顧客本位の業務運営と野菜の産地表示

共通KPIは顧客本位の行動か?

金融庁は顧客のために共通KPIの公表を義務付けていますが、これだけで金融庁は顧客本位の行動をとっていると言えないとおもいます。

共通KPIを理解できる顧客入るか?

この共通KPIを見ている顧客はいったい何人いるのでしょうか。さらには、理解できる人はいるのでしょうか。新聞・テレビなどのマスメディアは、このデータを分析して顧客に説明することはほとんどしません。なぜなら、マスメディアにとって大事なのは広告宣伝料を払ってくれる証券、銀行などの金融機関ですから、それが不利になるようなことはしないからです。

コストを大きく表示

金融庁のなすべきことは、共通KPIの推進ではなく、金融機関が顧客に提示する広告宣伝、月次レポート等に、「コストを大きな字で分かりやすく目につく場所に表示すること」です。商品名のすぐそばに、大きなコストが書いてあれば、顧客はそれを重要な情報だと思って、常に意識し、判断材料とするはずです。

八百屋の野菜売り場を見習え

野菜を買うときには、価格とともに産地の表示が義務化されています。大きい字ですから、誰でもわかります。これが顧客本位ということです。誰も読まない、どのメディアも解説しないデータを公表させることは顧客本位ではありません。

酒、たばこを見習え

野菜だけでなく、お酒には「20歳未満の者の飲酒は法律で禁じられています」、たばこには「ばこの煙は、周りの人の健康に悪影響を及ぼします。健康増進法で禁じられている場所では喫煙できません。」と書いてあります。

金融商品だけ逃げている

金融商品だけは、信託報酬などのコストが、資料の最後の方に小さい字で書かれています。もっと正々堂々とコストを書いて欲しいものです。

そうは言うものの、共通KPIなど、顧客本位のこれまでの取り組みを確認しましょう。

顧客本位の業務運営の更なる進展に向けて
金融庁 2021年12月6日

○ 家計の安定的な資産形成の実現に向けて、インベストメントチェーンの各金融事業者は、短期的利益の追求ではなく、顧客本位の良質な金融商品・サービスを提供することが求められてきた。こうした中、より良い取組を行う金融事業者が顧客から選択されるメカニズムの実現を目指して、2017年3月に「顧客本位の業務運営に関する原則」(以下「FD原則」)が策定された。

「顧客本位の業務運営に関する原則」:原則を採択した金融事業者に「取組方針」と「自主的なKPI」の公表を促す ⇒ 金融機関の取組を比較可能とすべく「見える化」を進め、国民により良い金融機関を選択して取引してもらう

「共通KPI」:「投資信託の販売会社における比較可能な共通KPI」(以下、共通KPI)の公表を促す ⇒ 金融機関に顧客本位の良質な金融商品・サービスの提供を競い合わせる

「顧客本位の業務運営に関する原則」

 金融事業者に本原則の採択を促し、その取組の「見える化」を通じて、顧客がより良い金融商品・サービスを選択するメカニズムの
実現を図る(「プリンシプルベースのアプロ―チ」)。

「顧客本位の業務運営に関する原則」

  1. 顧客本位の業務運営に関する方針の策定・公表等
  2. 顧客の最善の利益の追求
  3. 利益相反の適切な管理
  4. 手数料等の明確化   ⇒ 八百屋の野菜と同じくらいにしてほしい
  5. 重要な情報の分かりやすい提供
  6. 顧客にふさわしいサービスの提供

「投資信託等の販売会社に関する定量データ集 令 和 4 年 6 月 3 0 日 金 融 庁」

1-(1) リスク性⾦融商品販売・預り資産残⾼推移

-一時払い保険・投資信託(除くETF、以下同様)・ファンドラップ・債券の合計

  • リスク性⾦融商品の販売額は、主要⾏等、地域銀⾏、証券会社いずれの業態においても2018年度に減少し、その後は⼀定の⽔準で推移し、2021年度にやや増加した。
  • 預り資産残⾼は、2019年度は⼀時的に減少したものの、市況に沿って残⾼も回復。2017年度以降、総じてみると、いずれの業態においても横ばい、または微増傾向となっている。

1-(2) リスク性⾦融商品販売・預り資産残⾼の状況

-商品カテゴリー別内訳(一時払い保険・投資信託・ファンドラップ・債券) –

  • 銀⾏におけるリスク性⾦融商品の販売額の内訳は、⼀時払い保険の割合が低下する⼀方、投資信託の割合が増加している。預り資産残⾼は、⼀時払い保険の割合が約半分を占める。
  • 証券会社においては、投資信託の販売額・残⾼とも5割以上を占める。

2-(2) ファンドラップ -契約額・預り資産残⾼推移・解約・償還の動向

  • ファンドラップの預り資産残⾼は、主要⾏等、地域銀⾏、⼤⼿証券会社等、ネット系証券会社のいずれの業態においても増加傾向にある。
  • ファンドラップの契約額と解約・償還の動向は、⼀定の解約・償還額が発生している中、総じて流⼊超となっている。

2-(3) 投資信託 -販売⼿数料率

  • 投資信託の平均販売⼿数料率は、主要⾏等において緩やかな低下傾向。地域銀⾏において、2018年度以降ほぼ横ばい。
  • ⼀方、⼤⼿証券会社等の販売⼿数料は、足下若⼲低下

4  年齢別の投資信託保有顧客数の割合・預り資産残⾼の割合

  • 年齢別の投資信託保有顧客数の割合・預り資産残⾼は、銀⾏・⼤⼿証券会社等において60代以上の⾼齢者層が半数以上を占めている。
  • ネット系証券会社においては、30〜50代の資産形成層が約7割を占めている。

6 仕組債の販売額・預り資産残⾼推移

仕組債の販売額は、2018年度に⼤きく減少。その後、増加したが、足下微減。預り資産残⾼については、ここ数年、概ね横ばい

7 外貨建一時払い保険の販売額・外貨建⽐率・残⾼

  • 2019年度以降、主要⾏等及び地域銀⾏における外貨建⼀時払い保険の販売額は、⼤きく減少傾向にある。
  • また、⼀時払い保険販売額に占める外貨建⽐率も、低下傾向にある。
  • ⼀方、外貨建⼀時払い保険の残⾼は、地域銀⾏においては増加し続けている。主要⾏等においては2018年度以降横ばい。

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