ハーバード大学基金は4兆円
ハーバード大学には基金があり4兆円を運用しています。そのポートフォリオは次の円グラフの通りです。日本では慶応大学が500億円、早稲田大学が300億円、東京大学が100億円程度だそうです。ちなみに、ハーバード大学出身者のオリンピック金メダリストの数は、日本人のオリンピック金メダリストの数を上回る、と鈴木大地スポーツ庁長官が言っていました。
分散投資
様々な資産に分散して投資しています。米国株は10.5%ですが、それ以外にPEファンドやヘッジファンドにも含まれると考えられます。PEファンドとは、プライベート・エクイティ・ファンド( private equity fund)で、複数の機関投資家や個人投資家から集めた資金を基に事業会社や金融機関の未公開株を取得し、同時にその企業の経営に深く関与して「企業価値を高めた後に売却」することで高いIRR(内部収益率)を獲得することを目的とした投資ファンドです。他には、新興国株式11.5%、不動産14.5%、商品10.0%など、幅広く投資しています。
個人は長期投資が強み
私の場合には米国株式のETFに4割以上投資しているポートフォリオに比べると、投資効率より安定性に重点を置いていると思われます。大学の基金は個人資産と異なり、毎年毎年安定した投資成績が強く意識されているのだと思います。私は自分の資産をどのように運用しようとも基本的に文句を言う人はいないのです。基本的にというのは、私の連れ合いが場合によっては文句を言うかもしれません。しかし現在は運用成績が良く、元本の2倍近くになりましたので、文句を言われる可能性は極めて小さくなりました。今後、リーマンショックのようなことが起きても、10年の期間我慢すれば回復し、かなりの好成績を期待できると思います。
他人のお金は安定が優先
一方、大学の基金は、10年間も評価期間をとることはできません。1年、2年ではマイナス運用になることもあり得ますが、その時にはプラスの評価益は実現できなくても、ダウ指数やS&P500指数を上回っていれば、ある程度は評価してもらえるだろうと思います。マイナスを小さくするためには、資産の分類を幅広く取る必要があるため、債券だけでなく、商品、不動産などにも幅広く投資する必要があります。
株式のウェイトが下がるとリターンも減る
人のお金を運用する場合には制約が大きいため、資産分散を強めなければならないのでしょう。株のウェイトが小さくなると、リターンも下がることになります。最近10年間の米国株式の年平均リターンが約15%なのに対し、当基金の年平均リターンは約10%しかありません。10%という水準は通常であればかなり高水準ですが、10年前は、ちょうどリーマンショック直後で、株式相場が底にあったので、そこを起点とした10%であれば、「しか」なかったという言い方が妥当と思います。
個人の長期投資は世界の株式投資信託
自分のお金を、誰からも文句を言われずに、10年、20年という長期で運用できるのであれば、私や連れ合いのように、日米、世界の株式投資信託を買って持ち続けるのが良いと思います。