「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 」で気になる商品 1

毎年「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 」を参考にして、インデックスファンドなどを選ぶのも有効な方法かもしれません。

しかしながら、この表彰上位商品の中で、気にかかるものもあるように思います。それが以下の3商品です。

  1. セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド

  2. ひふみ投信

  3. グローバル3倍3分法ファンド(1年決算型)

気にかかる理由は、結論を端的に言えば信託報酬が高いことです。それでは、この3商品について具体的中身を確認します。

以下、「 」はセゾン投信株式会社 の商品説明で、⇒が私のコメントです。

1.セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド

「この商品は、バンガードのインデックスファンドを通じて世界の株式と債券に分散投資します。この商品の3つの特徴は以下の通りです。」

⇒バンガード社は、アメリカ合衆国ペンシルベニア州に本社がある世界最大規模の資産運用会社で、世界初のインデックス型投資信託(インデックスファンド)を個人投資家に提供した会社として知られています。インデックスファンドとは、特定の指標(インデックス)と同じ値動きするよう運用される投資信託のことです。「インデックス型投資信託」や「パッシブファンド」と呼ばれることもあります。また、インデックスファンド以外の投資信託は、「アクティブファンド」と呼ばれます。バンガード、インデックスファンドとも低コストで有名です。

◆国際分散投資

「このファンド1本で世界中に分散投資することができます。地域別の投資比率は市場の規模に応じて変化するので、手間なく市場の変化に対応できます。」

⇒ リスク分散の観点からは、国際分散投資は有効な方法だと思います。

◆株式と債券への分散投資

「株式と債券へ半分ずつ投資することにより、リスクを抑えながら安定したリターンの獲得を目指します。」

⇒ 株式と債券に分散投資するのですから、バランスファンドに分類される商品です。世界的に超低金利の時代が続いている状況で、債券に半分投資することが効率的かどうかは、大いに疑問です。もし、債券利回りが3%、4%も有れば、このような商品も有望商品の一つになると思いますが、利回りが1%を大きく下回る状況では、魅力を感じません。しかも、世界中で金融緩和政策を推し進めている中で、債券を多く持つということは、インフレに転換した時に債券価格が急落する恐れがありますから、私なら、債券の割合を減らしたいと思います。

◆低コスト

「ローコスト・ハイクオリティ運用で定評のあるバンガードのインデックスファンドに投資することにより低いコストを実現。長期の資産形成に特化することで運営に係る経費も抑えています。」

⇒バンガードのインデックス自体は低コストですが、この商品の信託報酬が年506%(税抜0.46%)、実質的な信託報酬は、年0.57%±0.02%程度(税込)ということでは、他のインデックス商品と比べて低コストとは言えないでしょう。例えば、今年の「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 」で5位に入った、eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)の運用管理費用(信託報酬)は、年率0.154%(税抜 年率0.140%)です。ちなみに、この商品の5位入賞プレゼンテイターは私でした。

「運用について(詳細)

このファンド1本で世界30カ国以上の株式と10カ国以上の債券に分散投資することができます。

株式と債券の投資比率は原則として50:50

投資対象ファンドへの資産分配比率は、各地域の株式および債券市場の時価総額(規模)を勘案して決定。また、資産分配比率は適宜見直しを行います。」

資産配分比率

バンガードについて

ポイント1 世界最大級の運用会社

バンガードの運用資産残高は約570兆円(約5.3兆ドル 2020年3月末現在)

「ポイント2 投資家による、投資家のための運用会社

「資産運用会社は、ファンドの投資家の利益のためだけに運営されるべきである」というシンプルで画期的なアイデアに基づいて設立された会社です。
外部の株主が存在せず、バンガード社がバンガードの米国籍ファンドとETFによって所有されています。つまり、バンガードのファンドの投資家がバンガード社を間接的に所有する構造であるため、会社と投資家の利益が完全に一致しています。」

⇒日本の生命保険会社も多くの場合、相互会社なので同じ思想で設立されたはずですが、現実には保険加入者本位にはなっていません。

保険会社の組織形態には「相互会社」と「株式会社」があり、多くの保険会社は「相互会社」です。相互会社では、株式会社と異なり株主が存在せず、保険契約者一人ひとりが会社の構成員すなわち「社員」となります。

しかし、第一生命は株式会社に変更したことによって、業界に大きなインパクトを与えました。競争の激化と保険会社の株式会社化は、保険料の低価格化にもつながりました。相互会社では、商品の中心は契約者へ余剰金という形で配当を出す有配当保険です。配当を出さない代わりに保険料を安くする無配当保険の販売は、法律で制限されています。一方で、株式会社にはこのような制限がないため、より安い保険料の無配当保険の商品が数多く出てきたのです。また、最近はインターネット販売でより格安の保険料をうたう外資系企業の参入などもあり、保険業界の競争はさらに激化してきています。従って、会社の形態や理念だけでは実態を表さない状態となっています。

ポイント3

インデックス・ファンドの世界シェア NO.1

バンガードは1976年に、個人投資家向けのインデックス・ファンドを、世界で初めて米国の個人投資家向けに設定しました。現在、バンガードは、世界のインデックス運用商品の約4割のシェアを握り、シェアNO.1となっています。

青い折れ線グラフが基準価額の推移です。

基準価額の騰落率は以下の通りです。年率ではなく、その期間全体に対するものです。

  • 1年    +10.98%
  • 3年    +15.77%
  • 設定来    +60.75%