何に投資すればよいか? (フローチャート)

投資で失敗する人、何もしない人

私の周りには、

  • トルコリラの外貨預金で金利以上に為替差損が発生し失敗した人
  • 銀行の個人年金保険を勧められているけど、どうすべきかわからなくて迷っている人
  • 定年になって退職金を受け取ったけどどうしたらよいかわからなくて銀行預金に預けたままの人

等がいます。

何に投資すればよいか?

そのような場合に、参考になるかもしれないフロー・チャートを作りました。投資は、あらかじめ正解の分かっている行動ではありませんが、これだけは避けた方が良いと思われるものを赤で示しました。私と連れ合いは、株式ETFで資産を運用して、現在のところ良好な結果を得ています。まだまとまったお金のない、私の子供たちには、低コストインデックスファンドの積み立てを勧めています。以下のフローチャートとどのくらい一致するかを確認してください。

① 自分の資産を減らして銀行員の給料を増やしたいか?

リストラに熱心な銀行

定年になって、退職金が銀行に振り込まれると、自宅に電話がかかってきます。あるいは、相続した土地を売却するときに、その資金の運用をどうすればよいかを相談すると、繰り返し繰り返し電話がかかってきます。私の家から徒歩10分以内の場所に、三井住友、三菱UFJ、みずほの支店がありますが、そのうち2行が窓口のサービスをやめてしまいました。おそらく、もう1行も同じ道をたどるでしょう。

銀行は価値を生み出しているか

私は今から30年以上前にみずほ銀行の前身である銀行に身を寄せていたことがありました。その時に感じていたのは、銀行はどんな価値を作り出しているのだろうかということでした。第二次世界大戦後には、勃興する企業や産業に、リスク覚悟で思い切った貸し付けをしていた時代もあるようでしたが、そういう時代は過ぎてしまったのかもしれません。

銀行との接点

今銀行のやっていることの全貌はわかりませんが、少なくとも私たち一般庶民にとって関わりのある事項は、

  1. 給与、年金の受取口座
  2. 住宅ローン
  3. 外貨預金、アクティブファンド、年金保険などの勧誘

です。

1.給与、年金の受取口座

給与、年金の受取口座は必要ですし、ATMの費用を払わないでも利用できますから、お世話になっています。

2.住宅ローン

住宅ローンは、私の場合利用していないので、特にメリットを感じていませんが、現在は超低金利ですから、利用するには良いタイミングでしょう。固定金利と、変動金利がありますが、これからインフレになる恐れもありますから、私だったら迷わずに固定金利を選ぶと思います。

3.外貨預金、アクティブファンド、年金保険などの勧誘

これについては、三井住友・みずほ・三菱UFJ銀行・郵便局訪問記 で詳しく書きました。銀行が営業に力を入れているこれらの商品は、私たち利用者側としては基本的にやめた方が良いものばかりです。銀行員の給料は一般企業の社員に比べて高いことはよく知られていますが、近年インターネットやコンピューターで中抜きが進み、一方で貸し付けのリスクもとらない現在の日本の銀行は、知識のない一般庶民から利益を稼ぐのが手っ取り早いと考えているようです。

② 自分の資産を減らして証券マンの給料を増やしたいか?

ファンドラップ、アクティブファンド

証券会社は、ファンドラップ、アクティブファンドの販売に力を入れています。35年前に私がアメリカ出張した時の飛行機で、隣に座った山一證券の人がしてくれたアドバイスは、「投資信託だけは買わない方が良い」というものでした。この人は私と共通の知り合いがいたので、親切なアドバイスをしてくれたのですが、現在もこのアドバイスは大切です。当時の投資信託には、低コストインデックスファンや株式ETFがなく、現在のアクティブファンドだけの時代でした。アクティブファンドの売買には手数料がかかりますし、保有コスト(信託報酬)も高いのです。

株式ETFや低コストインデックスファンドで十分

ファンドラップなど使わずに、株式ETFや低コストインデックスファンドを2~3本持っていればポートフォリオとして十分な成果が得られると思います。

③ 確定拠出年金、NISA、つみたてNISAを利用しているか?

日米の老後資金は3倍差

今から20年前に、日本人とアメリカ人の老後資産は2000万円ずつで同じ水準でしたが、現在は日本人2000万円、アメリカ人6000万円となりました。その要因は、アメリカにおける株価上昇と、401(k)と言われる確定拠出年金、IRA、ロスIRAという貯蓄制度の普及だと思われます。日本でも2010年代に入ってから、確定拠出年金、NISA、つみたてNISAの制度が導入され、低コストインデックスファンドも広がりつつありますが、そのスピードはとても遅いように思えます。

日本の制度、商品は素晴らしい

現在の日本の貯蓄制度、商品は、アメリカの現状と比較しても決して劣っているとは思えません。したがって、これらの制度、商品を活用すれば、アメリカ人と同じメリットを享受できるのです。

信託報酬0.2%以下

その時に気を付けなければいけないのは、商品に支払うコストです。株式ETF、(インデックスファンド)投資信託も年率0.2%以下のコストのものを選ぶのが目安になると思います。

10年間保有

余裕資金で投資し、10年間持ち続ければ、きっと良い結果が出ると思います。