<昨日の続きです。>
個人が投資を始めようとするとき何をするでしょうか。
- インターネットで「個人」「投資」などのキーワード検索をする。
- 個人投資に関する本を買って読む
- 新聞・雑誌で情報収集する
- 「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 」の順位を参考にする
- 親など家族に聞く
- 友人など知り合いに聞く
- 銀行、証券会社の窓口に行って相談する
- ロボ・アドバイザーに入力して、アウトプットを参考にする。
- ファイナンシャルプランナーに相談する
<今日は4.から始まります。>
4.「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 」の順位を参考にする
2019年の順位を見ましょう。
順位 | ファンド名 | カテゴリ | ポイント数 |
1位 | eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) | 世界株式 | 145 |
2位 | eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | 米国株式 | 97 |
3位 | eMAXIS Slim 先進国株式インデックス | 先進国株式 | 86 |
4位 | <購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド | 先進国株式 | 82 |
5位 | eMAXIS Slim バランス(8資産均等型) | バランス | 71 |
6位 | 楽天・全米株式インデックス・ファンド | 米国株式 | 45 |
7位 | セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド | バランス | 43 |
8位 | グローバル3倍3分法ファンド(1年決算型) | バランス | 43 |
9位 | Vanguard Total World Stock ETF(VT) | 世界株式 | 42 |
10位 | SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド | 米国株式 | 40 |
アクティブファンドを買う人の気持ちが分からない
インデックスファンドが多いのですが、アクティブファンドも次の2銘柄が入っています。アクティブファンドはコストが高いので、私には魅力的に見えません。
7位 セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド
8位 グローバル3倍3分法ファンド(1年決算型)
ETFを軽視
一方で、9位に Vanguard Total World Stock ETF(VT)が入っていますが、ETFはこれだけです。アメリカでは圧倒的に人気のあるETFは、このベスト10では、1銘柄だけです。ここから言えることは、「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 」は、あまりにもETFを軽視しすぎていることだと思います。
その理由は、
ブロガーは若い人が多く、ネット証券口座の利用が大前提になっていることと、
まとまったお金よりも積み立て用の銘柄に特化していること
ではないかと思います。大手証券会社である野村證券は、この10銘柄のうち、9位のVTしか扱っていません。大和証券に至っては、取り扱い銘柄がゼロです。
「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 」は一部の人向け
こういう状況をみると、「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 」は、万人向きというよりは、少数の特殊な人向けという印象をぬぐい切れません。
2008年版
ところで、昔の順位はどうだったのでしょうか。2008年を見てみましょう。この年の投票はリーマンショックの直後に行われています。
順位 | ファンド名 | カテゴリ | ポイント数 |
1位 | STAM グローバル株式インデックス・オープン | 世界株式 | 19 |
2位 | セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド | バランス | 11 |
3位 | Vanguard Total Stock Market ETF (VTI) | 米国株式 | 11 |
4位 | バンガード・エマージング・マーケットETF (VWO) | 新興国株式 | 7 |
5位 | TOPIX連動型上場投資信託(1306) | 日本株式 | 6 |
6位 | iShares MSCI EAFE INDEX FUND(EFA) | 先進国株式 | 5 |
7位 | ジョインベスト・グローバル・バランス・ファンド | バランス | 5 |
8位 | 中央三井日本債券インデックスファンド | 日本債券 | 5 |
9位 | かいたくファンド | アクティブ | 4 |
10位 | 日興MRF | 日本債券 | 4 |
昔はETFも上位に
この年は、次のようにETFが4銘柄チャート・インしていて、ETFに対する疎外感はありません。
3位 Vanguard Total Stock Market ETF (VTI)
4位 バンガード・エマージング・マーケットETF (VWO)
5位 TOPIX連動型上場投資信託(1306)
6位 iShares MSCI EAFE INDEX FUND(EFA)
ただし、世界最大のSPY(アメリカSPDRのS&P500のETF)が入っていないことが気になります。信託報酬が少し高めなのか、ありふれているから選外になったかは分かりません。なお、バンガード社のS&P500ETFのVOOは、2010年発売なのですので、2008年には代わりに3位のVTIが類似銘柄として選ばれています。
バランス型は根強い人気だが・・・
バランス型は2008年に2銘柄、2019年に3銘柄チャート・インしています。
2019年の5位に入ったeMAXIS Slim バランス(8資産均等型)の内容を確認してみましょう。この銘柄は、私が今年の1月に授賞式でプレゼンターをつとめた商品です。
資産配分比率 は以下の通りです。
国内株式 12.5%
先進国株式 12.5%
新興国株式 12.5%
国内債券 12.5%
先進国債券 12.5%
新興国債券 12.5%
国内リート 12.5%
先進国リート 12.5%
バランス型より先進国型の方が今回のコロナショックに強かった
2017年5月に発売されましたから3年経過しました。現在はコロナショックが起きて、基準価額が3年前の水準に戻ったところです。設定来の騰落率は、 1.5%でした。
ほぼ同じ時期の2017/02/27に設定された、eMAXIS Slim 先進国株式インデックスの設定来騰落率は 14.8%ですから、バランス型より、先進国型の方が、今回のコロナショックでよい成績だったことが分かります。現在のように、債券の利回りが低い状態では、バランス型にする意味はないのかも知れません。
<明日に続く>