退職者にとっての弱気相場

20代、30代の若者は心配ない

2022年に入って、株価がかなり下落しました。私(江戸庄蔵)の子供達も、SBI証券口座の評価額をみて、「下がった」「少し戻った」とラインで言ってきています。それに対する私からの返事は、「今が買い時かも」と言ったようなものです。若い人たちは、今後、20年、30年かけて貯蓄し、株価も上昇するでしょうから、あわてずに、貯蓄し、投資を続ければよいのですが、退職間近の50代や60代はどうでしょうか?

株価下落を気にしない

私は、厚生年金と確定給付年金で、ある程度生活できますので、貯蓄のほとんどを、内外の株式ETFに投資ています。過去に、リーマンショック、チャイナショック、新型コロナショックも経験していますし、過去数十年、200年のアメリカ株価の推移を見ると、もし株価が下落しても、5年、10年後には回復するだろうと考えています。

しかし、そのような胆力のない人、耐性ができていない人にとっては、やはり不安でしょう。USA TODAYの2022年5月20に記事を勉強しましょう。以下は拙訳です。

弱気相場の恐怖と退職者:株価下落に対して貯蓄を守るためにシニアの取る手段

退職者や退職が近づいてきた人達は、時間を味方にしてもっと穏やかな状況を待っている人達とは異なる方法で、現在の経済と市場の動乱を乗り切ろうとしています。

口座の貯蓄タイプと残高に応じて、経済的苦境をより強く感じる人もいますし、この混乱を乗り切るために様々な戦術を用いる人もいます。

木曜の株式市場は、ダウとS&P500が2020年に一日の最大の下落を記録したわずか1日後に、パンデミック開始以来で最初の弱気相場に近づきました。

しかし、シニアが共通して持っていると思われるのは、デジャ・ブ既視感の感覚です。

「多くのシニアは、まあまあの時代に戻るまで、今までと同じことをしているのです」と、サウス・カロライナに住み、退職してアルツハイマーの妻になった82歳の退職者のクリフ・ラムゼーは言います。

ドゥワイト・アイゼンハウアー大統領が1955年に心臓発作になって株式市場が一時的に急落したことを、彼は覚えています。シニア達は、1970年代のスタグフレーション、ドットコムバブル、そして数十年にわたる数えきれない経済苦境を乗り越えてきました。

今回も変わりはない、と彼らは言います。

弱気相場が近づいたときシニアは何をしているか?

インフレがまあまあの水準まで戻って市場が回復するまで、可能なものは何でも支出を切り詰める、とラムゼーや他のシニアたちは言います。

「両親はお金を節約するためにしていたことがいくつかあったのをよく覚えています」と言い、今同じことをしています。

買い物はまとめて行い、食事や有名ブランド物を減らし、サーモスタットを70度にする代わりに75度に設定して電気使用量を減らし、テレビを見る時間を減らして電気を消すのだとラムゼーは言います。

ラムゼーはほとんどのファイナンシャル・アドバイザーが嫌がることをすると認めているのですが、それは税金申告の時に多額の払い戻し小切手を確保できるように、社会保険料の源泉徴収を増やすことです。その年の貯蓄の余裕金として、そのお金を使うのです。

「ファイナンシャル・アドバイザーは、そのお金を働かせることができるので、そんなことをしないように言うだろうということは分かっていますが、私は自分のことがよくわかっているのです」と彼は言います。「もし、自分の当座預金に入っていたら、簡単に手を伸ばして使ってしまいます。米国政府にお金を預けてあれば、それは容易ではありません。」

シニアは何をすべきか?

分散投資をしている退職者はパニックになるべきではないと、アドバイザーたちは言います。その代わりの長期の目標に焦点を当て、もし景気後退があっても、それは短期になる傾向があると知ることです。

景気後退と回復に関して権威のある全米経済研究所によれば、1945年から2009年まで、景気後退は平均して11か月続いたと言います。それに対し、景気拡大は平均して59ヶ月です。

「最も重要なことは、どこに投資をするかです」と、ペンシルバニア州コンショホッケンのアメリプライズのファイナンシャル・アドバイザーのシーン・ピアソンは言います。

日々のヘッドラインは、株式市場急落、急上昇するインフレ、急激に上昇する利率見込み、そして目前に迫った景気後退に関するものまであり、目的地への道にある建物や交通のようである。

「それでもそこにたどり着けるだろうが、少し遠回りになるかも知れないし、到着するまでには少し長くかかるかも知れない。最も重要なことは、そこにつくことだ。途中の道筋は問題でない」と彼は言います。

マーケットが下落するとパニックになって売りたくなるかもしれませんが、持ち続けることです。少しの間自由に使えるお金を切り詰めなければならないとしても、我慢するのです。

「アメリカと世界の経済に分散して投資することは、もし時間があれば、長い間には下落せずに上昇し回復する傾向にあります」と、シュワブのファイナンシャル・プランニングと退職の最高経営責任者であるロブ・ウィリアムスは言います。

もし、変動することが心配なら、ポートフォリオを少し調整することを検討するのです。