厚生労働大臣から国民年金・厚生年金保険の年金決定通知書が届きました。今までは年金定期便で概算が届いていましたが、65歳になったので正式な金額が計算されて送られました。
合計年金額は約280万円です。その内訳(概算)は以下の通りです。
(A)厚生年金額 160万円
加給年金額 40万円
(B) 国民年金額 80万円 (内訳 基礎年金79万円 付加年金1万円)
この年金計算の基礎は以下の通りです。
A.厚生年金:年金の計算の基礎となった平均標準報酬額等の内訳
ア.平成15年3月までの期間 290月 平均標準報酬月額 46万円
イ.平成15年4月以降の期間 140月 平均標準報酬額 73万円
B.国民年金(基礎年金)
第1号期間(国民年金加入期間) 納付 52月 (付加) 52月
第2号期間(厚生年金・共済等加入期間) 430月
年金通知書の内容は以下の通りですが、それらについて補足説明をします。
① 厚生年金加入期間
私は24歳で就職して60歳まで勤め、その後5年間パートタイマーとして働きました。パートタイマー時代は、特別支給の老齢厚生年金を受け取る一方で、厚生年金には加入せず、国民年金を4年分納付して40年分の納付済み期間を達成しました。
② 厚生年金と共済年金
私は厚生年金に加入する前、共済年金に加入している期間がありました。共済年金時代の掛け金は厚生年金に引き継がれたことになっていますが、毎月の掛け金を見ると、でたらめとしか思えないような金額が並んでいました。2007年に「年金記録問題」が発生しましたが、私も自分の年金記録を見て年金事務所に苦情を言いました。しかし、年金事務所は「それなら、給与明細書など、証拠となる資料を提出してくれ」と言われました。古い給与明細書など持っているわけもなく、結局はそのままになってしまいました。
③ 共済について
日本の公的年金制度は、1960年代には、国民皆年金といった現在の基本的な枠組みが整い、老後生活の柱として定着していますが、急速な少子・高齢化といった人口構成の大きな変化や非正規労働者の増大など、その基盤となる社会経済情勢に大きな変化が生じていることから、政府において公的年金制度の在り方についての議論が従来から行われていました。
そして、平成9年4月には、国家公務員共済年金制度が適用されていた、いわゆる旧3公社(現在のJR、JT、NTT)の厚生年金への統一が行われ、その後、平成14年4月には農林漁業団体職員共済年金制度の厚生年金への統一が行われました。
平成27年10月1日から国家公務員共済組合、厚生年金、地方公務員等共済組合、私立学校教職員共済の4つに分かれて運営されている被用者年金制度を厚生年金に統一し、公務員や私学教職員も厚生年金に加入することとされました。
④ 「平均標準報酬月額」と「平均標準報酬額」の違い
・平成15年3月までは基本的には月々の給与(「標準報酬月額」といいます)からのみ厚生年金の保険料が引かれていました
・平成15年4月からは月々の給与に加え賞与からも厚生年金保険料が引かれるようになりましたので賞与の額も入れて「標準報酬額」となりました。
平成15年に総報酬制が導入されたのです。普通の会社は、夏と冬に賞与を受け取りますが、それ以外に3月に受け取る会社も有ります。また、毎月の給与を少なくしてボーナスのウエイトを高くする会社も有ります。そうすると毎月の給与だけで社会保険料を決める方法は不公平だという問題がありました。そこで平成15年に総報酬制が導入されたのです。
⑤ 加給年金と振替加算
加給年金
厚生年金保険の被保険者期間が20年以上ある人が、65歳到達時点で、その人に生計を維持されている65歳未満の配偶者や18歳以下の子がいるときに加算されます。
- 配偶者 224,500円
- 1人目・2人目の子 各224,500円
- 3人目以降の子 各74,800円
振替加算
夫(妻)が受けている老齢厚生年金に加算されている加給年金額の対象者になっている妻(夫)が65歳になると、それまで夫(妻)に支給されていた加給年金額が打ち切られます。このとき妻(夫)が老齢基礎年金を受けられる場合には、妻(夫)自身の老齢基礎年金の額に加算がされます。これを振替加算といいます。
配偶者の生年月日 昭和32年4月2日~昭和33年4月1日 38,839円/年
⑥ 付加年金
国民年金第1号被保険者ならびに任意加入被保険者は、定額保険料に付加保険料を上乗せして納めることで、受給する年金額を増やせます。
付加保険料の月額 400円
付加年金額は、「200円×付加保険料納付月数」です。例えば、20歳から60歳までの40年間、付加保険料を納めていた場合の年金額は次のとおりとなります。
200円 × 480月(40年) = 96,000円
付加保険料を納めた分は、2年間でモトが取れます!
⑦ 遺族年金
遺族年金には、「遺族基礎年金」「遺族厚生年金」があり、亡くなられた方の年金の納付状況などによって、いずれかまたは両方の年金が支給されます。
私自身は遺族年金を受け取っていませんが、私の親戚は夫が48歳で亡くなり、妻と子供二人が残されましたので、遺族年金を受け取っています。
国民年金の被保険者等であった方が、受給要件を満たしている場合、亡くなられた方によって生計を維持されていた「子のある配偶者」または「子」が、遺族基礎年金を受け取ることができます。
※子とは
- 18歳になった年度の3月31日までの間にある子。
- 20歳未満で、障害等級1級または2級の障害状態にある子。
- 婚姻していないこと。
遺族基礎年金の年金額=780,100円+子の加算
子の加算 第1子・第2子 各 224,500円
第3子以降 各 74,800円
遺族厚生年金の年金額=老齢厚生年金の報酬比例部分の3/4相当額
それ以外に寡婦年金、中高齢寡婦加算、経過的寡婦加算の制度もあります。