<(緊急)アメリカのインフルエンザ死者数> 個人投資家の金融リテラシー6

<(緊急)アメリカのインフルエンザ死者数>

新型コロナウイルスで大騒ぎしていますが、一方、普通のインフルエンザも猛威を振るっています。アメリカCDC(アメリカ疾病予防管理センター)の発表によると、昨年10月から今年2月15日までの死者数は16,000 – 41,000人と推定されています。数字に幅があるのは、正確な数字を把握していないからだそうです。アメリカの普通のインフルエンザの方がはるかに恐ろしいのではないのでしょうか。

<問3に続きます。>

問4. 10万円の借入れがあり、借入金利は複利で年率20%です。返済をしないと、この金利では、何年で残高は倍になるでしょうか。

• ① 2年未満
• ② 2年以上5年未満
• ③ 5年以上10年未満
• ④ 10年以上
• ⑤ わからない

72の法則

暗算で概数を求める方法として、72の法則があります。「72の法則」は、お金が2倍になる年数がすぐにわかる便利な算式(「72÷金利≒お金が2倍になる年数」)です。この算式に当てはめて計算すると、72÷20=3.6年ですから、②の「2年以上5年未満」が正解になります。

エクセル

別の方法で計算するには、エクセルが便利です。前の年の金額に1.2をかけるのです。この表によると4年目に入る前に、2倍の400,000円に達することが分かります。

金利20%
元本 200,000
1年目 240,000
2年目 288,000
3年目 345,600
4年目 414,720

ところで、この設問の問題文について考えてみたいと思います。

日本貸金業協会のホームページに解説があるので勉強しましょう。

2010年6月に法律が改正され上限金利が引き下げられました。借入れの上限金利は、借入金額に応じて年15%~20%となっています。

  • 借入金10万円未満  上限 年20%
  • 10万~100万円未満 上限 年18%
  • 100万円以上    上限 年15%

上限金利の引下げ

上限金利は、

  • 上限を超えた金利が無効となる利息制限法(上限金利は貸付け額に応じて15%~20%)
  • 刑事罰の対象となる上限金利を定めた出資法(上限金利(改正前:29.2%))

の2つの法律で規制されています。

グレーゾーン金利

貸金業者の場合、この出資法の上限金利と利息制限法の上限金利の間の金利帯(いわゆる「グレーゾーン金利」)でも、ある一定の要件を満たすと有効とみなされていました。

行政処分の対象

他方、金利負担の軽減という考え方から、貸金業法と出資法が改正され、2010年6月18日以降、出資法の上限金利が29.2%から20%に引き下げられ、「グレーゾーン金利」が撤廃されました。出資法と利息制限法の上限金利の差の領域が残っていますが、この金利帯での貸付けについては、貸金業法違反として行政処分の対象となっています。

刑事罰の対象

つまり、貸金業者は、利息制限法に基づき貸付け額に応じて15%~20%の上限金利で貸付けを行わなければならず、利息制限法の上限金利を超える金利は超過部分が無効・行政処分の対象、また、出資法の上限金利(20%)を超える金利は、刑事罰の対象となっています。

三菱UFJニコスの手数料大幅引き下げ経験

私が勤めていた会社では、三菱UFJニコスのクレジットカードを扱っていて、クレジットカード保有者がカードを利用する際に、手数料をもらえていました。その手数料率が、上記の2010年6月ごろから、大幅に引き下げられました。それは、この法律改正と関係があったのです。

リボ払いの落とし穴にはまってはいけない

また、どのクレジットカードにもリボルビング払いの機能が付いていますが、リボ払いの金利は約15%ですから、絶対に利用してはいけません。クレジットカードは一括払いで支払いましょう。

10万円の金利が20%?

ところで、設問では、10万円の金利が20%となっていますが、法律上、10万円の上限金利は20%でなく18%です。この設問では貸金でなく、別の借入金なのでしょうか。私は素人なので良く分かりません。

問5. 金融商品の契約についてトラブルが発生した際に利用する相談窓口や制度として、適切でないものはどれでしょうか。

• ① 消費生活センター
• ② 金融ADR制度
• ③ 格付会社
• ④ 弁護士

消費生活センター

消費生活センターとは、地方公共団体が設置する行政機関で、事業者に対する消費者の苦情や相談のほかに、消費者啓発活動や生活に関する情報提供などを行います。 消費者安全法は、事業者に対する消費者の苦情に係る相談等の事務を行う施設等の設置義務を都道府県に課し、市町村に設置の努力義務を課しています。

金融ADR制度

金融ADRとは、

  • 金融機関と利用者とのトラブル(紛争)を、
  • 業界ごとに設立された金融ADR機関において、
  • 中立・公正な専門家(弁護士などの紛争解決委員)が和解案を提示するなどして、
  • 裁判以外の方法で解決を図る

制度です。ADRは、Alternative(代替の) Dispute(紛争) Resolution(解決)の頭文字です。

簡便・迅速

裁判に比べてみた場合、非公開の手続で、金融分野に造詣の深い専門家が関与して、トラブル(紛争)の簡便かつ迅速な解決を目指している点に特徴があります。

弁護士による解決

あっせんは、金融機関とその顧客との間のトラブル(紛争)について、公正中立な弁護士(あっせん委員)が、双方から事情をお聴きしたうえで、話し合いにより、双方が納得がいく解決を目指す方法です。

あっせん委員

あっせんでは、あっせん委員が、それぞれの当事者から個別に事情やご主張をお聴きしたり、双方同席での話し合いの仲介をしたりする過程を積み重ねていき、和解案を提示するなどして、双方の歩み寄りによる解決を促してゆきます。

ただし、双方の歩み寄りが見られなければ、残念ながら不調に終わる場合もあります。

格付会社

格付会社は、金融商品または企業・政府などの信用状態について評価(等級:信用格付け)を付与する企業ですから、金融トラブル時に相談する窓口ではありません。

格付会社とは、金融商品または企業・政府などについて、その信用状態に関する評価の結果を記号や数字を用いて表示した等級を付与する企業。格付機関または信用格付機関とも言います。

◆国内の格付け会社

株式会社日本格付研究所(JCR)

国内で高いカバー率を誇る大手機関。日系では唯一、世界の開発銀行5行の格付けを行ってもいます。国内・海外大手の中で、一番高い格付けをする傾向があるといわれています。

株式会社格付投資情報センター(R&I)

日本経済新聞社の社内で発足した「公社債研究会」に端を発する機関。現在は日経の連結子会社かつ特定子会社になっています。

◆海外の代表的な格付け会社

S&P(スタンダード・アンド・プアーズ)

アメリカの2大格付け会社の1つ。もっとも厳しい格付けをする傾向があるといわれています。株式指数である「S&P 500」を発表している機関です。日本では「スタンダード&プアーズ・レーティング・ジャパン」と「日本スタンダード&プアーズ株式会社」が共同して国内の企業や債券の格付けを行っています。

Moody’s Corporation(ムーディーズ)

こちらも米大手トップ2の1社。日本が発行体の債券についても、戦前から調査・評価を行ってきた歴史を持っています。現在、国内の信用格付業者では「ムーディーズ・ジャパン株式会社(Moody’s)」と「ムーディーズSFジャパン株式会社(Moody’s)」の2社が登録されています。

Fitch Ratings Ltd.(フィッチ)

ロンドンとニューヨークに本拠地のある格付け会社。上記2社に続く、世界3番手の機関(イギリスの会社と米国の会社が合併してできた機関であることから)。日本では登録を受けた「フィッチ・レーティングス・ジャパン株式会社」があります。

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