アメリカでも、個人投資家は新型コロナ騒動に対してどう対処すべきかを考えているようです。
昨日に続いて、USA TODAY の3月9日の記事をもう一つ
コロナウイルスを恐れて投資ポートフォリオ追加を止めてしまうようなことはしてはいけない
不確実性が増したために、最近数週間、株価の上下動が信じられないほど激しくなり、債券利回りは(歴史的ともいえるような)ひどい下落となりました。しかしながら、伝説的投資家ベン・グラハムのアドバイスを忘れてはいけません:「賢明な投資家は現実主義者で、楽観主義者に売り、悲観主義者から買う。」
その意図するところ:マーケットが今のように壊滅的なときには、投資ポートフォリオに追加することを考えなさい。
グラハムの生徒であるウォーレン・バフェットが次のように言ったことは有名です。
「恐怖が蔓延しているときは安く買えるのだから、投資家にとっては好都合だ。」
その意図するところ:今は現金に働いてもらったり、401(k)の掛け金を増やす良い機会かもしれない。
この件に関して私の考えは一貫しています。弱気相場であったとしても、株価急落後の一時的な反発によって、忍耐強い投資家は好機をつかむことになります。J.P.モルガンの2020退職ガイドによれば、2000年1月3日から2019年12月31日まで、S&P500に1万ドルを投資すると、年率のトータルリターンは6.6%で32,421ドルになります。ベストな日を10日逸しただけで1万ドルの投資は半分の16,180ドルになり、年率平均は2.44%となる。痛いなあ。
(訳者注)ウォーレンバフェットはこのように言っています。
「忍耐強い人から忍耐強くない人に富を移転することに関して、株式市場はとても効率的なメカニズムを有している。」
“The stock market remains an exceptionally efficient mechanism
for the transfer of wealth from the impatient to the patient.”
~ Warren Buffett
現金はコロナウイルスを運ぶか?WHOはキャッシュレスで支払えと言っています。
最近のコラムで、下落に対して401(k)にどう準備するかを議論し、激しい下落に直面した時のしっかりした投資原則について話してきました。米国においてCOVID-19の感染者数が増加するにつれ、株価は売り圧力に直面するかもしれません。ですから、いくつかの事実を確認する良いタイミングです。
マーケットを動かしているのは一体何か
近い将来、株価を動かしているものは何かということは、だれにも分かりません。もし金融関係のニュース・ネットワークに釘付けになっていると、たくさんの有識者がどの瞬間でも、現に取引されている理由を確信をもって説明することに、驚くでしょう。私もそうでした。しかし、短期の株価はコンピュータによる売買プログラムと、電光石火のスピードで出入りする機関投資家の資金によって、影響されていることが分かっています。短期の動きはファンダメンタルズよりは、むしろ資金の流れを反映しているのです。
現在の先を見る
企業の根底にあるファンダメンタルズが、やはり最終的には重要なのです。先導者であるマイクロソフトを考えてみましょう。株価は2月10日に188.70ドルでピークを付けました。総売上高の35%を占めるPC部門売り上げが予想を下回りそうだと2月26日に警戒された後、株価は宝くじの大当たりのロトボールのような動きをしました。この会社の長期ファンダメンタルズは長年にわたって投資家が喜ぶものであり、ファンダメンタルズに焦点が戻ると、株価はそれに応じて取引されるのです。バフェットはかつてこう言いました。「優良な会社が束の間のトラブルに見舞われた場合、その株が売買の遡上にあれば買いたい。」今週末、自分の投資を見直すとき、このことを検討しなさい。
パニックに陥らないようにしなさい
人間の本質は変わらないものです。パニックがパニックを引き起こす。1600年代のオランダチューリップ球根バブルは、史上もっとも有名なバブルの一つですが、とんでもない投機が引き起こすものをとても明確に示しています。熱狂の極みになると、珍しいチューリップ球根は平均的な人間の年間給与の数倍で取引されたのです。冷静に。理性的になるのです。
組み合わせを考えることです
多様化させることはいつでも賢明です。この話題について付け加えられることはあまりありませんが、付け加えるとすれば、リスクを負いたいという気持ちと協調するような、堅実な多様化戦略に従うべきです。株式は二桁下がるかもしれませんが債券は上昇します。これが多様化のポイントです。
常に現金を保有しておくことです
万一に備えるというのは、こういう時にこそ当てはまります。株式が下落した時に現金を保有すると有効です。株式だけでなく現金も保有して、もし債券評価額が目標を上回ったら、債券を減らしてアロケーションが目標通りになるように株式を増加させるのです。グラハムやバフェットなら、それに満足するでしょう。
過去の流行
COVID-19ウイルスの全体の影響についての知見はまだありません。しかし、最近における他の危機において、その後株式はプラスのリターンを生じていることが分かっています。1981年以降、ダウ・ジョーンズ・マーケット・データは12回の疫病を経験していて、6か月後、12か月後に株式のリターンを計測しました。それぞれの疫病で両期間において平均二桁のリターンがあり、マイナスになった期間を記録したのは3回だけでした。
このことを覚えておけば、今から1年後に401(k)の残高は増え、笑顔で振り返るでしょう。