◎今日のグラフ:ポートフォリオとアセットアロケーション
このグラフはGPIFの現在のポートフォリオです。私は30代のころから、パーセンテージは別にして、国内、国外の債券、株式に分散して投資することが理想的なアセットアロケーションだと考えていました。それから30年経ちましたが、その理想を実現することはありませんでした。
生命保険の財形貯蓄は高金利
30歳代、40歳代のころは、貯蓄のほぼ全額を財形(勤労者財産形成貯蓄制度)で貯めていました。1985年~1994年の10年間は金利がほぼ5%だったので、現在の株式と同レベルの利回りを期待できたのでした。1995年~2004年の10年間も2~3%の金利だったので、財形から資金を引き出して、他の金融商品で運用しようという気にはなりませんでした。ただし、これらの金利は生命保険の金利で、銀行預金の場合にはもっと低い数字です。現在の金利は日本生命が1.0%、富国生命が1.5%、銀行はほぼ0%です。
全額が財形
したがって、アセットアロケーションはこの円グラフのように、極めて簡単です。財形は、ETFや株式のインデックスファンドと違って、元本確保型です。
住宅財形を年金財形に変更
私は50歳の時に東京の23区内に土地を買って家を建てました。住宅財形は、住宅を建てるのであれば、金利に課税されないのですが、土地だけ買う場合など、他の使い方をする場合には課税されます。また積立限度額が550万円ですので、その額に達した後は全額一般財形で貯蓄しました。50歳代前半は、年金財形で貯蓄しました。限度額は、銀行なら550万円、生命保険会社なら385万円です。なぜ金融機関によって、このような差があるのかはわかりません。
現在のポートフォリオ
これが現在のポートフォリオです。1306(TOPIX連動型上場投資信託のETF)の特定とNISA、DCは国内株式で38%、SPY(アメリカSPDRのS&P500のETF)、VWO、VGK VOO、STW AUは外国株式で54%、財形年金とDBは合計で8%で、定額が支給されますので内容的には国内債券の性質を持っています。このポートフォリオは、外国株式の比率がとても高くなっています。この理由は、外国、特にアメリカの利回りが高いことと、外国のETFを簡単に購入できるようになったことです。SPYとVOOはアメリカの株式ですが、最近25年間の平均利回りは9%です。これだけ利回りが高ければ、かなり大きな為替変動、株式の下落があっても10年以上の長期保有であれば、まず間違いなく回復できると考えられます。私は、資産運用を始めて8年経ちますが、リスクという観点からはほぼ安全圏に到達したのではないかと考えています。現在のポートフォリオは、ほぼ私の理想とするものになっています。25年前にアメリカでSPYが発売され、17年前に1306が発売されました。その間、株式のリターンは高かったのですが、財形の金利は下がる一方でした。金融制度や金融商品は今後も変化するでしょうから、それに応じてポートフォリオも変わらざるを得ないでしょう。
ポートフォリオだとわかりにくいので、アセットアロケーションのグラフを示します。外国株式が54%なので、外貨が過半です。
厚生年金を今後20年間受け取ることになると、これはほぼ定額なので、国内債券に含めて表示します。このようにみると、国内の金融資産が多すぎると思われます。国内株式を外国株式に変換していく必要性を感じます。