リセッション

アメリカ 4~6月GDPが年率一0.9% 、2期連続マイナス

アメリカのことし4月から6月までのGDP=国内総生産の伸び率は年率に換算してマイナス0.9%で、2期連続のマイナスとなりました。記録的なインフレを抑えこむための急ピッチの利上げによって住宅投資が大きく減少したことなどが主な要因です。

1月から3月もマイナス1.6%で、2期連続のマイナスとなります。GDPの伸び率が2期連続でマイナスになるのは世界で新型コロナウイルスの感染が拡大し、経済が大きな打撃を受けた2020年1月から6月以来です。

マーケットでは、リセッション、景気後退、不況などの言葉がありますが、それらがどの程度株価に影響するかは、良くわかりません。サラリーマンで、景気に左右されやすく、場合によっては倒産するような企業に勤めていれば、それぞれの立場で感じるところがあるのでしょうが、一律の解説はあまり意味がないように思います。

まずは、それぞれの用語の定義を確認しましょう

リセッション

◆ (大和証券)景気が下降している状態のこと。 景気は生産活動が活発になる拡張期と調整局面の後退期が順番に繰り返し現れます。 景気のピークを「山」、最悪期を「谷」と呼び、山から谷に向かって悪化する局面がリセッションです。

◆ (野村證券)景気後退局面のこと。

資本主義経済での経済活動には景気の拡張期と後退期が数年を周期として交互に繰り返される景気循環がある。景気の拡張期の上限で後退に入る転換点を景気の山、その逆を景気の谷と言い、その山から谷までの間を指す。景気が低迷し不況にいたる過程の状態。また、景気が改善し好況にいたる過程の谷から山までを景気拡張局面という。

定義は各国により違いがあり、欧米では一般的に、国内総生産(GDP)が2四半期連続でマイナス成長となった場合をリセッションとみなす。日本では、内閣府が毎月公表している景気の現状把握などのために作成された景気動向指数のディフュージョン・インデックス(DI)の値が、景気拡張局面では50%を上回り、景気後退局面(リセッション)では50%を下回る傾向がある。

◆ 三井住友DSアセットマネジメント

景気が下降している状態のこと。景気は生産活動が活発になる拡張期と調整局面の後退期が順番に繰り返し現れます。景気のピークを「山」、最悪期を「谷」と呼び、山から谷に向かって悪化する局面がリセッションです。谷から谷までが景気の1サイクルとなります。景気循環理論では、約40カ月周期のキチンサイクルなど一定の周期で拡張・後退が起こるとの考え方があります。

景気

◆ (野村證券)

売買・取引などの経済活動の状況のことを景気という
経済活動が活発な状態を、「景気が良い」又は、「好景気」、「好況」といい、好景気のときを「景気拡大期」や「景気上昇期」と呼ぶ。
反対に経済活動が停滞している状態を「景気が悪い」又は、「不景気」、「不況」といい、不景気のときを「景気後退期」や「景気下降期」と呼ぶ。

過去の景気の動向を見てみると、景気は良いときも悪いときもあり、その期間の長さは様々であるが、順番にやってきている。そのため景気の善し悪しを波に例え、「山」や「谷」という言葉で表現している。

また、「景気拡大期」から「景気後退期」への転換点を「天井」と呼び、景気後退期から景気拡大期への転換点を「底」という。
経済活動の状況をイメージではなく、「景気指標」として数量的に把握することもできる。景気指標も物価指標と同じく、本当の意味での景気を表していない。したがって、一つの指標だけで景気を判断するのではなく、いろいろな指標を組み合わせて判断するとよい。


最近における大きな景気後退としてはリーマンショックがあります。内閣府のホームページから、その分析を確認してみましょう


今回(リーマンショック)の景気後退は、2008年9月のリーマンショックの前後で2つの段階に区分できる。リーマンショック前は、アメリカを中心とする金融不安、景気の減速、原油価格等の高騰などから、我が国の景気も緩やかながら弱まりを示した。リーマンショック後は、世界的な金融不安が金融危機へと発展し、世界同時不況と呼ぶべき事態に陥り、日本経済は急速な悪化を示すようになった。
こうした景気後退の特徴を、「速さ」「長さ」「深さ」で評価すると次のようになる。まず、リーマンショック後に絞ってGDPや鉱工業生産の動きを見ると、過去にない速さの景気悪化であった。景気後退の長さは現時点で確たることはいえないが、すでに過去の平均的な後退期間である16か月を経過した可能性が高い。また、GDPギャップや稼働率で見る限り、急速な悪化が続いた結果として、深い景気後退となったといえよう。
一方、部門別の特徴を見ると、世界的な同時不況の影響は、貿易の縮小、日本からの輸出の減少の形で強く現れた。そのため、金融面と比べ実体面のダメージが目立ち、また、内需に対して外需の落ち込みが大きくなっている。さらに、外需減少の影響を直接受けた企業部門の状況が、家計部門と比べて急速に悪化した。しかし、実体面の悪化は不良債権の増加などを通じて金融面に影響を及ぼす33。また、企業部門の悪化は雇用調整などを通じて家計の状況を悪化させる。リーマンショック後には個人消費も緩やかながら減少に転じ、その意味でも日本経済は厳しい状況となったといえよう。