家賃の重み
私の子供が家の購入を考え始めたようです。現在は夫婦二人で賃貸に住んでいますが、年間百数十万円を払い続けるのがもったいないと思いだしたようです。
お金のことを考え始める
子供には、今年に入ってから、証券会社に口座を作って、イデコ、つみたてNISA、課税される投信積立を勧めてきたので、少しずつお金のことを考え始めたのかも知れません。しかし、実態はまだ証券口座を作っていません。
証券口座開設のハードル
昔は、貯蓄と言えば財形貯蓄で、会社に出入りしていた保険のおばさんが、親切に教えてくれていましたが、今はネットでの処理なので、なかなか重い腰が上がらないようです。
私のアドバイス
私が、詳しいことまでいちいち説明しても、本人がやらないのでは、少しも先に進みません。私のアドバイスは以下の通りです。
- SBI証券に口座を作る
- 勤務している会社の確定拠出年金を確認してイデコiDeCoを申し込む
- つみたてNISAを申し込む
- 課税される投信積立を申し込む
- 投資信託は<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンドにする
- それらの積立額合計に応じた銀行引き落としを設定する
- 参考書は、「難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください! 」(山崎元著)を渡しています。
最初のハードル
子供の最初のハードルはSBI証券の口座開設でした。少し迷ったのは、住信SBIネット銀行とTポイントの利用ですが、両方利用することに決めたそうです。しかし、ネットの申し込みでもマイナンバーカードの写しを送る必要があり、結局、まずはマイナンバーカードの申し込みをして、マイナンバーカードを受け取る2か月後に、再申請することになりました。
子供の相談にのれるように私も住宅を勉強
子供は、家についても真剣に考え始めたようですから、私も現在の住宅事情を勉強しておきたいと思います。その前に、私が住宅購入経験談をまとめておきたいと思います。
オイルショックと資産バブル
私が就職したのは1970年代後半で、第1次オイルショックと第2次オイルショックの間でした。この2回のオイルショックをうまく乗り越えた日本人は、ジャパン・アズ・ナンバー・ワンなどとおだてられ、自分たちものぼせ上って、バブルに突入していく時期です。
東京の地価は10年で5倍
1980年代は土地の価格がどんどん上がり、資金の有り余っていた銀行も、資産家には土地を担保に資金を貸し出しました。その資産家は、借りた資金でさらに土地を買いました。その結果、東京の地価は、10年足らずで5倍にもなりました。
年収の5倍の家は山梨県
この頃30歳代前半の私は、これでは東京に家を持つのは無理だなとあきらめていました。一般的に、住宅価格は年収の5倍が限度と言われていますが、その頃には一般的なサラリーマンは、山梨県にしか家を持てない計算になっていました。通勤時間は片道2時間以上かかります。私の知り合いにも、その頃に住宅を購入して、その後土地バブルが落ち着いてから、後悔している人も結構います。私の連れ合いも、土地だけは買っておいた方が良いのではないかと、何回か私に土地購入の話を持ち掛けたこともありました。その後、2000年には、地価がバブル前の水準に近づいてきました。
社宅に住み続ける
私の勤めている会社は社宅が充実していたので、高値掴みをせずに社宅に住み続け、地価が底値になった2004年に土地を購入しました。
5千万円を投資すれば、16年後に2億円
土地自体は安く買うことができましたが、今から振り返って考えると、当時家を購入した方が良かったか、あるいはそのお金をSPY(アメリカSPDRのS&P500のETF)で運用した方が良いかは難しいところです。SPYで16年間運用すると4倍になりますから、5千万円を投資すれば、2億円になっています。しかし、全額を外国株式ETFに投資するのは無謀でしょうから、もうすこし少ない額を投資する方法あったかもしれません。今は自宅を保有しているので、思い切って金融資産の大部分をETFで運用しています。
様々な要素から、賃貸と購入を考えてみましょう
住宅ローン返済
住所に関して最大の問題は、大金であることでしょう。このため、通常の場合は住宅ローンを組むことになります。今は70歳、80歳までかけて返済する方法もありますが、あまり無理はしたくないと思うのが普通の感覚です。特に、今回の新型コロナウイルスの影響で、収入が激減したり、失業したりすることもあるので、切実な問題です。そして、変動ローンと固定ローンの選択については、慎重に考えるべき問題です。金利は現在最低水準まで低下していますから、固定ローンでも十分恵まれた条件だということを認識したいレベルです。
通勤時間
購入した場合は、通勤時間が長くなるようです。私の数人の知人で神奈川県に住宅を購入した人が、失敗談をよく語っていました。具体的には以下の通りです。
- 東急田園都市線は名前が良くて人気があるので、土地の値段が高く、電車が混むから通勤で疲れる。買ったのは失敗だった。
- 電車に乗る時間が短くて、そこからバスで通う通うを選んだら、最終バスの時刻が早くて、タクシー代が嵩んだ。東京から遠くても駅まで歩けるところに買えば良かった。
- バブルの頃に買った家は、現在土地代が下がってる。今その安い土地の中古住宅を買っている人は、昔高い値段で買った俺のことを馬鹿だと思ってるだろうな、と後悔している。
- 駅からは少し遠いが、高台の景色の良いところに1億円以上の住宅を購入した。夫が亡くなり、子供が巣立ち、残された妻は足が悪くなり、一人暮らしで買い物もままならない。
転勤リスク・海外転勤
会社員に転勤はつきものです。住宅を購入すると、想定以上にコストがかかるかもしれません。
学校・家族の思い出作り
住宅は、経済的観点だけで決められるものではなく、子供の教育・通う学校も関係してきます。また、家族の思い出作りにも影響します。
<明日に続く>