2010年の投資金額を100とする指数で、現在は235になりました。資産運用益は港区白金台の77㎡新築マンション相当額です。
資産運用益の手取りは8割
資産運用益は税引き前ですから、所得税・住民税を払うとこのマンションを購入できるわけではありません。さらに、管理費、修繕積立金なども毎月5万円以上ですし、加えて固定資産税もかかりますから、マンションを購入するのはなかなか骨の折れることです。
昔は社宅、今は低コストインデックスファンド
私は平成の前半まで社宅を利用していましたから、今の人と比べると住居費という面では恵まれていました。しかし、現在のような低コストインデックスファンドや内外のETFが存在していませんでしたから、すべてうまくいくというのは難しいのです。
住宅購入の頭金かインデックスファンド運用か?
最近、「これから住宅を購入するとした場合、今持っているお金を低コストインデックスファンドで運用を続け、ほぼ全額を住宅ローンで組むのと、低コストインデックスファンドを売却してできるだけ住宅ローンを多く利用するのとどちらが良いか?」という質問を受けました。それに対し、「一般的には借金をできるだけ減らした方が良いと言われているが、インデックスファンドのリターンが6%程度だと想定すると、現在の固定金利は1.5%と、極めて金利が低いので、大きな変化がなければ、インデックスファンドは続けた方が良いかも知れなません。変動金利が0.5%だとすると1%の差になります。この1%をどう考えるかという問題ですが、インフレリスクを無視して1%安い変動金利を選ぶよりは、1%は保険料だと考えて、保険を掛けるかという問題です。今は超低金利ですから、変動金利と固定金利の差が1%で済んでいますが、もし通常の金利であれば、2%、3%の差がついていたでしょうから、1%しか違わない現在は固定金利を選ぶ良いチャンスだと思います。結論は、自分でよく考えて納得できる結論を得ることです。」と、言いましたが、答えにはなっていません。
金利は固定金利
将来のことは誰にもわかりませんから、このような大事な問題は、自分で決めるしかないのです。ただし、「金利は固定金利にしなければいけない。日本政府も、日本銀行も、インフレ率を2%にし、できればそれ以上のオーバーシュートさせたいと言っているのだから、変動金利は極めて危険。」と言っておきました。不動産の仲介業者は、「変動金利と固定金利を組み合わせて、金利を低くする方法もある。」と言って、現在の見掛け上の毎月返済額を低く見せようと躍起ですが、それは仲介業者の都合の良い言い分ですから、真に受けてはいけません。仲介業者は、今売って3%の手数料が入れば、その後に破産して、物件が競売にかかろうが、住宅ローンを支払えなくて任意売却になろうが、知ったこっちゃないのです。それどころか任意売却なら、再び仲介手数料の3%を手にすることができるのです。6,000万円の物件なら180万円、8,000万円の物件なら240万円の儲けになります。こんなに儲かるから私の住んでいる町の駅周辺には40社以上も不動産業者が林立(乱立?)しているのでしょう。
借り換えなら部屋の大きさは自由に選べる
住宅というものは、お金がかかる割には自由自在に対応することが難しいものです。ETFやインデックスファンドなら、好きな時に好きな金額を売ったり、買ったりできますが、住宅はそうはいきません。私の場合、新婚時代は44㎡、子供が生まれた時は70㎡、子供が成長してきた頃には90㎡の集合住宅に住んでいました。そこまでは、子供の出産、成長に合わせて賃貸住宅を借り換えてきたのですが、子供が中学生、高校生の時に購入したマイホームには、もう既に独立してしまった子供たちは住んでいません。その結果、かなり無駄なスペースができてしまいました。欧米のように中古住宅の流通市場が充実していれば、もう少しコンパクトな住居に住み替えることも可能ですが、日本の場合にはそのような流通市場がありません。また、家を残しておくと固定資産税があまりかからないという事情も重なって、空き家が増え、最新の2018年の調査では、全国の総住宅数約6240万戸のうち約849万戸、実に13.6%が空き家とされています。人口が集中している東京都でも、総住宅数約767万戸のうち、10%を超える80万戸以上が空き家だそうです。
川の氾濫
家を買うときに重要なポイントは川の問題です。最近は毎年のように全国どこかで川が氾濫しますが、東京でも私の身の回りに洪水にあった人はたくさんいます。
東京は東も西も川が氾濫する
2019年に東京都江戸川区のハザードマップに「ここにいてはダメです」の文言が書き込まれました。例えば、「東京西部方面の浸水の外へ」とありますが、西の方に行けば大丈夫なのでしょうか。そうではありません。杉並区の神田川や妙正寺川は反乱を繰り返しています。大橋巨泉は、1956年に結婚して妙正寺川のそばに新居を構えましたが、すぐに床上浸水になり、壁に黒い線ができました。当時の便所は汲み取り式ですから、人糞が黒い線になったのです。1981年には目黒川、神田川が氾濫しました。家だけでなく、商品も自動販売機も大損害を被りました。2005年には妙正寺川が氾濫したものの、神田川・環状七号線地下調節池(神田川・善福寺川・妙正寺川)の完成で、その後の大雨に被害を免れました。しかし、これからも被害は出ないかというと全くそのようなことは無く、「今回は雨の量がたまたま少なかったから氾濫しなかっただけで、もっと多量の雨が降れば、氾濫する。」と専門家が話していました。調節池のような人工物で逃れられる自然災害はたかが知れていて、自然が作った丘のように、より高い標高のところに住む方が良さそうです。
ニューヨークのハリケーン
最近ニューヨークでもハリケーンのアイダが上陸して数十人が死亡しましたが、トイレから、下水が逆流する映像がテレビで放送されました。人糞の黒い線は日本だけでなくニューヨークでも発生するのです。