ドイツの通貨インフレ

◎今日の写真:ドイツの通貨インフレ

ドイツ人はハイパーインフレに対する認識がしっかり

世界史の教科書に載っているドイツのハイパーインフレの時代の写真です。通貨インフレのために古い紙幣はほとんど無価値になって、こどものおもちゃになったり、壁紙に使われました。EUは、現在金融緩和を実施していますが、ドイツを中心として、貨幣の流通量にはとても敏感に反応して、財政赤字には厳しい態度を取って来ました。その理由は、第1次世界大戦後のハイパーインフレの苦い経験があったからだろうと思います。そして、この写真は100年後の異国である日本の教科書にも載っているくらいですから、歴史的な汚点であったと思います。

日本人は戦後のハイパーインフレを知らない

一方で、日本においても第2次世界大戦後に100倍にも及ぶハイパーインフレがありました。しかし、そのことを実際に体験して、今でもつらい記憶として残している人はほとんどいないのではないでしょうか。その時から70年が経ちましたが、そのつらさがわかるのは、子供では無理で、ある程度大人の仲間入りをしていなければなりません。その方たちの大部分は、すでに亡くなっているでしょう。

日本史の教科書にハイパーインフレの効果的な記述を

また、ドイツの写真のようなハイパーインフレの象徴のようなものもありません。このため、EUやアメリカが国の借金に対して真剣に取り組んでいるのに対して、財政再建への取り組みがどんどん遅れています。目先の選挙対策としての財政支出ばかりが優先されて、国債残高は膨らむ一方です。日本でも、日本史の教科書に、日本の戦後の預金封鎖、ハイパーインフレの記述をしてほしいと思います。

リフレ派に偏る日本銀行

日本銀行の総裁は黒田東彦氏の再任、岩田規久男氏の後任は若田部 昌澄氏で、ゴリゴリのリフレ派です。現政権の進める金融緩和がこれからも続くことを予想させます。

金融緩和の修正を考える時

マスメディアでは、現在の金融緩和継続に関してある程度危機感を募らせていると思われる記事も増えてきたように思われます。さらに与党の中でも、金融緩和について修正が必要だとの考えが一部の浮上しているようです。しかし、ここまで膨れ上がった国の借金をこれ以上増やさないことは、ほとんど不可能な状況まで進展しているように思われます。

金融機関の営業に惑わされないことが大事

従って、力のない一国民としては、自分の資産について自己防衛を量らなければならないと思います。その際気を付けなければいけないのが、銀行、証券会社の営業だと思います。銀行、証券会社等は、現在の財政状態の危険な状況を利用して、自分の職務目標を達成しなければなりません。そして、具体的には、外貨の定期預金や投資信託などの営業だと思います。

金融機関の商品は特に手数料に注目

日本の低金利の預金に預けておくと、利子がつかないし、インフレになった時に実質的に資産が減少するという言い方をしてくるかもしれません。また、ロボットや自動運転の自動車を開発する世界の企業に投資する投信を勧めてくるかもしれません。しかし、これらの商品は、手数料が高かったりして、金融機関にとっては都合のいい商品でしょうが、顧客にとっていい商品かどうか、とても疑問です。

雑誌、新聞も広告主寄りの記事が多いので要注意

雑誌や新聞の記事は、雑誌に広告を掲載してくれる金融機関の都合のいい情報を書くことが多いものです。それらを判断できる力をつけていかなければならないと思います。

国民の生命と財産

国は、国民の生命と財産を守る、という言葉をよく聞きますが、本当に守ってほしいと思います。