今日のグラフ:日米の最大ETFが3分の1ずつを占める。
日本で最大のETF1306(TOPIX連動型上場投資信託のETF)が特定39%、NISA2%で合計31%を占めました。米国最大のSPY(アメリカSPDRのS&P 500の ETF)が32%、VOO(アメリカのバンガード社のS&P 500の ETF)が3%で合計35%がS&P500です。1306(TOPIX連動型上場投資信託のETF)は10月に急騰しましたが、11月も多少伸びています。
財形年金、DBは年金受給を始めていますので、毎年11月に1年分をまとめて資産から減らしています。ただし、どちらも年間で数十万円なので、円グラフの数字上は変化がありません。あと数年すると、財形年金は受給を終えてなくなります。
現在DCは全額を日本株式で運用しています。その理由は、管理費用が株式の中で最も安かったからです。最も安いといっても、0.594%ですから、今の感覚では高い方です。しかし、15年ほど前は、安いという水準でした。まだ、アメリカ並みにはなっていませんが、日本でも、20年前、30年前に比べて投資信託の信託報酬は確実に低くなっています。
今日のテーマ:DCの運用投資信託
DC運用商品の9割が銀行預金
以前勤めていた会社でDC(Defined Contribution Plan:確定拠出年金)を導入したときに、全社員の選んだ運用商品は9割が銀行預金でした。銀行預金の利子はほぼゼロですから、これは運用ではなく、タンス預金と同じです。ところが、この9割という数字は、この会社だけでなく、他の会社でも軒並み同じだと幹事金融機関の担当者が言っていました。
金融商品の危険度合い
金融商品には様々なものがありますが、どれが危険で、どれが安全(安全と言っても、リターンに見合ったリスクなど、人によって評価は変わると思いますが。)かわかりません。このため、多くの人が、銀行預金以外の商品に懐疑的になるのかも知れません。主な商品について危険度合いを考えてみたいと思います。
① 銀行預金
ペイオフの範囲内であれば、元本は保証されますが、現在、リターンはほぼゼロです。逆に最もリスクが高いのはこの商品自体ではなく、この商品を取り巻く経済状況がインフレになることだと思います。
② ETF
株と同じように相場で変動するが十分な分散ができることと、個別株式と違って価格がゼロになることがないという特徴があります。リターンとリスクは個別株式ほど激しくなく、信託報酬のコストは以前と違って、最近はほとんどゼロに近い水準まで下がってきました。
③ 個別株式
ETFと同じように、相場で変動しますが十分な分散ができないことと、ETFと違って価格がゼロになることがあります。リターン・リスクはETFより激しく、信託報酬は完全なゼロです。一方で、ETFに比べて一回当たりの購入金額が低くなるので、販売手数料が割高になる可能性があります。私は基本的に個別株式を持つつもりは有りませんが、個別株式の売買を楽しみとする人もいると思います。
④ 投資信託
ETFよりも信託報酬が以前は高かったのですが、最近ではかなり低く抑えれてきて、ETFに対するデメリットではなくなってきました。しかし、すべての投資信託の信託報酬が安くなったわけではありませんから注意が必要です。つみたてNISAの対象商品であれば、コストが低いので、つみたてNISA以外の積み立てにも使いたいものがあります。信託報酬が高いものは、それだけで投資の対象にならないと考えるべきだと思います。私の場合、金融商品を選ぶ基準が、規模と信託報酬なのですが、それが一目瞭然でないことに不満を持っています。一般の商品で考えますと、八百屋で野菜を買う時には、生産地を表示しなければなりません。探せばどこかに書いてあるというのではなく、商品名と同じくらい大きな字で、わかりやすく表示してほしいと思います。
⑤グロソブ、外貨建て特殊養老保険など
金融商品の中には要注意の商品があるとのことですが、資産の規模や名前で判断できないものがあるらしいので勉強を重ねる必要があると思います。
このように見ていくと、リスクが少なく、自分に適した金融商品についての知識を十分に取得するには、結構努力が必要だと思います。従って、投資についてかなりよく知っている人以外が ① 銀行預金 を選んでしまうのことは、やむを得ない面もあるかもしれないと思います。
④ 投資信託 については、2018年から始まるつみたてNISAに関連して、金融庁が実質的に商品を絞り込んでくれたので、少し選びやすくなったと思います。
② ETF については、そのような絞り込みが行われていないので、資産運用の知識があまりない人でも、ある程度安心して買えるようになることが望まれます。その結果、一般の人が銀行預金以外の運用商品を利用するようになるのではないかと思います。
私なら、シンプル・イズ・ベストという方針のもとで、1306(TOPIX連動型上場投資信託)とSPY(アメリカSPDRのS&P 500の ETF)を同額ずつ野村証券で購入して10年間は放っておきます。資産分散をさらに進めるなら、VGKとVWOを合計でSPYと同額買います。このやり方なら、株価の変動リスクはありますが、長期で見れば良好な結果を期待できますし、何より危険な商品に手を出さずに済むと思います。