野村證券からつみたてNISAの交付運用報告書が届きました。交付運用報告書は、運用報告書に記載すべき事項のうち重要なものを記載した書面です。
野村つみたて外国株投信のWebページを見ると。次のPDFが並んでいます。
- 交付運用報告書
- 運用報告書(全体版)
- 交付目論見書
- 最新月次レポート
- 請求目論見書
交付運用報告書は16ページですが、運用報告書は138ページですから大部になります。私は通常、最新月次レポートを見るだけで、他の資料は見ません。
今回は交付運用報告書について勉強したいと思います。
「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year」の第4位
最初に、「野村つみたて外国株投信」について説明します。この投資信託は、2018年に1月に「つみたてNISA」がスタートされるのに合わせて、野村證券から発売された商品です。運用管理費用(信託報酬)が税抜で年0.19%と低コストなので、当時は高い評価を得ました。2017年の「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year」の第4位にランクインされました。野村、大和と言った対面証券の投資信託が投信ブロガーから高い評価を得ることは極めてまれなことだと思います。当時の意見は以下の通りです。
(2018年1月のブログ)
- 最安コストへの挑戦を野村がすることによって他社に与えるイメージが全く違う。
- 先進国/新興国を混ぜても他に見ない低コスト、そして巨大なマザーファンド。
- 先進国と新興国の株式に0.19%の信託報酬で投資できるのは非常に魅力。新規設定だがマザーファンドもしっかりしているのでその点もポイント高し。
- 先進国と新興国の株式に1本で投資でき、かつ低コストだから。現在の積み立ての主力に置いています。
- 長期、分散、低コストの投資の原則を満たすファンドだから。
- 抜群の超低コストと乖離率の低さ。新興国株を含むのに先進国株100%と同額という心意気に惚れました。
- 野村証券の本気を皆で感じよう!
- 先進国株式と新興国株式に1本で投資できるファンドを信託報酬0.19%(税抜)で出したのは、立派。少々、逆説的ですが、野村アセットのつみたてNISAに対する姿勢が、大手証券系にありがちな、適当にお茶を濁そうというものじゃなかったことにびっくりしました。
- ガリバー野村が本気を出した?
- このような商品が出るのを待ち望んでいました。まだ実績が無くファンドとして未知数ですが、今後の成長に強く期待しています。
2018年は第12位に後退
この投資信託は、翌年2018年の「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year」では、第12位に後退しました。その理由は、他のファンドが低コスト化を進めたので、コスト面の優位性が消失したためと考えられます。
若い人は野村證券から離れ、ネット証券へ
また、このファンドは、通常の課税口座での積み立てはできませんから、「つみたてNISA」のみでの利用ということになります。若い人を中心に「長期・分散・積立・低コスト」という投資方針が有力とされていますが、iDeCoとつみたてNISAでしか利用できないファンドは、使い勝手が悪く、証券口座は野村證券ではなく、SBI証券などのネット証券に開設することが勧められます。