2013年3月の連れ合いの運用実績は少し回復:1306という国内のETFを所有している理由

◎今日のグラフ:2013年3月の連れ合いのポートフォリオ

日本株式が少し回復

2012年11月に衆議院が解散し、自民党の政権復帰の見通しが立つと、円安・株高が始まりました。長い間、円高・株安に苦しめられましたが、ついにこの時が来たと思いました。

1306(TOPIX連動型上場投資信託のETF)を追加購入

この上昇気流に乗って、2013年3月に2回に分けて1306を購入しました。この上昇気流は始まったばかりだったので、いいタイミングで買えたということになります。株価が上がってくると元気が出て、これからも上がるのではないか、今買っておいた方が良いのではないか、と思うのですね。

 

相場変動には時間がかかる

下の折れ線グラフは2013年3月までの連れ合いの運用益です。マイナスの運用益ですから、運用損ですね。それでも前年より良好な成績でした。アベノミクスが始まった時、円安、株高は相当の勢いだったわけですが、例えば1か月のような短期間ですべてが完了するのではなく、2012年11月から2013年の5月まで、約半年かかっています。スロースターターの人や疑心暗鬼の人がいて、時間がかかるのでしょうか。

黒田氏の日銀就任と三本の矢

黒田氏が日本銀行の総裁に就任したのは2013年3月でしたが、その頃までには円安・株高は既に織り込み済みだったのでした。このため、黒田氏が総裁に就任して間もなくその傾向は終わることとなりました。当時、3本の矢という話もありましたが、その実績評価はどうなのでしょうか。私の印象としては、金融政策による円安が大きかったのではないかと思います。そして、もう一つは、長年円高に苦しんだ日本企業が、自力で黙々と努力して競争力をつけて来た。それが、この頃から成果を結び始めたということもあるのではないでしょうか。

◎今日のテーマ:1306という国内のETFを所有している理由

1306(TOPIX連動型上場投資信託のETF)は国内の株式であり、SPY(アメリカSPDRのS&P 500の ETF)に比べると、実績の利回りという面で見劣りします。また、米国は今でも人口が増え続ける一方で、日本は少子高齢化で人口は減ることが確実視されています。両国で最大のETFであるこの2つの商品ともリーマンショックで大打撃を受けましたが、SPYは最近10年間の配当を加えた利回りは平均10%です。一方で1306の価格は、現在ほぼ10年前の水準に戻った程度です。ETFを保有している個人投資家の中には、アメリカ株しか保有していない人もいます。また、ある著名な経済評論家は、銀行預金以外はVT(バンガード社の世界市場のETFで、日本の比率は1割未満)にしか投資していない人もいます。

金融資産の3割を1306で運用している理由

そのような中で、私が金融資産の3割を1306で運用している理由は、次の通りです。

  • 以前勤めていた会社の社員持株会で持っていた個別株式の価格が、退職後に急騰したので、いつまた下がるかもしれないと思い、1306にほぼ全額を変換しました。その頃はまだSPY(アメリカSPDRのS&P 500の ETF)に数千万円を一度に投資するまで気持ちが固まっていなかったので1306を保有しました。
  • 外貨については、USMMFなどの外貨MMFの動きを過去20年以上見て来て、債券は外貨MMFが、株式は国内ETFの1306でバランス的に良いだろうと思っていました。

つまり、将来日本がインフレになっても、株式である1306と、最も信頼のおける基幹通貨の債券であるUSMMFに投資しておけば、ある程度安心していられるのではないかと考えました。そして何よりも、銀行預金と個別株式を止めて、ETFと外貨に変換して置けばある程度安心できた、というのが理由です。

日本の大幅インフレまでには時間がかかりそう

日本は、いずれかなり高い確率で強烈なインフレになる恐れがあると考えています。それは将来の話しとしては十分ありうると思っていますが、その歩みは少しずつであり、数年から十数年の歳月が必要であろうと思っています。そして大幅なインフレは、動きが始まると早いのですが、それまでは極めて緩慢な前兆とそれに伴う動きしかないと思われるので、時間がかかると思われます。

日本円資産が少なすぎるのもリスクが大きい

そうであれば、1306(TOPIX連動型上場投資信託)を売ってSPY(アメリカSPDRのS&P 500の ETF)やUSMMFなどにするなど、その時の情勢に応じて最も好ましい方法を選択すればよいのではないかと考えています。一方で、ある程度の割合については、アメリカ等外国のETFやMRFに移管済みなので、日本円の資産が少なすぎるのも、かえってリスクが大きいのではないかと考えます。

インフレが来ても1306を売却して外貨ETFに移管すれば良い

もし仮に、インフレがかなり急激に来たとしても、1306(TOPIX連動型上場投資信託)の全部の価値が損なわれるのではなく、部分的な損失さえ覚悟しておけば、何とかなるだろうと思っています。特に1306は流通量が非常に多いので、換金するには時間がかかりません。日本に住んでいる日本人にとっては、やはり、換金性の高い1306は様々な面で有利であろうと思います。しかも、他の資産については、SPY(アメリカSPDRのS&P 500の ETF)をはじめとして、ドル建てで流通量の多い世界の資産に分散していて1306は全体の3分の1しかないので、これ以上無理して円建てのETFを減らす必要もないだろうと考えています。

将来的にはVTの国別割合が目標

逆に、円建ての国内ETFを現在以上に意図的に増やすつもりは当面有りません。遠い将来には、VT(バンガード社のバンガード・トータル・ワールド・ストックETF)の国別割合に近づけていくつもりですが、今すぐに1306を売って、その割合にするつもりは有りません。