◎今日のグラフ:ジェレミー・シーゲルのグラフから考える
ジェレミー・シーゲル(Jeremy J. Siegel)氏 は、アメリカ・ペンシルベニア大学経営大学院(ウォートン・スクール)の教授で専門は金融論です。
アメリカの株式は、213年間で百万倍
1802年から2015年までの、各資産の指数をグラフにしたものです。縦軸は対数目盛で、2013年間で約1,000,000倍になりました。つまり、1ドルをアメリカの株式に投資すれば百万ドルになったということです。
各資産の中で株式のリターンが圧倒的
つまり、株式、長期国債、短期国債、金、預金の中で、株式への投資が最もリターンが高いということです。
平均リターンは6.7%
213年間で百万倍になるためには、毎年の利回りは平均して、6.7%が必要です。この6.7%という数字は、超低金利に慣れてしまった日本人にとっては、ひどく高く思えますが、現代のアメリカ人にとっては決して高い数字ではなく、最近25年間の動向からすると、少し遠慮した控えめの利回りです。
S&Pは、最近10%程度
ウォーレン・バフェットが所有を推奨しているアメリカS&P500の指数はこの数字を上回っています。そのETFの代表的な銘柄のSPYのトータルリターンは、
5年間で、 14.37%
設定来1993年01月22日から約25年で、 9.70%
です。
運用のメインはS&P500
私も連れ合いも、運用資産の約3割をS&P500のインデックスファンド(ETF)であるSPY、VOOで運用しています。
リーマンショックなどの影響
ただし、アメリカの株式も毎年コンスタントに上がり続けているわけではありません。最近では、リーマンショックやITバブルの時には、数年間株価が低迷したことがありました。しかし、その期間は10年に満たなかったのです。1929年の大恐慌の時には、ダウが強硬前の水準に回復するまで25年間かかりました。ただし、配当を再投資していれば、もっと短期間で回復しています。
アメリカの株式を長期保有する
このことから、アメリカの株式に投資し長期で保有することが、過去200年以上の経験則から、最も有利な資産運用方法だということができます。長期国債も短期国債も、株式には及びもつきません。
日本の国債に魅力なし
日本の国債は、現在超低金利ですから購入するつもりは全くありませんし、多少利回りが高くなったとしても、長期投資というスタンスに立つ限り、日米の国債に投資するつもりはありません。
個人の資産運用なら、債券、バランスファンドは無駄
現在GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)は年金の運用を、国内・海外の株式・債券で行っていますが、個人の長期投資であれば、債券に投資するのは無駄だと思います。また、債券を含むバランスファンドも意味がなく、債券保有に関するリバランスも意味が分かりません。
金は利益を生み出さない
金については、現在および将来、中国、インドが台頭することによって、金の価格が上がるかもしれないという予測もされています。株式は配当という形で利益を株主に還元してくれますが、金は株式と違って、利益を生み出さないので投資対象とするのは難しいという考え方もあります。私は、今のところ金に投資することは考えていません。