災害と資産

◎今日のテーマ:災害と資産

昭和20年代は水害

私は東京23区内に住んでいます。私は災害について若いころから気にかけています。昭和20年代には、台風が来ると水害が発生していましたが、その後、災害対策が十分に行われて、その地域での水害は発生していません。十数年前に現在の場所に引っ越してきましたが、その直後に少し低い住宅街が水害に遭いました。その数年後に、河川の下に巨大な貯水槽が整備され、想定内の水害であれば、大きな被害は発生しそうにありません。

さて、大きな問題は首都直下型の大震災です。

名古屋の標高

2011年の東日本大震災の直後には、名古屋で南海トラフ地震に対する不安が募ったことがありました。名古屋は、標高の低い地域が多いので南海トラフ地震が発生すると、甚大な被害が発生すると懸念されます。そのため、名古屋の土地を売ろうと思っても、誰も買おうとせず、買い手がいなくなったそうです。

江戸川区

東京江戸川区では、「江戸川区水害ハザードマップ」を作成し、2019年5月に「ここにいてはダメです」の文章を載せました。これについて江戸川区長はこう書いています。

「首都直下地震や大規模水害への対策は、まさに喫緊の課題であります。
まず地震対策として、本区では、「耐震改修促進計画」に基づき、区内の住宅の耐震化を推進しております。木造住宅密集地域を中心とした戸別訪問や、耐震コンサルタント、耐震アドバイザーの積極的な活用促進などが功を奏し、現在96%の住宅耐震化率を達成しています。今後も引き続き、積極的に耐震化を促進してまいります。
また、大規模水害対策として、「江戸川区水害ハザードマップ」を作成し、本年5月に全戸配布いたしました。SNSやマスコミ報道においては、「ここにいてはダメです」という表現が議論を呼んでいますが、これは、「江戸川区から誰一人として犠牲者を出さない、全ての区民の命を守りぬく」という強い思いを表したものです。区民の皆様には、水害リスクを正しくご理解いただき、日ごろの備えを実践していただくとともに、今後も早期の自主的避難の普及・啓発に努めてまいります。」

関東大震災

江戸川区は水害の心配が大きいのですが、それ以外の東京23区内では火災の心配があります。大正12年の関東大震災は、火災の被害が甚大でした。

ハイパーインフレ

そして、東京だけでなく、日本全国に被害をもたらす可能性があるのがハイパーインフレだと思います。

復興予算

まず、甚大な被害を受けた人達に復興予算が執行されます。東日本大震災では、11~19年度国支出見通しが35兆円に上りましたが、首都直下型地震では数百億円に膨れるかもしれません。それは増税で賄われるとともに、建設費が高騰するでしょう。

自宅再建

一方、自宅を失った人たちは、自宅を建設することになりますが、ここでも建設費が高騰することになるでしょう。

金融資産の海外逃避

このようにしてインフレが進み始めると、自分の金融資産を目減りさせないために、外国に資産を移動させる人が急激に増えるでしょう。昭和の時代であれば、資産防衛は不動産や株式に向かったでしょうが、現在は外国インデックスファンドやETFに向かうでしょう。「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 」の上位は、先進国のインデックスファンドが占めていることから、一般大衆もそれに倣う可能性が高くなります。その結果、ドル買い円売りが進み、円安の結果インフレがさらに進むことになると考えられます。

ハイパーインフレ

首都直下大地震、南海トラフ地震が起きた時には、最終的にハイパーインフレになると考えられます。

国民の財産を守らない日本政府

その時政府は、国民の財産を救ってはくれません。現在でも、インフレを起こしてインフレ税を課そうとしているのです。第2次世界大戦直後に、国債は償還されましたが、その時のインフレ率は20000%、つまり物価が200倍になったのでした。国の借金は無くなりましたが、それを負担したのは国債を保有していた国民でした。