個人的な話ですが、私の周辺では不動産売買に関する関心が高まっています。
不動産を考えるきっかけ
一つは、最近結婚したのを機に住居を買いたいと思い始めた新婚カップルで、そしてもう一つは、親から相続した土地をそろそろ売ろうかと考えている還暦過ぎの兄弟です。数十年ごとに不動産の売買、相続の問題が発生します。
相談件数が増加
2020年は新型コロナウイルスの影響で、不動産売買は低調ではないかと思いきや、相談件数が大幅に増加しているそうです。
買って住むか、借りて住むか、のランキング
住みたい街ランキングというものがありますが、それは、買って住むのか、借りて住むのかによって、順位は大きく変動します。借りて住むのであれば、都心に近くて便利な場所が上位に来るでしょうが、不動産を買うとなるともう少し現実的な価格帯のエリアがランキング上位に挙がって来ます。
住みたい街ランキング
下記の順位は借りて住みたい街ランキングですから、かなり現実的なエリアが上位に並んでいます。
新型コロナウイルスによる変化
新型コロナウイルスの影響が拡大する昨今、人々の住まいの選択にはどのような変化があるのでしょうか?
2020年4月以降の調査
今回は日本で新規感染者が急増した2020年4月以降で「住みたい街に対する意識に変化があるか」について賃貸ユーザーの動向に注目して緊急調査を実施し、首都圏(1都3県)での街(駅)ランキングを算出しました。
ただし、調査方法はアンケート形式ではなく、LIFULL HOME’Sに2020年4月~8月に掲載された物件のうち、実際の検索・問合せ数から算出した”実際に探されている街・駅”のランキング結果です。
自分の住んでいるエリアは?
1位が本厚木、2位が葛西、3位大宮など、比較的都心から離れ、手ごろな価格帯のエリアです。あなたの住んでいる街、あるいはすぐ近くの街はここに入っているでしょうか。
順位 前回比 街(代表的な沿線)
1 3↑ 本厚木(小田急小田原線)
2 – 葛西(東京メトロ東西線)
3 2↑ 大宮(JR東北新幹線ほか)
4 10↑ 千葉(JR総武線ほか)
5 4↓ 池袋(JR山手線ほか)
6 14↑ 西川口(JR京浜東北・根岸線)
7 6↑ 高円寺(JR中央線ほか)
8 3↑ 蕨(JR京浜東北・根岸線)
9 2↓ 八王子(JR横浜線ほか)
10 12↑ 町田(JR横浜線ほか)
11 5↓ 三軒茶屋(東急田園都市線ほか)
12 9↓ 川崎(JR東海道本線ほか)
13 8↑ 船橋(JR総武線ほか)
14 2↑ 柏(JR常磐線ほか)
15 2↑ 三鷹(JR中央線ほか)
16 8↓ 荻窪(JR中央線ほか)
17 2↑ 小岩(JR総武線)
18 – 新小岩(JR総武線ほか)
19 13↑ 川口(JR京浜東北・根岸線)
20 14↑ 津田沼(JR総武線ほか)
21 12↓ 吉祥寺(JR中央線ほか)
22 10↓ 中野(JR中央線ほか)
23 23↑ 立川(JR南武線ほか)
24 14↓ 北千住(JR常磐線ほか)
25 1↓ 綾瀬(JR常磐線ほか)
26 18↑ 八潮(つくばエクスプレス)
27 13↑ 平塚(JR東海道本線ほか)
28 5↓ 大井町(JR京浜東北・根岸線ほか)
29 33↑ 橋本(JR横浜線ほか)
30 15↓ 浦安(東京メトロ東西線)
1位は「本厚木」
借りて住みたい街ランキング1位は小田急小田原線の「本厚木」。 新型コロナウイルスの流行前である2020年2月公表の「2020年LIFULL HOME’S借りて住みたい街ランキング(2019年・年間調査)」の時点でも4位にランクインした人気の街ですが、都心・近郊エリアが軒並み順位を下げている中で準近郊・郊外エリアに位置する街の代表格としてトップに躍り出ました。
都心まで電車で1時間のエリアが上位
他にも、「大宮」「千葉」「八王子」「津田沼」「立川」「八潮」「平塚」など、東京23区の街に比べ都心・近郊の事業集積地へのアクセスに時間がかかる街が上位に多数登場しています。
テレワーク、感染リスクが影響
この結果から「新型コロナウイルスの影響をできるだけ避けたい」という意向や、テレワーク(在宅勤務)を導入する企業が増え毎日の通勤時間を考慮しなくてもよくなったことで都心近くの利便性だけでなく、「感染リスクに対する安全性・安心感にも着目して住むところを選びたい」という意識の高まりがうかがえます。
池袋が5位に後退
このように首都圏郊外エリア、もしくは外周エリアに位置する街が数多く上位にランクされる一方、これまで人気の高かった「池袋」は5位に後退し、毎年発表している「LIFULL HOME’S借りて住みたい街ランキング」における4年連続1位の座を明け渡しています。
郊外が人気?
同じく都心・近郊の人気エリアでは「三軒茶屋」が11位、「川崎」が12位へと後退しており、コロナ禍の影響で都心・近郊の生活利便性よりも準近郊および郊外の相対的な安全性や安心感を重視して街選びをしようという意向が浮き彫りになっています。
地価は郊外が下落
これらの街の基準地価は、2020年にどう変化しているのでしょうか。沿線別周辺住宅地の基準地価の図で見ましょう。(単位:千円/㎡ 2019年→2020年)
東京23区内は1~2%上昇、その周辺は変化がなく、更にその外側は下落
- 1位:本厚木は、この図の左の方で載っていません。
- 2位:葛西は、500→514 ですから1%強上昇しています。
- 3位:大宮は、この図の上の方で載っていません。
この上位3位から分かることは、借りるにしても都心から遠いところを探していることです。
この図に載っている街だけを、拾い上げてみましょう。
- 7位:高円寺は、564→572ですから2%弱上昇しています。
- 9位:八王子は、276→271ですから下落しています。
- 10位:町田は、213→213ですから変化していません。
- 15位:三鷹は、503→505ですからわずかに上昇しています。
- 16位:荻窪は、598→607ですから2%弱上昇しています。
- 17位:小岩は、379→382ですから1%上昇しています。
このことから分かるのは、東京23区内は1~2%上昇し、その周辺の町田などは変化がなく、更にその外側の八王子などは下落しているということです。