<昨日からの続き>
老後資金には様々なものがあります。それらについて、現状の利率を確認し、資産全体の中で、それぞれの資金をどう利用するかを考えます。
11.NISA
12.つみたてNISA
期待リターンは両方とも7%
期待リターンは、低コスト株式インデックスファンドの場合、両方とも7%です。
まとまったお金があればNISA、就職したてならつみたてNISA
私は、過去にNISAを利用しましたが、現在はつみたてNISAに変えました。私の子供のうちの一人は、多少まとまったお金があったので、NISAを買いました。もう一人の子供は、就職して間もなかったので、まとまったお金がないため、つみたてNISAを買いました。
つみたてNISAの方が楽
私は、野村證券で野村つみたて外国株投信を積み立てています。本来であれば、野村證券のNISAで外国株式ETFを買いたかったのですが、それができなかったので、やむを得ずつみたてNISAに変更しました。かといって、証券会社を複数にすると管理が面倒くさいかも知れないと思いました。また、つみたてNISAは、積立資金さえ補充すれば20年間ほったらかしで運用できるのも、手間が省けてらくちんです。
NISAはしょっちゅう制度変更
一方、NISAは制度開始以来、しょっちゅう制度変更をしているのも不安でした。2024年にも制度変更があって、一般NISAは2階建てになり、投資金額の上限金額は年間122万円に増額されます。
- 1階部分は、「安定投資」を行なう商品で年間20万円まで5年間非課税で投資ができます。
- 2階部分は、原則NISAと同じ商品で年間102万円まで5年間非課税で投資ができます。
野村證券でNISAを利用する場合、商品の品ぞろえが悪いので、使いづらいと思います。
子供たちはSBI証券で低コストインデックスファンド
子供たちは、SBI証券で<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンドを買いました。このニッセイの商品は野村證券では買えません。野村証券の戦略としては、つみたてNISA専用商品だけは低コストにし、課税される投資信託は高コストの商品を売りたいのでしょうが、その戦略を続けている限り、これから証券口座を作る若い人たちは、野村證券に口座を作ることはなく、どんどん離れて行ってしまうでしょう。
13.ETF
14.ETF分配金
ETFのリターンは、7%、10%
ETFのリターンを10%としましたが、これはS&P500に投資した場合の過去30年間の平均リターンです。私のポートフォリオの45%は、SPYとVOO占めていますが、これらはS&P500のインデックスファンドですから、現実に10%のリターンがあります。また、アメリカだけでなく全世界に投資するバンガード社のVTの過去10年の平均リターンは9.5%です。今後は、これほど高いリターンはないかも知れませんが、世界的に超低金利時代が続く中では、債券に魅力がなく、株式ETFの魅力が高いままです。
ETFを好む理由
若い人や投信ブロガーの間では、ETFよりインデックスファンドの方が人気があるようですが、私がETFを好む理由は以下の通りです。
① 野村證券には専用消費以外低コストインデックスファンドがない
私が口座を持っている野村證券には、低コストインデックスファンドがありません。イデコ専用、つみたてNISA専用のインデックスファンドには低コストのものもありますが、それらの制度には金額制限があるため、大部分の資産を運用するためにはETFを使わざるを得ません
② 低コストインデックスファンドは歴史、規模が劣る
低コストインデックスファンドはその歴史が浅く10年未満です。このため、純資産総額もETFの数十分の一しかありません。歴史があって、規模が大きいことで得られㇽ安心感が低コストインデックスファンドには十分ではありません。
③ 外国国籍で分散化
<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンドや、三菱UFJ国際-eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)などの低コストインデックスファンドは、日本国籍です。投資する場合の重要な考え方の一つは『分散』ですが、金融商品の国籍もできれば分散させたいと思います。特に日本は、第2次世界大戦後に、預金封鎖、200倍のハイパーインフレの歴史があります。アメリカにもインフレ懸念を抱いていますが、世界の先進国の中で、圧倒的にハイパーインフレに近いところにいるのが日本です。その危険な日本に全額を置いておきたいという気持ちにはなりません。本来であれば、アメリカの金融機関のアメリカ本土の支店に口座を開設して、ETFを保有したのですが、今はできませんので、せめても、外国籍のETFを持っていたいのです。
ETF分配金
最近の分配金は株価の2%弱です。国内株式ETFの分配金は生活費や旅行代金に使い、外国分はETFに再投資しています。若い人であれば、自動的に再投資できる低コストインデックスファンドが手間いらずで好ましいのですが、私のような高年齢になると、給与収入がないために、自由に使えるETF分配金は結構重宝しています。ただし外国ETFの分配金は外貨MMFで受け取りますので、もし日本円にすると為替手数料を払わなければなりません。そこで、それは再投資に回します。なお、100万円以上の生活費が必要な場合には、国内株式ETFを売却します。
15.投資信託
日本で比較的人気のある投資信託(低コストインデックスファンド)は7.0%ですが、SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンドなどはS&P500に連動していますから、期待リターンは10%です。
野村證券には低コストインデックスファンドがないので利用していませんが、ETFも投資信託の一種ですから、広い意味では利用していることになります。
16.株式、株式配当金
株式に投資すると、時間、精力を必要とするので保有していません。余裕資金の範囲内で趣味としてやるのは問題ないと思いますが、儲けようと思って、血眼になるようでは問題です。その勢力と時間を自分の仕事に傾注した方が有意義だと思います。
17.個人年金保険
銀行などの金融機関は、熱心に営業していますが、それは自社で儲けた後の搾りかすを顧客に分配しているからです。このようなブラックボックスのある商品には近づかない方が良いです。
18.不動産
不動産は自分が住む物以外には手を出さない方が良いと思います。
私の住宅の周辺では、数年前にアパート建設が盛んにおこなわれていましたが、最近はめっきり減ったようです。もっと郊外でアパートを建築した人たちは、入居率、家賃収入の面で困っているだろうなと思います。
港区に住む普通のサラリーマン(ただし資金は数十億円持っている)で、土日に区内を歩いて投資物件を探し、購入後しばらくしてから転売する人がいますが、こういう人はお金もあるし、特別な嗅覚を持っているのでしょう。お金も、才能もない人は、まじめに働きながら、長期・分散・低コストで投資するのが一番でしょう。