有価証券取引税など、わずかだが信託報酬以外の「隠れた費用」が発生してくる。この実際にかかった「隠れた費用」も含めて計算されるのが「実質コスト」だ。
投資信託の「実質コスト」は以下の計算式で導き出される。
実質コスト=信託報酬率※×1万口当たりの費用の「合計」÷1万口当たりの「信託報酬」
※式中の「信託報酬率」が一般的に「信託報酬」と呼ばれているものにあたる
この式にある「1万口当たりの費用」や「1万口当たりの信託報酬」については、各投資信託の「交付運用報告書」や「運用報告書(全体版)」に記載されている。例えば、以下の画像は「<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド」の「交付運用報告書」に載っている「1万口当たりの費用明細」だ。
計算に使う「信託報酬」と「合計」については、理論上で言えば「金額」と「比率」のどちらを使ってもいいのだが、一般的に有効桁数が大きい「比率」のほうを使うのがいいだろう(上の例では「金額」の有効桁数は2ケタ、「比率」は3ケタ)。「<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド」で設定された信託報酬(信託報酬率)は0.1023%(税込)なので、実質コストは下のように計算できる。
実質コスト(税込)
=0.1023%×0.160%÷0.103%
=0.1589%
≒0.159%※
※有効桁数3ケタなので小数点第4位で四捨五入
なお、「実質コスト」は基本的に投資信託を1年間運用した際、実際に発生した費用をもとに計算されるので、年によって微妙に増えたり減ったりする。なので、現時点の数字の細かいところまで比較して「こっちのファンドのほうが実質コストが0.002%安い!」などと厳密に考えすぎないように気をつけよう。