市場がボラタイルなときの株と老後貯蓄の扱い 2

<USA TODAYの2020年4月6日の記事の拙訳の続きです。>

資産の組み合わせを見直してリバランスする

どれだけのリスクに耐えられるかを考えるベストな時期は、相場がどんどん下がっている時だ、とサボーは言います。リタイヤ前の人が今見直すべき二つのことは、

  • 夜眠れないほどたくさんの株式を持っているかどうかを確認することと
  • 株式と債券の保有高が当初のプランに沿うようにポートフォリオをリバランスすること

です。

もし、60%株式40%債券のアロケーションだったものが、株価下落によって株式割合が50%に下がったら、リバランスをすることによって恐怖心に対処し、債券を売って株式を買い、60-40に戻るのだ、とサボーは言います。

「あなたの株式ポートフォリオの全部または一部を売却することを真剣に考えているなら、株式へのアロケーションが多すぎたようだ。リタイヤ前に投資アロケーションとリスク限度を修正することが肝要だ。」とサボーは言います。

短期の期待値を下げる

もしリタイヤ後の家や新しい家具などを買おうと計画しているなら、「今は絶好のタイミングでないかもしれない。」とコープランドは言います。もし働き続けられるならリタイヤの延期を考えたり、リタイヤした時の収入に補填できるパートタイムの仕事をすることも考えた方が良いとデューカは付け加えます。あなたがもし62歳なら、社会保障を受け取れる最低年齢ですから、リタイヤ年齢に達する前に、社会保障を申請することによって「給付金減額の利用を考える価値がある」とデューカは言います。しかし、もし給付金を早く受け取ると給付金のかなりの部分を失うことになるので、良い点と悪い点をよく考えることをデューカは勧めます。

もしあなたがリタイヤまで3~5年なら

1929年からの平均的弱気相場期間は20か月で、第2次大戦以降、元の水準に戻るまでの平均期間は24か月でした。その意味するところは、乗り切るまでには、リタイヤまでの時間がもう少しあるということです。

しかし、だからと言って投資家は何もしなくて良いということではありません。やるべきことは以下の通りです。

現金を大事にしなさい

マーケットが荒れたときには常に現金を持っているべきです。相場が下落した時にS&P500の株式に投資しているファンドを売ってはいけません。短期の嵐を乗り切る現金があれば、投資を続け、相場の底近くで売らずに済みます。

もし退出したらいつ戻るのか

規則的に、感情に惑わされるずに、マーケットに戻るプランを考え出しなさい、とホートンは言います。「規則に基づいた手法を取りなさい」と彼は言います。マーケットに戻ってくるスケジュールを作ることです。一定のドルの量を毎月、四半期ごとに買うか、購入を一定の市場レベルに固定するのです。

投資を続ける

もし相場が上昇しているときに、あなたが401(k)に規則正しく積み立ててきたのなら、価格が25%、30%低くなったときにも買い続けることは、より意味があるとウェルズ・ファーゴ・アドバイザースのコープランドは言います。ドルコスト平均法とは、価格が高い時には少ない株数を買い、価格が低い時には多い株数を買うことを意味します。「株が割安の時に買いたいものだ。」とコープランドは言います。

リバランスを忘れずに

株式、債券、現金というポートフォリオの組み合わせを、長期プランに沿ったものにすることはリスクをコントロールする良い方法です。年の初めに、あなたのプランは株式に70%、債券に30%を目指しているとしましょう。そうですね、第1四半期にS&P500が20%下落した後、株式に投資されたお金は60%近くになっているでしょう。現金とポートフォリオの債券の利益を使って、株式のアロケーションを当初のプランに戻すのです。

「リバランスは良い考えだが評価されない点は、『今は投資するのによい時期か?』という疑問を伴うからだ」と、コウビッツ・インヴェストメント・グループのシニア・フィナンシャル・アドバイザーであるブルース・ヴァイニンガーは言う。「こうすることで、安く買って高く売ることになり、ほとんどの投資家がすることの逆になる。」

短期証券で損をすることは気持ちよくないが、もしリタイヤまで10年あるなら、不安を減らせられる。

その理由:

弱気相場で購入した割安の株式のおかげで、損失をカバーし財産を築く時間がたっぷりあるからです。

1987年暴落前のマーケットのピーク、ITバブルの2000年、リーマンショック前の2007年に株式を買ったとしても、マーケットがひどい時であったにもかかわらず、投資金額以上を取り戻していただろうと、ヴァイニンガーは言います。

「1920年代まで遡って株式のチャートを調べて、悲惨な時期を見よう。たとえピーク時に投資をしたとしても20年あればうまくいった。」とヴァイニンガーは言います。

結論:

もしリタイヤまで10年あるなら、投資を続けてポートフォリオを規則的にリバランスすることです。そして、最も大事なことは相場が下落した時に、怖がってマーケットから逃げ出さないようにすることです。なぜなら、そういう時こそ、投資した1ドル1ドルが株式を獲得することになるからです。