残念なお金の実例(上)

私や私の周りの投資に関する残念な実例をご紹介します。

1.企業型確定拠出年金を銀行預金で運用

私の勤めていた会社が2002年に企業型確定拠出年金を導入した時、社員の9割は銀行預金で運用することを選択しました。その人たちの確定拠出年金は、現在も増えずにそのままの金額です。しかし、その当時は、他の企業でもやはり9割の人が銀行預金を選んだそうです。銀行預金を選んだ人は、今でも増えていません。残念な結果です。

私は原資の600万円を全額、外国株式インデックス(パッシブ)ファンドで運用したので、22年後の現在3,300万円に増えました。

2.企業型確定拠出年金の銀行預金のスイッチングし忘れ

私の知り合いは、企業型確定拠出年金を銀行預金で運用していたので、銀行預金から外国株式インデックスファンドに変更したほうが良いとアドバイスしたところ、すぐに変更しました。しかし、それまでに運用していた100万円を外国株式インデックスファンドにスイッチングしなかったので、数年間銀行預金のままでした。約400万円の損失です。残念。

3.選択制企業型確定拠出年金の掛け金が月1万円

選択制企業型確定拠出年金のメリットを理解せず、月々の掛け金額を1万円にしていた人がいました。最高55,000円まで掛けられるので、節税効果を生かせず残念な結果になりました。

4.不動産バブルの時に家を買う

私が勤めていた会社の複数の副社長は、1990年代初めのバブルの時に、小さな家を高額で買いました。

また、バブルの頃、神奈川県の見晴らしの良い高台に1億円で一戸建てを購入した家族も、自動車を運転できる夫が亡くなり、近くのスーパーも廃業したため、おばあさんと猫しか住んでいません。買い物は不便だし駅から遠いので、今は買い手がつかない状態だそうです。

私は、その10年後の2000年台初めに住宅を買いましたが、現在その土地の価格は2倍に上がりました。

不動産は、運の占める割合が高いですね。

5.財形

私は20代から50代初めまで、住宅財形、財形年金、一般財形を利用していました。1980年代の利率は3~5%でしたが、その後は1%台になりました。

現在のS&P500が10%であることを考えると、大きな開きがあります。また、当時はネット証券のような低コストの証券会社もなかったので、資産は余り増えませんでした。

とても残念な30年間でした。

私の知り合いは最近、郵便局の財形を長年積み立ててきましたが全然増えていないことを知りました。ゆうちょ銀行の財産形成定額貯金の利率は、0.110%です。

したがって、私の子供たちには、SBI証券に口座を作らせ、S&P500などの外国株式インデックスファンドに投資することを勧めています。

6.小規模企業共済

私の知り合いで、「小規模企業共済に毎月7万円掛けているので年金は万全だ」と言っている人がいました。本当にそうでしょうか?

小規模企業共済制度の予定利率は、1.0%です。これではインフレに負けてしまいます。

やはり、S&P500などの外国株式インデックスファンドへの投資を基本にした方が良さそうです。

7.国民年金基金

国民年金基金はもっと危なそうです。

国民年金基金は途中で口数を変更しない限り、加入時の掛金が払込期間終了まで変わりません。 その掛金は加入時の予定利率(2022月5月現在1.5%)で運用され、加入時に将来受取れる年金額が確定します。これもインフレに負けています。

iDeCoで外国株式インデックスファンドが基本だと思います。

8.投資のタイミング

私は、国内株式(1306(TOPIXの株式ETF))を2012年に、外国株式インデックスファンドを2015年に投資しました。

国内株式のタイミングは良かったのですが、外国株式インデックスファンドは投資資金が入金された2010年に、すぐ投資すればベストでしたが、5年間外貨MMFにしていたのでかなりの機会損失でした。

しかし、早すぎてもダメで、2000年のITバブル時に投資したら10年後はマイナスでした。

9.株価が下がると投資したくなくなる

私の連れ合いは、リーマンショック直前に投資を始め、株価が半値以下に暴落したので、追加投資の意欲がなくなりました、2014年頃から日本の株価が上昇してきたので、やっと追加投資するようになりました。

2010年頃の株価低迷時に追加投資していれば、今頃は元本の4倍程度に増えていたでしょうが、今は3倍にも行きません。残念です。

10.利益確定は不要

私の知り合いに、「株価が上がっても、利益確定しなければ意味がない」という人がいました。

しかし、利益確定して現金を手に入れた後、どうするのでしょうか。お金を遊ばせておくのはもったいないし、インフレで目減りするので、再投資するのが良いはずです。

よほど再投資したい銘柄があれば話は別ですが、どうしても投資したい銘柄が無ければ、そのまま保有し続けるのが得策です。

特に外国株式インデックスファンドであれば、暴落の危険もほとんどありませんから。