「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2023」が発表されました。
1位 eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー):三菱UFJ国際
2位 <購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド:ニッセイ
3位 eMAXIS Slim米国株式(S&P500):三菱UFJ国際
4位 VANGUARD TOTAL WORLD STOCK ETF (VT):バンガード
5位 eMAXIS Slim全世界株式(除く日本):三菱UFJ国際
6位 eMAXIS Slim先進国株式インデックス:三菱UFJ国際
7位 結い 2101:鎌倉投信
8位 たわらノーロード 先進国株式:アセットマネジメント One
9位 eMAXIS Slimバランス(8資産均等型):三菱UFJ国際
10位 ひふみ投信:レオス・キャピタルワークス
11位 農林中金<パートナーズ>長期厳選投資 おおぶね
11位 楽天・全米株式インデックス・ファンド:楽天
13位 はじめてのNISA・全世界株式インデックス(オール・カントリー):野村
14位 セゾン・グローバルバランスファンド:セゾン投信
15位 SOMPO123 先進国株式:SOMPO アセットマネジメント
16位 コモンズ30 ファンド:コモンズ投信
17位 楽天・全世界株式インデックス・ファンド:楽天
18位 楽天・インデックス・バランス・ファンド(均等型):楽天
19位 <購入・換金手数料なし>ニッセイNASDAQ100インデックスファンド:ニッセイ
20位 SBI・V・米国増配株式インデックス・ファンド:SBI
この結果について、検討します。
◆「eMAXIS Slim」シリーズが20位までで6銘柄あり、とても人気があります。その主な理由は以下の通りです。
- 低コストである。SBI証券のSBI・Vシリーズ、<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンドの<購入・換金手数料なし>と並んで、低コストの代表的銘柄が並んでいます。このシリーズは「業界最低水準の運用コストを目指し続けます」と公表しています。
運用コスト引き下げの例:信託報酬率(税込)の引き下げ実績(イメージ図)(年率)
- 品揃えが豊富である。
- ニッセイ、SBIと低コスト化を競ったので、注目度が高い。
- 三菱銀行など多くの販路で購入できる(オンライン)ので、購入しやすい。
- ブロガーミーティングを実施した。
- 会社の方針が徹底している。
◆ベスト10に唯一のETFであるVANGUARD TOTAL WORLD STOCK ETF (VT)が入っています。日本人は全世界(オールカントリー)銘柄が好きなようです。
◆昨年、アクティブ・ファンドが6位から10位までに4銘柄入りましたが、結い2101以外は順位を下げ、ベスト10から姿を消しました。
- セゾン・グローバルバランスファンド: 信託報酬0.58 % 6位⇒14位
- ひふみ投信: 信託報酬1.078% 7位⇒10位
- 結い 2101: 信託報酬1.1% 9位⇒7位
- 農林中金パートナーズ長期厳選投資おおぶね: 信託報酬0.99% 10位⇒11位
これらの銘柄のうち、結い 2101は、2011年に第2位になったこともあります。しかし、最近はインデックスファンドによる低コスト競争が激しいので、厳しい状況に置かれています。
◆ETFが少ない。ETFは、4位のVANGUARD TOTAL WORLD STOCK ETF (VT)だけです。その理由を考えてみます。
- 投信ブロガーは比較的若い年代が多く、まとまったお金を保有せず、毎月コツコツと積み立てるパターンが多いと思われます。一方でETFは百万円単位のまとまった金額での取引が多いので、ETFは上位に食い込めないのかも知れません。
- 投資信託は1円単位の金額で買えますが、株式ETFは口数で買うことになり、ETF価格や為替が変動するので、買いにくい。特に外国株式ETFは夜間に買うことになるので、難しい
- 分配金について、投資信託は自動的に再投資することができますが、ETFはその選択肢がなく、強制的に受け取ることになります。それをある程度貯まったところで、再投資するのは手間です。ただし、その分配金で、リバランスをしようとする場合にはメリットかも知れません。
- 分配金を受け取る時には、所得税を支払わなければならず、複利の効果を最大限に生かすことはできません。
- 日本国籍の投資信託は、外国税額控除が自動で行われるのですが、外国株式ETFは自分で確定申告する必要があります。しこもこの入力は、非常に難しく、税務署職員に入力を依頼するのですが、それでも、過去4年間で3回間違っていました。プロが間違えるような複雑な手続きを素人ができるはずはありません。国税庁には、できるだけ早く、日本国籍の投資信託と同様に、自動的に行ってほしいものです。