加入しない方が良いかも知れない制度 2

国民年金基金

国民年金基金は、国民年金の第1号被保険者の上乗せ年金制度で、全国国民年金基金と、同一事業または業務ごとの職能型国民年金基金の2形態があり、どちらか一つの基金に加入することができます。

原則として、国民年金保険料の未納者や免除者、付加保険料を払っている人は加入できません。なお、平成25年4月1日より加入対象が拡大され、国民年金の任意加入被保険者(60歳以上65歳未満の人)も加入できるようになりました。掛け金は確定拠出年金と合わせて月額68,000円までで、全額が社会保険料控除の対象となります。受給する年金には公的年金等控除が適用されます。なお、国民年金基金の加入員になると、付加保険料は納付できなくなります。

結論から言うと国民年金基金には加入しない方が良いと思いますが、その問題点は次の3点です。

  1. 掛け金は確定拠出年金と合わせて月額68,000円までです
  2. 現在の予定利率(2020年9月現在1.5%)が低い
  3. 掛金は加入時の予定利率(2020年9月現在1.5%)で運用され、加入時に将来受取れる年金額が確定します

これらの問題点について、以下具体的に説明します。

1.掛け金は確定拠出年金と合わせて月額68,000円までです

個人型確定拠出年金は、現在低コストの商品がそろっていますが、国民年金基金の掛け金は確定拠出年金と合わせて月額68,000円までですから、国民年金基金を選ぶとその分確定拠出年金の掛け金が減ることになります。私なら、外国株式インデックスファンド(期待リターンは7%)を個人型確定拠出年金で運用する方法を選びますから、国民年金基金の入り込む余地はないように思います。

2.現在の予定利率(2020年9月現在1.5%)が低い

平成3年には予定利率が5.5%でしたが、その後どんどん下がって、現在は1.5%になりました。予定利率5.5%という水準は1990年頃の資産バブルの頃の水準で、超低金利時代の現在この維持は難しいため、数多くの厚生年金基金が改組を迫られました。日本における予定利率は財形なども含め1%程度まで下落しましたが、アメリカなど世界の株式インデックスファンドに投資すれば、もっと高いリターンが期待できるのですから、わざわざ1.5%の予定利率に満足する必要はありません。

3.掛金は加入時の予定利率(2020年9月現在1.5%)で運用され、加入時に将来受取れる年金額が確定します

日本銀行は、インフレ率2%を目指しているので、もしそれが実現した場合、加入時の利率1.5%が適用されるこの制度は、とても不利なものになります。逆に言えば、平成の初めに5.5%の予定利率で加入した人はとても有利な加入を果たしたことになります。この結果、あまりにも不公平で理不尽な制度に思えます。

このように大きな問題を抱えている国民年金基金は、普通に考えれば、近づきたくない、加入しない方が良い制度ですが、実際の加入者数はどうなっているのでしょうか。

下のグラフは、加入者数がどんどん減っている棒グラフです。

国民年金基金加入者の推移

新規の加入者数だけを見ると下の折れ線グラフとなり、新規加入者数がほとんどいないこと分かります。現在は非常に危険な状態です。民間企業なら、とっくに破綻しているでしょう。このままの状態が続けば、国、加入者などが痛み分けとなるのでしょうが、いつ、どのような形で行われるのか見当もつきません。

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小規模企業共済

小規模企業共済とは、常時使用する従業員が20人(商業とサービス業では5人)以下の個人事業主や会社の役員等が、退職金などを用意する共済制度です。

掛け金は月額1,000円~70,000円で、全額が小規模企業共済等掛け金控除の対象となります。給付は、一時金として受け取る共済金は退職所得扱い、年金軽視で受け取る共済金は公的年金等控除の対象となります。

小規模企業共済の問題点は以下の通りです。

  1. 予定利率(現在1%)が低い
  2. 在籍人数がピーク時に比べて低く、そのまま低迷している

1.予定利率(現在1%)が低い

期 間        予定利率
制度発足時~H08.03.31    6.6%
H08.04.01~H12.03.31    4.0%
H12.04.01~H16.03.31    2.5%
H16.04.01~現在       1.0%

GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)並みの運用をしていれば、3%程度のリターンは期待できるのでしょうが、現在の1.0%という予定利率の水準はあまりにも低いと言わざるを得ません。

2.在籍人数がピーク時に比べて低く、そのまま低迷している

棒グラフは加入(薄茶色)脱退(水色)人数で左目盛り、折れ線グラフは在籍人数で右目盛りです。

平成8年ごろまでは予定利率が6.6%と高かったため加入人数が多かったのですが、その後現在の1.0%まで低下してきたので、在籍人数は漸減してきました。

  • 在籍人数は、平成6年度から減少が続いていたが、平成21年度に底を打ち、120万人を維持している。
  • 加入人数は、平成13年度をボトムに増加し、近年は6~7万人で推移し、脱退人数も同水準で推移している。

利率は1.0%ですが、掛け金全額が社会保険料控除の対象になりますので、老後資産の形成のポートフォリオの一つとしては、選択の余地があるのかもしれません。しかし予定利率が1%しかないので、過度に頼るのは考え物かもしれません。

私ならどれも利用しない

以上、財形、国民年金基金、小規模企業共済の現状と問題点を見てきましたが、基本的には加入しない方が良さそうな制度ばかりです。一番危険なのが国民年金基金で、過去の遺物になったのが財形、もし加入する場合でも、ほんの少しだけにした方が良いのが小規模企業共済です。私なら、どれにも加入しません。代わりに個人型確定拠出年金制度を利用して外国株式インデックスファンド等の積み立てを行います。

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