一億総株主
岸田総理が掲げる「貯蓄から投資へ」の流れを促進するため自民党が、「一億総株主」の目標を掲げた提言を政府に申し入れ、NISA制度の抜本的拡充などを求めています。
NISAの拡充
提言は、日本の家計資産の構成について、欧米と比べ、預金の割合が「非常に高い」と指摘しています。資産所得の向上を図り、消費を拡大させるには、国民一人ひとりが「一億総株主」として成長の果実を享受できることが重要だとして、NISA=少額投資非課税制度の抜本的な拡充などを求めました。
自民党の提言
現在、「つみたてNISA」の非課税枠は、年間40万円ですが、関係者によりますと、この枠をさらに拡充することが想定されているということです。具体的内容は以下の通りです。
日本の家計金融資産構成は、欧米と比較して現預金の割合が非常に高く、株式や投資信託の割合が低い。家計の貯蓄から投資への流れを促進することで、資産所得の向上を図り、それが消費の拡大につながり、さらに次の成長に結びつくという好循環を実現していくことが重要である。併せて、国民一人一人の安定的な資産形成が進むことによって、「一億総株主」として成長の果実を享受できるようにしていくことが重要である。
このため、我が国市場の魅力向上に向けた取り組みとともに、家計の安定的な資産形成に向け、NISA制度の抜本的拡充などを進めて資産所得倍増を目指すとともに、金融商品取引業者等の助言業務や勧誘・説明業務に関する制度整備や、デジタルツールも活用した情報提供の充実等の検討を進めるべきである。
セゾンの暮らし大研究では、富裕層について解説しています。
1.富裕層の定義とは?
富裕層の定義は明確に定まっていませんが、野村総合研究所の調査では「純金融資産保有額1億円以上5億円未満」の世帯を富裕層としています。
純金融資産とは、預貯金や株式、債券や生命保険などの金融資産から、負債を差し引いたものです。例えば、総資産が1億円だったとしても、負債が100万円あれば富裕層には区分されません。また、「純金融資産保有額5億円以上」の世帯を超富裕層と呼びます。
1-1.富裕層が持っていることが多い金融資産
富裕層の投資先として多いのは不動産投資です。多くの不動産を所有しており、不動産収入を得ることで資産を増やしています。
中には、富裕層はデイトレードのような投資をして、大きな利益を出していると思っている方もいるかもしれません。しかし、富裕層であっても投資の基本は”長期・積立・分散”です。ハイリスクハイリターンではなく安定してコツコツと増やす堅い投資ですが、資産形成をするにはこの方法が最も適しています。
そして、これは富裕層でない方にも適している資産運用の方法です。つみたてNISAという制度を使えば少額から投資をすることができ、一定の期間、 投資で得た利益が非課税になります。資産形成を考えているならまずはつみたて NISAから始めてみましょう。
1-2.富裕層と呼ばれる人たちの特徴3選
富裕層と呼ばれる方たちの特徴は、以下のとおりです。富裕層は時間や資産の管理が上手だといえるでしょう。これらの特徴について、それぞれ詳しく解説します。
- 資産管理を徹底している:富裕層ほど資産管理は徹底しており、価値のあるもの・費用対効果の良いものには高額であってもお金を払いますが、無駄遣いはしません。徹底した資産管理ができているからこそ、富裕層の地位を確立しているのです。
- 時間の無駄が非常に嫌い:高所得者である富裕層にとって、時間の価値はかなり大きいです。そのため、彼らは時間を非常に大切にします。
- 複利効果を活用している:投資する額が多いほど、利益も大きくなります。そのため、資産運用で得られた利益を再投資することで、運用益は雪だるま式に大きくなっていくのです。このことを、複利効果と呼びます。
1-3.どのくらいの年収が得られると富裕層といえるのか
どれくらいの年収があれば富裕層なのかという基準に関しては明確な定義はありません。しかし、一般的に年収が2,000万円以上が富裕層に分類されるといわれています。
多くの富裕層は資産形成にお金を費やしています。また、子どもの教育にも熱心です。将来不自由することのないよう、また資産を継承できるように子どもの教育には力を入れる傾向があります。必ずしも富裕層が裕福な暮らしをしているわけではなく、その分資産運用や子どもへの教育資金へ投資するという方も少なくありません。
1-5.富裕層に多い職業ランキング
平均年収が最も高い職業は「パイロット」です。次に、「医師」、次に「大学教授」と続きます。それぞれの平均年収は以下のとおりです。その他にも経営者や士業、国家公務員なども年収が高い職業になります。
パイロット:1,694.6万円
医師: 1,169.2万円
大学教授: 1,100.0万円
2.富裕層の割合はどれくらいなのか?
2-1.世界における富裕層の割合
2019年、フランスのコンサルタント企業であるキャップジェミニが発表したWorld Wealth Report 2018によると、「100万ドル以上の投資可能資産」を保有する富裕層はアメリカが最も多く、次いで日本、ドイツ、中国の順でした。
- アメリカ(5,909,000人)
- 日本(3,387,000人)
- ドイツ(1,466,000人)
- 中国(1,317,000人)
- フランス(702,000人)
2-2.日本における富裕層の割合
日本ではこの数年で富裕層・超富裕層が増加しています。富裕層・超富裕層の合計世帯は2015年に121.7万世帯だったのが、2017年には5万世帯増加の126.7万世帯となりました。