1年で偏差値を20上げる勉強法 2

<昨日の続きです>

数学の問題集はチャート式

私は、数学の勉強作業を赤チャート(数研出版のチャート式数学)でやりました。私の勉強方法は、ノートに書き写すことで完了するので、その後、そのノートを見直すことはしませんでした。ただし、赤チャートには、〇や◎印を付けますから、次回は〇印だけ、その次は◎印だけを解きなおします。チャート式は、問題文のすぐ下に指針やガイドなど、理解のための手掛かりが多いので使いやすいと思います。またレベルも白、黄、青、赤と別れているので自分に合ったレベルを選ぶことができます。

自分に合った問題集のレベル

自分に合ったレベルとは、解けるレベルではなく、問題文と解法を書き写した時に6~7割理解できるレベルです。たとえ、1割しか解けなくても6~7割理解できれば、2回目に解くときには5割、3回目に解くときには7割、4回目には8割解けるようになり、効率が良いのです。1回目に7~8割解けてしまう問題集は効率が悪く、時間の無駄です。できる問題をもう1回解くのは意味がありません。

例題だけで十分

チャート式には例題と練習問題がありますが、例題だけやれば東大合格には十分です。練習問題をやる時間があれば、他の科目の勉強に当てた方が効率的です。経済学でいう限界効用逓減の法則です。

赤本は不要

実は私は赤本と呼ばれる過去問題集を解いたことがありません。赤チャートと、駿台予備学校の模試だけで十分でした。早稲田大学、慶応大学も受けましたが赤本はまったくやらずに、補欠ではなく正規合格しました。

以上、数学の勉強方法をまとめると次の通りです。

① 自分の学力レベルに合った問題集を選ぶ。

② 例題を解く。この時5分考えても解けそうになかったら(解けそうなら10分考えても良い)、解くのを止めて解法を読む。解法が理解できたら、「〇」印を付け、解法部分を隠してもう一度解く。解法が理解できなかったり間違えた場合には、問題文と解法を理解しようとしながら、きれいにノートに書き写す。できなかった例題には「〇」印をつける。書き写したノートは、特に見直す必要はない。(理解できない問題も、2回、3回と書き写していくと、理解できる部分が増えていきます。)

③ 1章分の問題を解き終えたら、「〇」印の問題だけを解く。②と同じように、この時5分考えても解けそうになかったら(解けそうなら10分考えても良い)、解くのを止めて、問題文と解法を理解しようとしながら、きれいにノートに書き写す。例題には「◎」印をつける。

④ 1章分の問題を解き終えたら、「◎」印の問題だけを解く。②と同じように、この時5分考えても解けそうになかったら(解けそうなら10分考えても良い)、解くのを止めて、問題文と正解を理解しようとしながら、きれいにノートに書き写す。例題には「三重丸」印をつける。

⑤ 1章分の問題を解き終えたら、「三重丸」印の問題だけを解く。②と同じように、この時5分考えても解けそうになかったら(解けそうなら10分考えても良い)、解くのを止めて、問題文と正解を理解しようとしながら、きれいにノートに書き写す。

私は以上の勉強しかしませんでしたが、それ以外には、模擬試験問題でできなかった問題などをやっても良いと思います。

和田秀樹の「和田式逆転の受験勉強法」というマンガ本に同じような勉強方法の話が載っています。P70の数学の勉強方法の部分です。

模範答案の清書屋の成績が急上昇

灘高校の数学定期テストの試験範囲は200題以上で、一回の試験で入試レベルの問題を50分で10題というテストです。このテストでよい点を取るには、途中の式も丸暗記するしかないと考えるようになりました。そこで模範答案屋が現れ、優等生のノートを借りて清書し、コピーして販売した。この模範解答屋はどうしようもない劣等生でしたが、数学の実力がメキメキつき、高3の終わりころには灘高でもトップクラスの成績なりました。

「暗記」ではなく「清書」

和田氏は、その理由を「数学に必要なのは解法の暗記だ」と言っているのですが、この漫画を見る限り、大事なことは「暗記」ではなく「清書」つまり「きれいに書き写すこと」ではないかと思います。私は、その場にいたのではないので正しい理由は分かりません。しかし、暗記というのは苦行ですから、「きれいに書き写すこと」の方が一般の受験生には適していると思います。少なくとも私は、それで東大合格点を取ることができました。

現代国語

読んだのは漫画だけ

私は小学生から高校生までほとんど読書をしたことがありませんでした。それでも駿台予備学校の公開模擬試験で2回連続満点をとれたのですから、読書と現代国語の点数との間に相関関係はあまりないと思います。私が小学4年生の時に、担任の教師が、「漫画でも良いから読みなさい。」と言いました。そのころ、少年少女向けの週刊漫画は、少年マガジン、少年サンデー、少年キング、少女フレンド、マーガレットでしたので、それを数人で買って回し読みしました。中学生になると漫画を読まなくなり、読書もしませんでした。高校でもほとんど読書をした記憶がありません。

数学の勉強方法を現代国語に応用

大学受験を控えて現代国語も数学と同じ方法で勉強して効果がありました。同じ方法というのは、問題を解いて間違った場合に、解説を読んだ後、問題文本文と設問をきれいに書き写したのです。問題文本文を書き写すときに気を付けたのは、できるだけ長く覚えてノートに書き写すことです。5文字や10文字ではなく、縦一行をまるごと覚えて書き写す要領です。設問についても、自分がなぜ間違えたのかを考えながら書き写すのです。こうすることによって、出題者の出題意図が分かるようになります。現代国語は、全部書き写すのに時間がかかりますから、1週間に1題か、せいぜい2題にして、他の科目に時間を回した方が効率的です。

東大受験に漢字の勉強は不要

東大に関しては漢字の勉強はしない方が良いと言われています。漢字の配点が低いので、漢字を勉強する時間があれば、他の科目にまわすべきです。

以上が、私の得意科目にすることができた数学と現代国語の勉強方法です。

<物理、化学、英語、古文、漢文、社会については明日説明します。>