自分の資産運用は何点か? 1

  • 自分の資産運用方法が良いのか悪いのか?

  • 点数をつけると何点になるのか?

これは誰もが関心がありますし、人によって置かれた状況がそれぞれ違いますから、一概には決定できません。例えば、個別銘柄に投資をして増やした経験のある人は、個別株式の保有を優先するかもしれません。また、保有していた個別株式が企業倒産で大損した人は、株式自体をやめてしまうかもしれません。

そこで、次のことに重点を置いて私の考えを述べたいと思います。

  • リターンとリスクをバランス良く重視する
  • まとまったお金のある中高年と、まだまとまったお金を持たず、これから稼ごうという若い世代に分ける

投資の本や雑誌などで、「何億円稼いだ」のような記事が出ることがありますが、その人たちの裏には「何億円損した」という人達がいます。この両方の人達は、リスクを軽視している人たちで、私の投資方法の範囲からは、外れます。

ここでは、比較的リスクが少ない中でリターンをどう増やすかを考えます。

代表的なパターンを点数ごとに区分したいと思います。点数は100点満点で、私の主観で決めています。

Ⅰ.まとまったお金のある中高年

① 全額を銀行に預金する:10点

必要最小限以外のお金

普段の生活に必要なお金以外の余裕資金をすべて銀行に預金すると、現在のような超低金利の時代に、お金を増やすことはできません。生活に必要な最低限のお金、近い将来使うことが確実なお金は銀行預金に入れておくのが良いでしょうが、それ以上の金額については、どうすべきかを考える必要があります。

DCで銀行預金を選んだ人

2002年に、私が勤めていた会社が確定拠出年金制度を導入したときに、私は元金の600万円を100%外国株式インデックスファンドで運用し、19年後の現在、1,100万円増えて1,700万円になりましたが、社員の90%は元本確保型の銀行預金を選びましたから、資産は増えませんでした。確定拠出に限らず、将来使うためのお金を銀行に預金するのは誤りだと思います。

銀行預金は10点

したがって、このパターンは100点満点で0点としても良いのですが、リスクがゼロであり、デフレの場合には多少価値が上がる可能性があるので、10点を付けました。

連れ合いも預金派から株式ETF派に転換

しかし、基本的に、当面の生活資金以外を、あまり多く銀行預金にするのは、今後やってくるかもしれないインフレリスクを考えると、得策ではありません。私の連れ合いも、もともとは、金融資産のほぼ全額を銀行預金でもっていましたが、現在は、かなりの割合を株式ETFにしてよかったと言っています。

② アクティブファンドに投資する:30点

アクティブファンドは高コスト

このブログで、アクティブファンドは絶対に勧められない銘柄だと、ことあるごとに説明しています。しかしここでは30点を付けました。低コストインデックスファンドのコストが毎年0.1%なのに対してアクティブファンドは1~2%かかり、それ以外にも購入時手数料がかかります。それだけのコストをかけても、リターンが良くなるという保証はありません。

ウォーレン・バフェットの賭け

十数年前に、ウォーレン・バフェットがアクティブファンドと賭けをして、インデックスの優位性を証明したように、アクティブファンドを持っていても、コストの高い分だけ損をするということが分かりました。それでも例えば、平均リターンが6%あれば、毎年2%のコストを払っても4%は残ることになりますから、銀行預金よりは良いことになります。

条件付き30点

ただし、ここで付けた30点の前提は、一度買った後は売買をせずに長期間持ち続けることです。アクティブファンドの問題点は、毎年の信託報酬が高いことに加えて、売買を繰り返させようとして証券会社が営業を仕掛けてくることなのです。証券会社は必至で、あの手この手を繰り出しますから、アクティブファンドを購入するということは、非常に危険なエリアに入り込んでしまったということを意味します。30点という点数は0点よりは良いのですが、合格点は60点ですから、不合格ということには変わりありません。間違えて買ってしまったら、10年、20年は塩漬けにするとともに、今後は一切アクティブファンドを買わないようにすることです。

アクティブファンド 独立系ファンド 低コストインデックスファンド
購入時手数料 1~4% 0~% 0%
売却時手数料 0~1% 0~% 0%
運用管理費用(信託報酬) 1~2% 0.5~1% 0.1%以下

③ 独立系ファンド:50点

ひふみプラス、さわかみファンド、結い2101など、銀行や証券会社などのグループに属さない「独立系」の運用会社が運用する投資信託で、主要な銘柄は以下の通りです。

  • ひふみプラス(レオス)
  • さわかみファンド(さわかみ)
  • 厳選投資[スパークス・新・国際優良日本株ファンド](スパークス)
  • 結い2101(鎌倉)
  • コモンズ30ファンド(コモンズ)
  • セゾン資産形成の達人ファンド(セゾン)
  • みのりの投信(ポートフォリア)
  • ファンドの宝石箱[ありがとうファンド](ありがとう)
  • コドモファンド(クローバー)
  • ユニオンファンド(ユニオン)

ひふみ、セゾンも魅力なし

これらの銘柄の中で、ひふみやセゾンのものは、「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year」でも毎年上位に入っています。これらの銘柄は、低コストインデックスファンドが登場する2013年以前には、金融機関系のアクティブファンドに対してコスト面の優位性がありましたが、その後、<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンドや三菱UFJ国際-eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)が激しい低コスト化競争を繰り広げる中で、魅力のないものになってしまいました。

アクティブファンドよりはまだましというレベル

6%のリターンを稼ぐために、1%のコストを支払う必要はありませんから、0.1%の低コストインデックスファンドを選ぶべきです。

<明日に続く>