ETFによる長期投資

日経新聞の朝刊2019年11月2日に、久しぶりでETFによる資産運用の記事が出たので、これを題材に考えてみたいとおもいます。

ETF市場拡大

日本のETF市場は拡大を続けているというグラフがあります。今年9月の残高は39兆円に達しています。しかし、日本銀行が異次元の金融緩和政策で大量に購入している影響もあるので、それを割り引くと、個人投資家の購入金額はそれほど多くはないだろうと思います。

ETFの本数

また、本数が200本に膨らんでいますが、その内容については、問題もあります。

経費

一つには、日本のETFの経費(信託報酬)が高いことです。アメリカでは、バンガード社が先頭を切って低コスト化に励んでいますが、日本ではバンガード社に相当する企業がありません。例えばVOO(バンガード社のS&P500 のETF)の信託報酬は0.03%ですが、日本の1306(TOPIX連動型上場投資信託のETF)は0.11%です。

外国のETF

一方、上場投信でない<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンドは、0.0999%(いずれも税抜き)です。また、日本国内で外国のETFを持つのは不自由だという問題もあります。例えばSPY(アメリカSPDRのS&P500のETF)は、日本国内で1557というETFで買うことができます。しかし、取引量が小さいので、売買価格が適正かどうか、数百万円、数千万円を買おうとしてもできないことがあります。このため、私は外国株式についてはニューヨーク市場で買うことにしています。

ETFの魅力

ETFの魅力は、指数連動なので放ったらしにできることです。個別株だと、大幅に値下がりしたり、ひどい時には倒産することもありますから、業績や株価に目を配る必要があります。実際に私の連れ合いの保有していた株は、倒産によって株価がゼロになってしまいました。数十株も保有していて、1銘柄や2銘柄が倒産しても構わないというのも一つの考え方かもしれませんが、それでも気になるものです。

世界のETF

私は、世界のETFを保有しています。日本とアメリカのETF、1306(TOPIX連動型上場投資信託のETF)とSPY(アメリカSPDRのS&P500のETF)、VOOは、NHKのニュースでマーケットの動向を毎日毎時間見ます。しかし、それ以外のVGK(ヨーロッパ)、VWO(新興国)は2千万円、1千万円投資ていいても株価をチェックすることは、1年間で2~3回程度です。まさに、買いっぱなし(バイアンドホールド)、ほったらかしの資産運用です。

ETFは様々な金融商品に投資できます。

最高値でも売らない

これらの内、私は日本株と外国株だけ投資しています。日本株は、この表のダイワ上場投信―トピックスではなく、野村のTOPIX上場投資信託で、投資額は5千万円です。外国株はこの表にあるSPDR S&P500ETF(SPY)に7千万円に投資ています。私の運用方針は買いっぱなしですから、S&P500が史上最高値を更新したと言っても売ることはありません。

投資対象は株式のETFだけ

ところで、この表の内、債券、REIT、商品のETFは持っていません。現在金利が日本においてもアメリカでも非常に低いので債権の魅力がありません。REITについては、株式の市場に比べて規模が小さいし、歴史も浅いので信頼感がありません。商品についてはゼロサムゲームですから、株式のように成長を期待することができません。こういった理由から、現在日本株と外国株に絞ってETFを保有しています。

高コストのETFは買わない

なお、レバレッジ型やインバース型などのETFは信託報酬が高いので、買う気はありません。