危険!近づくな! 金融機関と金融商品 1

最近は、かんぽ不正問題や、外貨建保険のクレームが多発しているというニュースが頻発しています。一方で、イデコやつみたてNISAは良い制度なので積極的に利用した方が良いという話も聞きます。しかし、いざ金融商品と金融機関を選ぶとなると迷うことになるという人が多いのが現実です。そこで、今回は、主な金融商品、金融機関について、何が良いのかを考えてみようと思います。このブログでは、金融機関の種類・金融商品の種類ごとの大まかな傾向しかお示しできませんので、最終的にはご自身でお調べください。消費者にとって優良な商品・金融機関を緑の1、危険度が増すにつれて、黄色の2、橙の3、赤の4、紫の5に色分けしました。

1.つみたてNISA、イデコ、DC

この3つの制度の金融商品については、金融庁等の強力な指導があるため、優良な商品があります。なお、イデコは個人型確定拠出年金です。一般的にDCは確定拠出年金のことで、企業型と個人額の両方を含みますが、ここでは個人型以外の確定拠出年金、つまり、企業型確定拠出年金の意味で使っています。

① 経費0.1%程度の株式インデックスファンド:評価は緑の1としました。

具体的商品としては以下のもの等があります。

  • SBI・全世界株式インデックス・ファンド(愛称:雪だるま(全世界株式))(経費:年率0.0682%(税込))
  • <購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド(経費:年率0.10989%(税込))
  •  三菱UFJ国際投信・eMAXIS Slim 先進国株式インデックス(経費:年率0.10989%(税込))

SBIの商品は、2019年9月に大幅な引き下げを実施しました。

ニッセイの商品は、SBI証券、楽天証券等ネット証券で取り扱っています。ソニー銀行等一部の銀行、対面証券でも取り扱っていますが、野村證券、三菱UFJ銀行等では扱っていません。

三菱UFJ国際投信の商品は、三菱UFJ銀行でも扱っていますが、インターネット専用です。

経費0.1%程度の株式インデックスファンドは、外国株式だけで日本株式は入って来ません。

② 経費0.2%以下の株式インデックスファンド:評価は黄の2としました。

既にSBI証券や楽天証券等ネット証券に証券口座を持っていいる人であれば、①の金融商品を選べばよいのですが、ネット証券口座を新たに開く気がない、あるいは、DC(企業型確定拠出年金)最低の信託報酬でも0.1%台半ばの商品しかないような場合には、その商品を利用することもありうると思います。しかし、今まで証券口座を持っていなくて新たに口座開設をするような人は、ネット証券で①の商品を利用する方が良いと思います。私の20歳代の子供にもSBI証券の口座を開設させて、<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンドを、つみたてNISAで積み立てています。

③ 経費0.2%を上回る株式インデックスファンド:評価は紫の5です。

「0.2%を上回る」という条件は、広すぎるという問題と、厳しすぎるという問題があります。2年前であればこの数字が「0.3%を上回る」とすればよかったでしょうが、その後各社が経費削減を進めてきたので、0.3%では緩すぎるように思います。また。現在0.2%をわずかに超えている商品も、近い将来0.2%以下になることを期待して、この水準にしました。

たとえば野村DC外国株式インデックスファンド・MSCI-KOKUSAIは、2019年6月18日、信託報酬を0.22%から0.14% に引き下げました。このようなトレンドに逆らって、0.2%を上回る信託報酬を維持するファンドは問題だと思います。

④ 経費0.2%以下の債券・バランスファンド等インデックスファンド:評価は橙の3です。

具体的商品としては以下のもの等があります。

  • 国内債券 eMAXIS Slim国内債券インデックス  -(経費:年率0.13200%(税込))
  • 国内株式 eMAXIS Slim国内株式(TOPIX)  (経費:年率0.15400%(税込))
  • 国内株式 <購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンド (経費:年率  0.15400%(税込))
  • 外国債券(先進国eMAXIS Slim先進国債券インデックス (経費:年率0.15400% (税込))
  • 複合資産 eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)(経費:年率0.15400%(税込))

0.2%以下の商品は、債券、国内株式、バランス型があります。

投資対象 運用商品名 信託報酬
エマージング株式 eMAXIS Slim新興国株式インデックス 0.2079%
エマージング債券 iFree 新興国債券インデックス 0.2420%
外国株式(先進国) iFree NYダウ・インデックス 0.2475%
外国株式(先進国) EXE-iグローバル中小型株式ファンド 0.2530%
REIT <購入・換金手数料なし>ニッセイJリートインデックスファンド 0.2750%
外国債券(先進国) インデックスファンド海外債券ヘッジあり(DC専用) 0.2860%
REIT 三井住友・DC外国リートインデックスファンド 0.2970%
外国株式(先進国) インデックスファンド海外株式ヘッジあり(DC専用) 0.3080%
複合資産 セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド 0.5060%
その他 三菱UFJ純金ファンド(ファインゴールド) 0.5500%

⑤ 経費0.2%超の債券・バランスファンド等インデックスファンド:

評価は赤の4です。評価が低い理由は④で述べた通りです。それに加えてコストが高いので、1段階評価が悪くなりました。

⑥ アクティブファンド

アクティブファンドは、信託報酬が高いので選ぶべきでは有りません。例えば野村證券のイデコの金融商品は次の通りです。

投資対象 運用商品名 信託報酬
複合資産 野村DC運用戦略ファンド(マイルド)(ネクスト10マイルド) 0.660%
国内株式 ひふみ年金 0.836%
複合資産 野村DC運用戦略ファンド(ネクスト10) 0.880%
REIT 野村J-REITファンド(確定拠出年金向け) 1.045%
外国債券(先進国) 野村DC・PIMCO・世界インカム戦略ファンド(為替ヘッジあり) 1.100%
国内株式 リサーチ・アクティブ・オープン(確定拠出年金向け) 1.122%
外国株式(先進国) キャピタル世界株式ファンド(DC年金用) 1.562%
外国株式(先進国) フィデリティ・グローバル・エクイティ・オープンB(為替ヘッジなし)(確定拠出年金向け) 1.738%

インデックスファンドの信託報酬(経費)に比べて、約10倍です。年率1%の差があれば、10年で10%、30年で35%の差がつきます。一方で、アクティブにしたからと言って、高いリターンを期待できるわけでは有りません。それは、ウォーレンバフェットが証明してくれました。

ウォーレンバフェットの賭け:ヘッジファンドはインデックスファンドに全敗

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